生成AIは小売をどう変えるか?号

「やまさん」こと、おちゃのこ山崎です。

春になったと思ったらもうゴールデンウィーク直前。「光陰矢のごとし」を実感する今日この頃です。

海の向こうではイランとイスラエルという新たな戦争の火種がくすぶっていますが、日本国内はというと、あまり緊迫した雰囲気ではありません。いつの頃からか、日本は「こんなもんでいいんじゃないか」という思いが蔓延する国家になってしまったようです。それは見方を変えれば、国全体が「茹でガエル」状態であるのかもしれません。

かといって、高度成長期のように「明日は今日よりきっと良くなる」と誰もが信じていたイケイケの追い風はどこにも見られません。少しずつ上がっている所得は物価の値上がりに追いつかず、国民の幸せ感も途上国より低いくらいです。

かつての「シラケ」の時代とも違う低いレベルの諦めが重たい霧のように世間を覆い尽くしているというのが、今の日本の姿なのかもしれません。これは誰かが先頭を切ってどうにかしないと、本当にまずいことになってしまいそうです。

そのリーダーシップをどこに求めればいいのか考えてみましたが、政治家に期待するのは無理そうです。官僚も期待薄。となれば、私たち経営者が立ち上がるしかないのではないか…。そう考えて、今回の「オススメ参考書」を選んでみました。

本のタイトルは、本稿と同じ『生成AIは小売をどう変えるか?』。新しいテクノロジーであることはわかっていても、ChatGPTなどを興味本位でテストしていても、それが自分のビジネスに直結すると実感している人はまだ少数派だと思います。

そこから一歩を踏み出して、ビジネスの変革に手をつけるかどうか。それが今の日本の経営者たちに求められている態度なのではないでしょうか。

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ヘッダーをコンパクト
ヘッダーをコンパクトに表示する「コンパクトヘッダー」の設定が加わりました。
この設定を有効にすると、ショップロゴ、ヘッダーナビゲーション、商品検索ボタン、右上ヘッダーボタンが1行で表示されます。
パソコン幅ではヘッダーナビゲーションを表示し、スマートフォン幅では右上のハンバーガーメニュー内にメニューが格納される形式です。
ヘッダー部分をコンパクトに表示するとこで、メインのコンテンツの表示領域をより大きく見せることができます。

コンパクトヘッダーの設定が利用可能なテンプレートは、「レスポンシブデザインテンプレート」と「スマートフォン版HTML5テンプレート」です。
利用するには、「サイドメニュー」が「使用しない」の設定になっている、または1カラムデザインのテンプレートが選択されている必要があります。

詳しくは以下のFAQをご確認ください。
https://www.ocnk.net/faq/index.php?action=faq&id=1725

オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!

生成AIは小売をどう変えるか?

永田洋幸・著/ダイヤモンド社・刊

1,604円(キンドル版・税込)/1,980円(紙版・税込)

著者の永田洋幸氏は、トライアルホールディングス取締役CDOおよびリテイルAI代表取締役CEOという肩書の持ち主です。トライアルホールディングスは流通業のトライアルカンパニーを中核とするグループの持株会社で、トライアルカンパニーはスーパーセンターとディスカウントストアを九州を中心に274店舗展開しています。直近の売上は5,332億円ほどです。

トライアルグループの特徴は、ITの取り入れに力を入れていることで、それはもともとの主力社業がソフトウェア構築やパソコン販売であったことと無縁ではないでしょう。実際に、スマートショッピングカートと呼ばれるレジ作業を省力化する機材は国内107店舗で1万5,000台が稼働しており、世界一の稼働台数であると言われています。

トライアルのスマートショッピングカートでは、プリペイドカードか専用アプリを登録してから付属のスキャナーで顧客が商品のバーコードを読み取ると、専用ゲートでのキャッシュレス決済が可能になります。カートのタブレット画面には、スキャンした商品に合わせたレコメンドが表示されるほか、その場で使用可能なクーポンがあれば表示されます。

店内のリテールAIカメラには小売店での使用に特化したAIエンジンが搭載されており、商品棚の監視や顧客の店内での動線分析が常時行われています。それにより、発注、補充オペレーションが最適化され、顧客が欲しいものを欲しいときに買える快適な売り場が作られています。

店内の随所にデジタルサイネージが導入され、店内全体や売り場単位で同一の音声付き動画や静止画を表示する「フィーバータイム」や、惣菜売り場で作り立て商品の品出しを知らせる「できたて動画」などが表示されています。AIによる個別商品のディスカウント表示も可能になっています。

ここまで紹介すると、本書は日本の最先端小売店の技術自慢話かと思ってしまうかもしれませんが、そうではありません。本書はトライアルグループが何を考えてAIを店舗運営に導入し、失敗し、成功してきたかの実録であるとともに、今話題の生成AIをどのようにビジネスに活用するかの入門書でもあります。

著者は「はじめに」の中で次のように問いかけています。
***
コロナ禍ではあらゆる産業がデジタル・トランスフォーメーション(DX)を求められ、DXを実現できなければコロナ禍の時代を乗り越えられないのではないかという“切迫感”さえあったような気もします。では、DXは本当に進んだと言えるのでしょうか。試行錯誤してみたが思ったほど効果がでなかったり、DXのゴールが見えない中で行き詰まったりといったケースも少なくなかったのではないでしょうか。
***

「うんうん、それはわが社もそうだ」という声が聞こえてきそうです。実際のところ、コロナ禍で進んだDXは「Zoomなどのリモート会議だけ」というところも多いかもしれません。

そこで著者は次のように続けます。
***
そこに来て今、われわれは生成AIという新たなテクノロジーと向き合うこととなりました。DX時代同様に生成AIが新たな切迫材料になったといっても過言ではありません。(中略)幻想ではなく、AIの発展の延長線上にあるシンギュラリティ(技術的特異点)が、産業のみならず、あらゆる生活の場面において起こることは不可避です。そのときになってから動き始めても、「時すでに遅し」なのです。
***

そのために著したのが本書であるということです。
***
そこで本書では、長年ITと小売の融合を進めてきたトライアルグループのIT部門を率いる筆者が、生成AIをはじめとする新しいテクノロジーに対してどのように向き合い、どのようなプロセスで活用すべきなのかを、われわれがこれまでに試行錯誤してきたこと、目下取り組んでいることなど具体的な事例も示しながら解説しました。流通業に携わる人はもちろん、新しいテクノロジーの導入・活用を志向するすべての人々にとってヒントになれば幸いです。
***

ただし、新しいテクノロジーは導入しさえすればすべてが解決する魔法の杖ではありません。そのことについて、著者は次のように注意しています。
***
最先端のテクノロジーというものは概して、「すばらしいもの」と手放しで称賛され、それを導入しようとする姿勢を示せば、市場からの評価・注目度も上がるケースが多いと言えます。しかし、テクノロジーをただ導入するだけで、「イノベーションを起こした」と言えるでしょうか。アメリカの経営コンサルタントで「キャズム理論」を唱えたジェフリー・ムーアはこんな指摘をしています。「顧客体験が変わらなければ、産業が変わることはない。顧客体験を変えれば、産業は変わる」
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その事例として、著者は「Amazon Go」を挙げています。鳴り物入りで登場したアマゾンの無人店舗は、未来の小売店の姿としてマスメディアに多く取り上げられましたが、閉店する店舗も多く、苦戦しているようです。

その理由について、著者は「テクノロジードリブン(新たな技術をもとに革新的なビジネスモデルを開発すること)の取り組みが先行し、オペレーションドリブン(店頭など現場の実状に合わせて機器やサービスを設計・運用すること)の考え方がなおざりになっていた」と指摘します。

***
そのためトライアルグループでは、新たなテクノロジートレンドを積極的に取り入れつつも、オペレーションドリブンを前提としています。つまり、導入する技術のレベルの高さを追い求めるのではなく、あくまで現場の課題やお客さまの買物体験をどう変えられるか。そこを重視しているのです。生成AIについても具体的な活用領域を設定し動き始めていますが、オペレーションドリブンであることは変わりません。
***

それでは、本書の目次を紹介します。
・はじめに
・第1章 生存戦略としての「リテールDX」
われわれは「第四次産業革命」の時代を生きている
サプライチェーンに潜む「43兆円」の非効率
データの価値を最大化するために
「リテールDX」でめざすべき好循環
買物ストレス低減とデータの多様化を両立する
MDの最適化と「コンサインメント」の取り組み
データの進化がマーケティングを強固にする
大量陳列で売れる時代は終わった
「アジャイル型商品開発」の手法
ショッパーマーケティングの重要性
リテールメディアが広告のムダを排除する
「消費」が変われば、「店」も変わる
労働人口減少という不可避の課題
店舗の「完全無人化」は不可能ではない
「近くておいしい」完全無人店舗
発注は本当に小売の仕事なのか?
GAFAMにもできない、非計画購買の“解明”
生成AIは流通業の救世主かもしれない
「商売のノウハウ」を生成AIで継承する
DX人材に求められるスキルとは
何もしないことは衰退でしかない

・第2章 新しいテクノロジーとの向き合い方
「ハイプ・サイクル」
スマートに失敗しよう
トライアルでの失敗事例(1) 基幹システム刷新とカメラ画像処理システム
トライアルでの失敗事例(2) 店舗運営ノウハウのAI化プロジェクト
技術開発はあくまでも「手段」でしかない
ChatGPTも「幻滅期」に?

・第3章 生成AI活用の道筋
大規模言語モデルとは何か
「ゼロショット学習」と「フューショット学習」
「スケーリング則」を理解することの重要性
大規模言語モデル開発は資本力がモノを言う
「基盤モデル」に期待される3つの特徴
基盤モデルの注意点――「破滅的忘却」と「汚染」
トポロジカルデータ分析(TDA)とKLダイバージェンス
基盤モデルの活用事例(1) 「e3SMART」
基盤モデルの活用事例(2) 「TRIAL Culture GPT」
基盤モデルの活用事例(3) 「BN-GPT」
基盤モデルの活用事例(4) 「SO-GPT」
既存の生成AIの活用
オペレーションドリブンが不可欠である理由

・第4章 「ナッジ」の重要性
人間の限界を補う「ナッジ」
ナッジの研究が購買体験に変容をもたらす
AIとナッジと行動
ナッジのデザインが組織を強くする
「思考の連鎖」と「思考の樹」
AIのナッジを中心にタスクが回る世界
ナッジ生成のプロセス
ナッジは企業の「無形資産」を生み出す
ジョブ・クラフティングと生成AI
「タスクの自動化」は従業員の自信につながる
「DX基盤」をつくることの意義
デジタル・ナッジングとデジタル・パースエイジョン

・第5章 DX実現に欠かせないエコシステム
とはいえ存在する、DX投資への抵抗
組織全体が技術の価値を理解しなければならない
テクノロジードリブンの限界点
「オペレーションドリブン組織」をどう形成するか
「エコシステム」の形成がDXに欠かせない理由
福岡につくり出した「日本版シリコンバレー」
変革の波を起こす当事者になるために
・おわりに――すべてが「不可避」になる世界

第1章と第2章、第5章は流通ビジネスに携わる小売、メーカー、卸などの企業に勤める人にぜひ読んでほしい内容だそうです。第3章と第4章は生成AIについてある程度の知識を持っている人向けの内容となっています。

今回、目次をかなり詳しく載せたのは、キーワードを見てこの本を読むかどうかを決定してもらいたいからです。気になる言葉が5つ以上出てきたら、読んだほうがいいでしょう。

以下、私が本書の電子書籍版を読了して、マーカーを付けた部分をご紹介します。まず第1章から。

「現在進行中であるのが、『第四次産業革命』です。これは、物理的な世界とデジタルな世界が融合するという特徴を持ちます。AI、ビッグデータ、IoT(モノのインターネット)、ロボット技術、ブロックチェーンなどの新技術が中心的な役割を果たしています」

「われわれ流通業がDXに真剣に取り組まないといけない理由はもう1つあります。それは、メーカーから卸、小売、そして消費者に至るまでに構成されるサプライチェーン上に、トライアルグループ独自の試算で、約43兆円のコストが存在しているという事実です。そして、その中に潜んでいる非効率なコスト(ムダ・ムラ・ムリ)を、『最適化できるのにできていない』という現状に、筆者は強い危機感を覚えています」

「『顧客データ』を蓄積できるのは小売業です。メーカーは消費者との直接的な接点が少なく、販売データは『(卸への)出荷数』でしか把握できず、その先の小売店舗でどれだけの数がどのようなユーザーに渡っているかというデータは取得できません」

「それだけ、小売の現場で取得できるデータは、価値の源泉なのです。ただし気を付けたいのは、データを“共有するだけ”では意味がないということです。データを共有した先に、サプライチェーンの仕組みそのものが変わらなければ、データに真の価値は生まれません」

「つまり、『いかに多くの商品を売るか』ではなく、『集めたデータからいかに付加価値を生みだすか』を重視し、それ自体を収益の柱にするということです。流通業のビジネスモデルそのものにイノベーションを起こす。これがリテールDXの真髄なのです」

「『非計画購買』に対してもリテールメディアは効果を発揮します。非計画購買とは、あらかじめ買う予定のない商品を『つい手に取ってしまう』という購買パターンのことですが、すべての購買行動の実に8割ほどが、非計画購買によるものだとされています」

「完全無人店舗が世の中に浸透した暁には、コモディティ商材に関しては『リアル店舗で買うこと』の必然性はなくなり、その購買行動のほとんどがECに取って代わることになると想像しています」

引用を続けるとそれだけで終わってしまうので、ここで一気に第4章に飛びます。第4章では人間の限界を補う「ナッジ」という手法が紹介されます。ナッジとは誰かに目的の行動を取ってもらうために「穏やかに促す」ことを言います。人々がより良い選択をするために軽くプッシュするというものです。

たとえば、学校で先生に指名されているのにぼーっとしている同級生に気づかせるため、肘で軽く小突くような行動がナッジです。これは心理学と経済学が融合した行動科学に基づいた手法で、経済合理性のみからは生まれないものです。

著者は生成AIの活用でナッジを適切に利用できると考えています。ナッジを対顧客だけでなく、対スタッフなどビジネス全般に活用して仕事を活性化していこうというものです。そして、その先にあるものは「ナッジが企業の無形資産を生み出す」という考え方です。

著者は「真のイノベーションを生みだすには、新たなエコシステムが必要」と考えています。アメリカのシリコンバレーのように、異なる企業や産業、教育機関が連携し、相互依存的な関係が構築された新しい価値創造の仕組みが必要だというのです。

そのために、トライアルグループでは福岡県の宮若市で「リテールDXタウン宮若」というイノベーションエコシステムを形成しています。これは宮若市の協力の下で3つの研究開発拠点を設置するものです。

そのひとつは旧宮田西中学校の校舎をリノベーションした「TRIAL IoT LAB」です。最先端のIoT技術の開発、高度化を図る場所で、デバイス開発センターの機能を備えています。トライアルグループと取引のあるメーカーや卸のエンジニアメンバーを招聘し、スマートショッピングカートなどリテールの技術革新を進める拠点になります。

次が「MUSUBU AI」という旧吉川小学校の校舎をリノベーションしたAI領域の拠点です。サテライトオフィスやプロジェクトルームを備えて世界中と距離の障壁なく研究開発ができるように設計されています。ゆくゆくは教育機関と連携して将来のAI人材を育成する施設としても活用されます。

最後が「MEDIA BASE」という旧笠松小学校の校舎をリノベーションしたコンテンツ作成・情報発信を行う場所です。ショッパー・マーケティング実践のために、店頭のデジタルサイネージやSNSの内容がここで研究されていきます。

本文の文末で、著者は次のように記しています。
***
たとえば、自動運転の技術が飛躍的に進化しています。(中略)これはただ「車の技術が進化して便利になった」という話では終わりません。自動運転が当たり前になったとき、タクシーやバスの運転手の役割はどう変わるでしょうか。自動車保険の内容は今のままで良いでしょうか。駐車場も「自動駐車機能」を前提に設計しなおさなければならないかもしれません。第四次産業革命で生まれた自動運転というイノベーションは、車にまつわる産業全体に、変化を迫ることになったのです。
***

***
流通業も同様に、本書で論じた生成AIをはじめとする破壊的イノベーションによって、大きな変革の波が押し寄せてくることは想像に難くありません。われわれは宮若という地を拠点に、イノベーションを起こす“当事者”になることをめざしています。
***

ページをめくった「おわりに」では、著者が本書で一番言いたかったことが書かれています。
「デジタル変革に伴うあらゆる変化はInevitable(不可避)である。やらなければ、何も進まない」

本書はスーパーストア、ディスカウントストアを舞台にした小売業のイノベーションについて語られたものですが、そのエッセンスの部分はECに取り入れることが可能と思われます。

むしろ、小回りが利き、トップの考えが末端まで反映されやすいECのほうが、よりDXを徹底させやすいとも考えられます。

本書には具体的に生成AIをどのようにビジネスに組み込むかについては書かれていませんが、そのノウハウの部分は読者が独自に研究・開発するべきものでしょう。生成AIにその方法を尋ねてみても答えが得られるかもしれません。

生成AIが単なる知的ツールではなく、ビジネスを変革させる起爆剤になり得ることを教えてくれる、有意義な1冊です。


 

EC仙人のダメ出し!道場

 

有限会社スタイル・イー

有限会社スタイル・イー
代表:太田哲生
http://www.style-e.com/

食いしん坊太田の食材クイズ! 私の好きなこの食材は何でしょう!?

食感は「シャキシャキやホクホク」。
色黒に見えて実は色白。旬は秋から冬。
和食には欠かせない。
煮て良し、焼いて良し、生で良し、天ぷらも絶品!
すりおろしてハンバーグや肉団子のつなぎにも。
日本では弥生時代の遺跡からも種が発見。
その種を撒いたらなんと発芽したという生命力。
美しい大輪の花を咲かせる花の色は白、ピンク。
大きな葉は雨をはじいて水玉がコロコロ。時にカエルの休憩場所。
穴が開いてるので「見通しが利く」と縁起の良い食材とされ、おせち料理、懐石料理、精進料理にもよく使われます。

そろそろおわかりですかね(^^;)
そう、正解は蓮根(れんこん)です!
ハスネとも読みますが読んで字のごとく池や沼地に咲く蓮の根っこ(正確には地下茎)です。

世界的にはインドから東南アジア~中国~日本で広く繁殖しているようですが、常食するのは日本と中国くらいのようですね。

蓮という植物は、蓮華としてインドのヒンズー教や仏教絵画でも神様や仏様と共に描かれていたり、蓮華経といった経典にも名がついていたりと、古来より神聖な植物として扱われていたようです。

存在感のある大きな花は白~ピンク~赤と品種や条件によっていろいろな色があるようで、昨今流行ったアニメの主題歌「紅蓮華」は赤い蓮の花のことですね。

現代の日本では地下茎である蓮根部分しか食しませんが、昔は蓮の実や種、茎の部分も食べていたとのこと。今でも食べる国や地域もあるようです。

歴史やウンチクはともかく、レンコンは美味しいですよね~!
私は大好物で月に何度かは必ずレンコンを使った料理を食べています!
レンコンステーキ(グリル)、きんぴら、煮物、サラダ、炊き込みご飯、天ぷら、レンコン饅頭、つみれ、肉団子、ハンバーグなどなど!
作ったことはないですが、砂糖煮やプリン、ゼリー、チップスなども美味しそうですね!

何年か前にNHKの情報番組で見たのですが、このレンコン、地下で育っていく過程で先にできた節と二番目、三番目と新しくできた節では食感が全然違うのだとか。最初にできた部分を長男、二番目、三番目を次男、三男と名付けていました。

https://bit.ly/44cK2YW
↑↑↑↑↑
早く育った長男は糖分、でんぷん質が多く、調理するとホクホク感やねっとり感があり、新しい子ほど、シャキシャキ感が強く、サラダやきんぴらなど食感を楽しめる料理に向いているのだとか。

ただ、大手スーパーなど流通網に出荷される際は大きく太い長男部分が良いとされるため、なかなか三男部分はスーパーではお目にかかれないようです。私はシャキシャキ三男も好きなんですけどねー。

さてさて今回のお店は、日本一のレンコン産地である茨城県で、ご実家がレンコン農家で自らは料理人(飲食店経営)の店主が開発した無添加手づくりれんこんドレッシングをメインに販売するショップさんです。

それでは「ダメ出し!道場」始まりです!

ダメ出し!依頼ショップ
蓮根工房 れんこん庵

ショップ名 :
蓮根工房 れんこん庵さん

サイトURL:
http://renkon-an.ocnk.net

ショップの現状、お悩みの点など

サイトでの販売があまり無いので、ほぼ案内だけのサイトになってしまっています。

第一印象:開店休業状態? 営業しているの?

店名が「蓮根工房 れんこん庵」でキャッチコピーが「生産量日本一のレンコンの郷、茨城から健康と美のための食品をお届けします」とあり、有名な情報バラエティのTV番組名や写真があります。

産直やグルメお取り寄せが好きなお客様であれば、「ここは産直ショップで期待が持てそう!」と思われるであろうトップページですが…

いざ、ページを眺め始めると…

商品はすべてSOLD OUT(4/23時点→4/25時点 販売再開)。
品数もドレッシング3点個別と3点のギフトセットのみ。

What's New(最新情報)が2021年8月の雑誌紹介情報が最後で、2年半以上更新もされていない。

「本当に営業しているの?」「このお店大丈夫?」と不安になるような状況…

それを抜きにしても、「食品」を販売するお店として、いわゆるシズル感(美味しそう! 食べたい! 食欲をそそられる!)がまったく無し。

感覚や食欲、心や気持ちをまったく刺激されません。

感覚ではない純粋な情報として見ても…

運営しているれんこん庵とはどこのどんな店? メーカーなのか? 運営者の菊池厚さんとは? プロフィールは? スポーツウェア姿で名前と星座と趣味(スポーツトレーニング)と情熱の料理人の一言だけ。

主力商品である「れんこんドレッシング」はこの人が作ったんだろうな~くらいはわかるのですが、どんな素材でどんなこだわりやどんな工夫を凝らして作られたのかなど、開発の物語や思いなどはほとんど感じられません。

ただ、知らないおじさんが作ったレンコンのドレッシングというだけでは「買ってみてよ」と言われてもなかなか「ぜひ食べてみたい!」「よし、買ってみよう!」という心理になれるお客様は少ないと思います。

どんなお店なのか? どんな店主なのか? の自己紹介から始まり…

店長さんにとっては、地元茨城で当たり前のように触れて来た蓮根であっても、初見のお客様にとっては、いったいどこでどんな人が育てた蓮根なのか? それをどんな人がどんな思いで作ったドレッシングなのか? どんな味でどんな見た目なのか? どんな料理に合うのか? などなど…

好奇心をそそり、興味を持たせ、美味しそう! 食べてみたい! と短時間(第一印象)で思わせなければせっかく来店(アクセス)して下さったお客様も逃げてしまいます。

「お店や商品をまったく知らないお客様」の目線で今一度お店ページを見てみましょう。

インタビューで浮き彫りになったこと

店主の菊池さんにお電話でインタビューさせていただきました。
ショップページのプロフィールにあるように、菊池さんは料理人。
現在は1店舗ですが、コロナ前は茨城県内に数店の飲食店を経営されておられました。

ご実家が蓮根農家で今はお兄さんが家業を継がれ、蓮根栽培・出荷されていらっしゃるとのことで、お店や商品に使う原材料の蓮根は、ご実家からの調達。鮮度、品質の良いものを常に使えることが強み。

通販の主力商品であるれんこんドレッシングは2007年に、お店(飲食店)で出すサラダにと、実家のれんこんを活用しようと開発されました。ヘルシーを意識してノンオイルで、防腐剤、着色料、保存料を一切使用せずに作ったこと、蓮根のドレッシングは珍しいということもあり、メディアの取材や露出もあって、県外の量販店などからも引き合いがあり、当初は売れ行き好調であったそうです。

ドレッシングとして見た時には600円(税込)はやや高価ということもあってか、徐々に引き合いは減り、現在は、自飲食店での直販と県内の農産物販売所などリピーター需要がメインとのことです。

コロナ禍で飲食店経営に大きな逆風が吹き、スタッフが減ったこともあり、ここの所はネットでの積極的な販売を止めていたそうですが、今回、インタビューをきっかけに販売を再開されました。

現在の飲食店は市の経営するホールや研修室、温泉施設などのある福祉施設内の食事処として幅広いメニューで営業されており、席数も100席規模で厨房も広く、今後の商品開発にポテンシャルがありそうです。

具体的なダメ出し&改善策

とにもかくにも、お店、店主(開発者)、生産者についての自己紹介が少な過ぎます。2007年から17年間もおちゃのこ出店しながら、「ネットで情報発信」が充分になされていないのは本当にもったいないです。

おちゃのこ店もですが、SNSも、X は2011年 以来更新なし、Facebook はアカウントがなくなっていたり…
まったくと言って良いほど情報発信なし。飲食店の情報もネット上には皆無。

もったいないです。

SNSをあれこれいろいろやるのは大変なのであれば、せめて、Instagram アカウントを作り一点集中で飲食店のメニュー紹介、地元の情報発信、旬の食材紹介、実家の蓮根育成状況(蓮田の様子、花や景色や育成や収穫の模様)、蓮根料理の紹介、農家ならではのレシピ、試作料理やデザートなど紹介、店主の身の回りのニュースなどを日々、少しずつ発信していきましょう。

撮影はお手持ちのスマホで充分です。写真だけでなく短い動画もどんどん投稿していきましょう。
#れんこん庵 (ハッシュタグ れんこん庵)を忘れずに!
プロフィール欄には おちゃのこショップのURLも載せて!

飲食店の方で許されるなら、Instagram のアカウント紹介したポップやショップカード、チラシ、ポスターなどを掲載したりお渡しして、少しずつでもリアルのお客様にSNSも知っていただきましょう。

おちゃのこショップの 店長日記やWhat's newでも、蓮田や蓮の花の写真など季節感のある情報を随時掲載して、最低限お店が生きていることをアピールしていきましょう。

まずはこの辺からスタートです。

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ドレッシング(調味料)は料理に使ってこそ。
サラダなり、お肉料理や魚料理、揚げ物など実際の料理を作って、そこにかけたり和えたりしている写真をイメージカットでたくさん掲載して、利用例、応用例を伝え、お客様の「それやってみたい!」「それ食べてみたい!」を刺激しましょう。

「ドレッシング」=サラダ という固定概念を持っている消費者も多いです。いろいろ使えますよ! を具体的に示してイメージさせましょう!

50点
総評

まず、れんこん庵の強みは、
・実家が蓮根農家で鮮度・品質の良い蓮根の調達が低コストでかつ部位や量など融通が利くこと。
・自らが料理人である店主が商品やレシピの開発ができること。
・試作、製造が広い厨房で日常業務の傍らに可能であること。
・小ロット・オンデマンドで製造可能であること。
・原材料食材調達が飲食店と種類・量など共有できること。
・試食・モニター客は毎日目の前にたくさん来店してくれること。

こうした強みを生かして戦略を考えると、やはり新商品開発に期待したいところです。冒頭コラム部分で述べたように、レンコンの部位ごとの食感の違いを活かしたメニューやレシピ。

ご実家では農協への出荷はホクホク、ねっとりの長男~次男部分がメインとのことですので、シャキシャキ三男部分の販売や、こうした食感の違いを活かした水煮パック、ザクザクサラダパック、荒濾しドレッシング、フルーツコンポートみたいなレンコンコンポート、レンコンゼリーやレンコンジェラートなどスイーツ類など食物繊維豊富で腸内環境(お通じ)にも良さそうなレンコン加工食品は、潜在ニーズもありそうですし、まだまだ考えられると思います。

(既に、茨城県の土産物、物産品として商品化されている物もあるかと思いますので高速道路のサービスエリア売店、道の駅売店、地元百貨店、土産物店などなど一通り市場調査してみてください)

冒頭コラムで触れたような、茎や、花、種、果実を使ったような古(いにしえ)のレシピ、加工品などもチャレンジすれば、商品化までいかずとも、「作ってみた」とSNS発信するだけでも話題作りになりますし、メディアで取材、紹介などのきっかけにもなり得ます。

また、新規商品開発には急速冷凍設備や、真空パック設備など多少の設備投資も必要かもしれませんので、この辺りは国や自治体の助成金制度を調べたり、市役所の商工部や商工会などへの相談、また生産者であるお兄さんともご相談になって共に収益拡大の可能性を探ってみても良いでしょう。

具体案、具体策でお悩みの場合はまたお気軽にご相談ください。

以上。「ダメ出し!道場」でした!

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毎回「ダメ出し!道場」登場のお店に電話でインタビューをさせていただいていますが、軽くインタビューと言いながら、実際には事前にお店のサイトを1~2時間かけてじっくり拝見し、お客様目線、プロ目線の両方から疑問点、気づいた点を洗い出してからお電話させていただいています。

最初はこちらからいろいろとご質問をさせていただき(インタビュー)ますが、後半はお店からのご質問、ご相談を受け、回答やアドバイス、アイデア、事例紹介など(プチコンサルティング)させていただいています。過去平均すると1店舗様に1時間半~2時間程度はかけています。

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このコーナーでは、テンプレートのカスタマイズについて、実際のサンプルページを元に紹介していきます。

皆さん、こんにちは。おちゃのこネットの刑部です。

今回のデザイン道場は、先日リリースした最新情報のカテゴリ機能を利用した際のカテゴリとアーカイブのタイトルデザインを変更する方法をご紹介します。






スタイルシートを編集する

デザイン管理→スタイルシートの編集から下記の指定をコピーして貼り付けてください。
#FF0000が背景色、#FFFFFFが文字色となります。ご希望のカラーコードに変更してください。


.side_box.whatnew_category_nav_box h2 {
background-color: #FF0000;
color: #FFFFFF;
}

 

なお、お問い合わせは下記ページからお願い致します。

https://www.ocnk.net/contact/index.php

編集後記

アドビのPhotoShop、Illustratorに生成AIが組み込まれ、これまで職人技が必要であった画像の加工が簡単に、短時間にできるようになりました。時代に遅れないように、ひとつずつマスターしています。
(おちゃのこ山崎)

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