日本人は雑談が苦手!? 号

「やまさん」こと、おちゃのこ山崎です。

遅れていた桜の開花が一気に進み、満開を迎えたと思ったら春の雨。自然界もなかなか「予定通り」とはいかないようです。

コロナで誰もが逼塞していたのは過去の話になりつつありますが、世の中はコロナ前とは違う舞台になりました。コロナ補助金でひと息ついていた飲食業を中心に、倒産件数が増大しているそうです。

倒産件数を押し上げているもうひとつの要因に、人件費の高騰があるようです。中小零細企業には大企業並みの人件費を支払う余力がなく、黒字であっても事業の継続をあきらめてしまうケースが増えているのだとか。ため息の出る話です。

こういう時代だからこそ、これまでとは違う新しいビジネスを開発する必要がありますが、そのためには経営者自身がいろいろな刺激を受けるためにインプットを増やしていかなければなりません。

その刺激の第一歩は、さまざまな人と会って会話することですが、どうも世相的に見てみるとコロナ禍以降、その動きが鈍いように思われてなりません。せっかくみんながリモートのスキルを身につけたのですから、それを大いに生かすべきだと思うのですが。

初対面の人と交わす会話はそれなりに緊張を伴うものですが、それをスムーズにするのがいわゆる「雑談」です。しかし、日本人はこの雑談が苦手なのだそうです。

今回のオススメ参考書では、外国人が教える雑談力の磨き方の本を取り上げてみました。

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皆さん、こんにちは。
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世界の一流は「雑談」で何を話しているのか

ピョートル・フェリクス・グジバチ・著/クロスメディア・パブリッシング・刊

1,485円(キンドル版・税込)/1,738円(紙版・税込)

著者のピョートル・フェリクス・グジバチ氏はプロノイア・グループ株式会社代表取締役、株式会社TimeLeap取締役、連続起業家、投資家、経営コンサルタント、執筆者という肩書を持つポーランド出身の人物です。

2000年に来日し、モルガン・スタンレーを経て、Google Japanでアジアパシフィックにおける人材育成と組織改革、リーダーシップ開発などの分野で活躍し、2015年に独立。未来創造企業のプロノイア・グループを設立しました。

2016年にHRテクノロジー企業モティファイを共同創立し、2020年にエグジット。2019年に起業家教育事業のTimeLeapを共同創立。ベストセラー『ニューエリート』(大和書房)、『パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』(かんき出版)など多数の著書があります。

著者は「はじめに」で「日本人は雑談を世間話や無駄話と考えている」と指摘しています。これまでに会った数多くの日本人ビジネスマンが、「今日は暑いですね」「今日は本当に寒いですね」といったフレーズから会話を始めることが不思議でならなかったそうです。

来日してしばらくの間は、「日本ではビジネスマンも季節の移り変わりを大切にしているのか?」と思っていたそうですが、やがてそうではないことに気づきます。天気の話は雑談を始めるための常套句だったのです。

そして天気の話に続くのは、SNSで話題になっていることや、お互いの業界の噂話など、とりとめのない会話でした。著者のような外国人の場合は、「日本料理では何が好き?」といった質問がそれに加わります。

そのようなあまり中身のない会話「雑談」は、日本のビジネス社会では本題に入る前の潤滑油と考えられているようですが、著者はそれを「とてももったいないこと」と感じるようになりました。それが本書を著した動機であるようです。

著者が在籍していたグーグルでは、「Let's chat !」というフレーズが飛び交っていたそうです。翻訳すれば「雑談しましょう!」になりますが、ここでいうchatは日本語での雑談ではありません。

「オープンでざっくばらんな情報交換」。それがグーグルでいうchatです。全員がフレックスタイムで働いているグーグルでは、コミュニケーションの機会を意識的に増やしておかないと、仕事に支障が出てしまいます。そのための会話がchatなのです。

日本のビジネスマンが交わしている「雑談」と、世界のビジネスマンの会話はどこが違うか。著者はこうまとめています。「話す側と聞く側がお互いに理解を深めながら行動や意識を変化させるような創造的なコミュニケーション」。

そこには次の5つの意図が必要です。
(1)状況を「確認する」
(2)情報を「伝える」
(3)情報を「得る」
(4)信用を「作る」
(5)意思を「決める」

こうした考えの元に展開される会話と、あたりさわりのない常套句の羅列である雑談では、コミュニケーションの質と量が大きく異なります。

なぜ日本と世界のビジネスシーンでそういう違いが出てくるのかについて、著者は「日本のビジネスマンの雑談には戦略的な視点が抜け落ちている」と指摘しています。そして「日本には気配りやおもてなしの文化があり、人間関係に対しても非常に敏感な人が多いと思いますが、さまざまなことに配慮しているわりには部下とのコミュニケーションが下手であったり、どこか無神経なところがあるのが不思議」と言います。

多くの日本人ビジネスマンは「雑談がうまい人=おしゃべりが上手で面白い話をする人」と考えているようですが、世界基準のビジネスの最前線は違います。「明確な意図を持ち、そこに向かって深みのある会話ができる人」が雑談のうまい人の定義です。

本書はその論点から語られていきます。では目次を紹介しましょう。

・はじめに
・第1章 「世界」の雑談と「日本」の雑談
・第2章 強いチームをつくる「社内雑談力」の極意
Part 1 グーグルは雑談とどう向き合っているのか?
Part 2 なぜ「社内の雑談」が必要なのか?
Part 3 マネジャー(上司)に求められる雑談とは?
Part 4 メンバー(部下)に必要な雑談とは?
・第3章 武器としてのビジネスの雑談

・第4章 こんな雑談は危ない! 6つのNGポイント
雑談のNG01 相手のプライベートに、いきなり踏み込まない
雑談のNG02 「ファクト」ベースの質問は意外に危険
雑談のNG03 ビジネスの場で「収入」の話はしない
雑談のNG04 「シチュエーション」を考えた雑談を心がける
雑談のNG05 「宗教」の話は無理に避ける必要はない
雑談のNG06 「下ネタ」で距離感が縮まることはない
・おわりに

第1章の冒頭で、著者は日本の雑談に定番のフレーズが多い理由として、日本人の奥ゆかしさ、謙虚さを挙げています。しかしそれは外国人から見ると「日本人は本音を言わない」「何を考えているのかわからない」という不満につながっているそうです。

それに対して世界基準のビジネスマンは「その人に特化した雑談」をしているといいます。「How are you ?」と定番の挨拶をされても、その返事は「I'm fine, thank you.」ではなく、「最近は最悪です。ちょっと仕事が忙しすぎます。うちのボスがバカなんです」とか、「最近は調子いいですよ。この間、出世しました」といった自己開示を伴った中身のある答えが返ってきます。

この「自己開示」が日本のビジネスマンと世界基準のビジネスマンの違いであると著者は言います。そして「自己開示ができるような質問をする」というのも世界の雑談の特徴です。

続いて著者は「日本人が自己開示に慣れていない理由」に踏み込みます。その理由の第一は、ヨーロッパやアメリカでは「社会的な会話ができることが美徳とされている」ということです。社会や政治、経済、歴史などのあらゆることについて、自分なりの意見を持ち、それを話すことが大人のたしなみと考えられているからです。

しかし日本ではそのような共通認識はありません。子どものころから自分の意見を持ち、それを表現して自己開示するという教育を受けていないので、自分の頭で考えて意見を持ち、それを表現することに慣れていないのです。

丸暗記の受験勉強を経て大学に進み、卒業したら新卒で会社に就職。新入社員研修を受けて人事部などが適性を判断して各部署に配属するというのが日本の一般的なシステムですから、自分が何をしたいのか、どうなりたいのかを真剣に考えなくても社会人として働けてしまいます。

自分の選択肢が社会的に用意されているため、個人としての意見が持ちづらい、持つ必要がないというのが日本社会の特徴です。だから日本だけの村社会で生きていくのであれば、定型的で内容のない雑談でも問題にはならなかったでしょう。

しかし国際化が進み、ダイバーシティー&インクルージョン(多様な人々がお互いの個性を認め、一体感を持っている状態)の考え方が強くなっていくと、雑談を通じて自己開示していくことの必要性が増してきます。

では今すぐ会話に自己開示を取り入れたらいいのかと思いますが、著者はそこにストップをかけます。その前に自己認識が必要だというのです。

著者はスムーズな会話をするためには、その準備段階として次の3つを自分自身に問いかける必要があると言っています。その3つとは、
(1)「価値観」…何を大切にしているのか?
(2)「信念」…何が正しいと思っているのか?
(3)「希望・期待」…何を求めているのか?
です。

この3つは、自分自身の「軸」になるものです。これが自分自身できちんと認識されていれば、自己開示をするときに話がブレることがありません。この3つがむずかしければ、自分が何が好きで何が嫌いかをはっきりさせるだけでもいいでしょう。

本書では次のような流れが明記されています。
・「自己認識」する

・「自己開示」する

・「自己表現」する

・「自己実現」する

著者は次のように言っています。
「外国人としてだけではなく、人材育成のコンサルタントの立場から見ても、日本のビジネスマンには「自己認識」と「自己開示」が圧倒的に足りていないと思います。きちんと自己認識して、自己開示ができれば、自然と雑談で話す内容も変わってくることになります」

本書では雑談の目的を「雑談を通して信頼、信用、尊敬のある関係を築き、心理学でいう『ラポール』を作ること」としています。ラポールとは、お互いの心が通じ合い、穏やかな気持ちで、リラックスして相手の言葉を受け入れられる関係性のことです。

世界のビジネスマンは目の前の相手とラポールを作ることを目指して、自分の全能力を駆使して雑談を組み立てています。それに対して日本のビジネスマンはどの程度、雑談にエネルギーを割いているでしょうか。

ビジネスにおける会話の最終的な目標は、成果を出すことです。雑談はそのための第一ステップです。あたりさわりのない天気の話などがステップになるはずがないことは、誰にでもわかるでしょう。

天気の話や思いつきの世間話でラポールを作るのは、不可能に近い作業だと著者は言います。たとえその場の雰囲気が和やかになったとしても、求めている最終的な成果に結びつくことはないでしょう。

「日本的な雑談を否定するつもりはありませんが、今日のような変化の激しいビジネス環境で結果を出していくためには、考え方を改める必要があると思っています」というのが著者の言葉です。

日本と世界の雑談の違いについて、著者はもうひとつの理由を提示しています。それは「日本が世界に類のない『ハイコンテクスト社会』であるため」です。

コンテクストとは空間的、時間的、社会的な「場面」、「文脈」、「背景」を意味する心理学の概念です。日本は民族の多様性が小さく、価値観や慣習がお互いに似通っているため、明確に言葉で表現しなくても、その場の雰囲気や顔の微妙な表情によって、相手に自分の意図が伝わるという社会が形成されています。そのため、自己開示の必要性が高くなく、自分の好みを相手に伝えることが美徳とされません。

そのため「ローコンテクスト社会」であるヨーロッパやアメリカと雑談の意味合いが違うのだということです。

その特徴が大きく出るのが、「雑談の事前準備」です。ヨーロッパやアメリカのビジネスマンは面会の前に相手とどのような雑談をするかを準備するのが常識ですが、日本でそういうことをする人は少数派です。

その実例として、著者は自分のところに面会にくるビジネスマンの過半数が自分に関する予備知識を持っていないと言っています。そのために開口一番で「お国はどちらですか?」と聞かれたり、「和食好きですか?」と聞かれたりするそうです。

「和食が嫌いなら、23年も日本にいませんよ!」と言いたくなるのを毎回我慢していると著者は言います。

「おわりに」で著者は、次の2点を強調しています。
「リモートワークの増加が雑談の重要性を浮き彫りにした」
「雑談に必要なのは『好奇心』『知識』『経験』の3要素」

オンラインミーティングは便利ですが、意思の疎通が曖昧になるなど、コミュニケーションに障害がでることが明らかになっています。それを防ぐのが事前に準備された内容のある雑談だというのです。

そして、そのような雑談を成功させるには、相手の360度すべてに興味・関心を持ち、自分がこれまでに蓄えた知識と経験を総動員して相手を理解するための会話を心がけることが大事だということです。

最後に著者はこう言います。
「いくら雑談をしても、上っ面の表面的な会話ばかりを繰り返していたのでは、お互いの信頼関係が高まることはありません」
そして4つのポイントを意識せよと注意しています。

(1)相手を驚かせないレベルの「自己開示」をして、自分という人間を知ってもらう
(2)好奇心を持って、相手の「人間性」や「人となり」を知ろうとする
(3)「信頼関係」の構築が目的であることを忘れない
(4)相手と「ラポール」を作れているか、客観的な目で観察しながら話す

コミュニケーションの基本を再確認するための有意義な1冊です。


 

EC仙人のダメ出し!道場

有限会社スタイル・イー

有限会社スタイル・イー
代表:太田哲生
http://www.style-e.com/

急に暖かくなり一気に桜満開! ここ兵庫県でも週末には夏日予想も!
春を超えて一気に夏!? みなさま体調管理にはお気を付けください。

さて、今回は「ダメ出し!道場」はお休みさせていただいて、「コラム回」とさせていただきます。今回はプライシング(値付け、販売価格設定)についてお話ししてみたいと思います。

ここで、商品企画へのアイデアとヒントです!

【コラム:プライシング(値付け、販売価格設定)について 】

先日、牛丼チェーンのすき家が深夜料金を導入するというニュースが流れていました。同業他社の動きは!?

深夜にすき家をよく利用する消費者目線からは、「えー! なんで同じ商品なのに夜だけ高くなるんだ! けしからん!」と感じられる人もいるでしょう。

一方で商売人なら、「あー、深夜は人件費(時給)も高くしないといけないから仕方ないよね~。当然の流れだな~」と比較的すんなり受け入れられるニュースかもしれません。

ただ「同じ物」が状況によって「違う値段」で売られることについては、いろいろな立場でいろいろな意見や考え方があり、必ずしも絶対的正解はないのが現状です。

皆さんのお店では、「販売価格」はどのように決定・設定されているでしょうか?

小売り(物品販売)の場合は、商品・製品ごとにその物がいくら(何円)するのか? (物の値段)を表示することが一般的でしょう。

そして、その価格は同じ商品であれば支店が違っても同じ価格で売られているのが一般的です。

こうした、同じ物は同じ価格で売るというのは、経済学の原則で「一物一価」(いちぶついっか)の法則と呼ばれます。

私は理系なので、大学や学校で、この法則を習ったことはありませんが、社会人・ビジネスマンになっていつの間にか「一物一価」は常識として身について(刷り込まれて)いました。

特に昭和の時代は多くの商品に「定価」が定められており、どこの小売店で買っても同じ価格の商品が多くありました。

今では全国統一の定価(強制力)で販売されているのはタバコ、新聞、書籍やCDの一部などくらいでしょう。

その他の商品はメーカー希望小売価格(あくまで希望で強制力はない)だったり、参考価格だったりします。家電などは多くがオープンプライスと言ってメーカーから問屋や小売店への卸価格のみがあり、小売価格は販売店が自由に設定してよい物が多くなっています。要するに自由競争が前提なんですね。

A店で100円で買ったキャラメルがB店(違う経営のお店)で95円で売られていると、なんだかすごく損をした気になりますが、自由競争下でB店は大量仕入れで安く仕入れていたり、人件費や光熱費など販売コストを削ってその分安く売る経営努力をしているのかもしれません。

顧客側から見てもこうした企業間(メーカーも小売りも)の自由競争によって類似商品や同一商品の価格差があることは資本主義経済の国に暮らす者にとっては当たり前ですし、得することもあれば損をすることもあって仕方ないですよね。

A店で昨日100円で買ったキャラメルが、今日からセールで95円に値下げされていたら?(同一店舗、同一商品で価格変動)ちょっと損した気分になりますが、仕方ないと思って安くなったキャラメルも買って新たなお得で損を埋めたりしちゃいます(^^;)

お店によっては昨日までに買った人に5円分のクーポンを配ったりして、損した感を補って印象UPしたりしています。

では、今度は同じスーパーの別店舗で同じ日、同じ商品なのに、こちらの店では100円、隣町の店では95円だったら?

違う企業ならよくあることですが、同じ企業の店同士で価格差があると、その企業に対して不信感、不公平感を感じますよね。

モノの値段、価格、損得感はお客様の心理(満足・不満)に大きな影響を与えますし、一物二価(同じ商品の値段が異なる)は一般的には悪印象につながります。

とはいえ、消費者として買い物していると、「一物一価」ではないけれど、違和感(不満感)なく過ごす例もよくあります。

例えば1個120円のリンゴが3個で360円→300円! とか、1本80円の鉛筆が1ダース(12本)なら800円! ビジネススーツが2着目は半額!とか。

このように購入数量が増えると安くなるケースはよく見かけますね。得をしたければ多く買えばいいし、1個しか買わない人が特に不満に思うこともないでしょう。

また、予約販売などで、1か月前注文なら10%OFF、3か月前なら30%OFFなんて早割り価格も一般的になってきました。お得をしたければ早く買えばよく、ギリギリで買った人が高い! と不満を言うこともありません。

また、街中で1本150円の自販機飲料が観光地や山の上など特定の地域では200円など高額になっているケースも見られます。富士山の山頂などでは1本500円とか。

説明がなければ高い理由がわからず不満に思う方もいるかもしれませんが、「高地や過疎地につき運ぶ運賃・手間賃がかかる分高いんですよ! ご了承ください!」といった説明があれば、多くの消費者は納得いただき不満になりにくいでしょう。

また、同じ飲食チェーン店のメニューなのに東京首都圏では高い! (地代、家賃、人件費など首都圏はコストが高いのがその理由)とか、フードデリバリー(Uber eats や 出前館)でのメニュー価格はお店での価格よりうんと高い! なんてのも当たり前になってきました。

例)餃子の王将 餃子1人前 の値段
関西の店頭メニュー価格 297円
関東の店頭メニュー価格 319円
Uber・出前館のメニュー価格 460円+配達料

お店に出向かなくてよい、家まで届けてくれる、配達のコスト負担があるなどの点を利用者もわかっているので、高くても注文してくれる。それを高く感じる方はお店まで食べに行く。というのは消費者も納得していると言えるでしょう。デリバリーの場合は物としての価格だけでなく、家まで届けてくれる付加価値込みのトータルコストとして「高くても納得」ということですね。

要するに、一物二価、一物多価でも その理由やお得になる条件が明確で納得できるものならお客様は不満に思わないし、むしろ提案次第では購買意欲を強める動機にすらなる、ということです。

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さて、ネット通販のお店でも、出店・運営コストの高いAmazon店や楽天店では高い価格で、コストの安い自社サイトやおちゃのこ店(本店サイト)では安い価格で販売しているお店も多くなってきました。

顧客もモール運営側に支払うコストの分、高い価格設定をしていることを理解してくれれば特に不満に思わないですし、安く買いたければモールではなく本店サイトに買いに行けば良いと知り、本店に来店してくれる顧客も現れます。高くても利便性やポイント優先ならモール支店で買う客もいます。

本店顧客優遇・優先であれば「一物二価」はもはや 顧客の選択肢となっていますし、その価格差が不満になることもなくなってきています。

これら「一物一価」に対して「一物二価」、「一物多価」の価格設定をすることを、最近では「ダイナミックプライシング」(動的価格設定)と呼びますが、その価格差に納得できる理由や説明があれば、すんなり受け入れてくれる世の中になってきていると思われます。

ただ、この「ダイナミックプライシング」は気をつけないといけません。損をしたほうの顧客の不満を増大させ、炎上や客離れにつながるリスクもあるからです。

結論から言えば、「理不尽な不公平感や客の足元を見るような価格設定」はNGです。

米国で某飲料メーカーが気温が高くなると自販機の飲料の価格を自動的に上げるという計画を発表すると、メディア・世論から猛烈な批判を浴び計画は中止に。同じ飲料を、一番飲みたい時に値上げするという顧客の足元を見るような戦略が批判されました。

供給・生産が需要に追い付かないから値上げするというなら理解も得られたのでしょうが、一番売れそうなときに値上げで利益最大化(儲けてやる感、姑息感)するというのが反感を買ってしまったということです。

仮に実際におこなってみたとして、砂漠や荒野にその1台しか自販機がなければそれでも売れたかもしれませんが、多くのライバル自販機もあるエリアでそれをおこなっても他社自販機に客が逃げるだけでしょう。

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他にも(私も、個人的に)「一物多価」「ダイナミックプライシング」の中で納得いかないものがあります。

ホテル・旅館の横断的検索予約サイトを使うと、まったく同じ日の同じ部屋がホテルに直で予約するより安かったり、サイトによって価格が違ったりすることです。

テレビCMでもホテルのカウンターで高い価格の客と安い価格の客が鉢合わせして、「なんで!?」となっているシーンがありますが、このCMを見た瞬間、「はぁ? この一物二価はアカンやろ!」と思わず突っ込んでしまいました。

「あなたが安いほうの客の立場なら満足でしょ!」と言いたいのでしょうが、高いほうの客の立場なら激怒して仕方ないでは済まされず、クレーマーと化してカウンターでごねまくると思います(笑)。

たとえ安く泊まれた客の立場であっても、そんなクレーマーがカウンターに列をなしているホテルはイヤですし、そんな不公平感のある価格設定をする経営方針のホテルは信頼できません。

安いほうの客が連泊しているとか、2部屋使っているというボリュームディスカウントでもなく、高いほうの客のサービスがより良いわけでもなく、となると価格差の理由がわかりません

同じ価値の宿泊サービスの価格が、予約サイトによって異なることによる不公平感、直接予約のいわば「上客」のほうが損をし不満を覚えるような価格設定をする経営方針に対して、「おかしい」と感じるからです。

ホテル→予約サイト には ボリュームディスカウントなのかもしれませんが、それはお客さまには関係ありません。

私は、そういう経営方針の宿泊施設には絶対泊まりたくありませんし、リピートしたくもありません。むしろ直接予約のお客さまを大切にして、お得な価格設定や、プラスサービスなど特別待遇するような宿こそリピートしたいですね。

私のように客離れしないまでも、皆が安いサイトからのみ予約するようになっていけば、おのずから価格競争に拍車をかけ、客単価は下がり、利益率も低下していきます。

ダイナミックプライシングをする際は、高値で買う顧客のほうも不満に思わない納得できる理由に気をつけましょう。

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さてさて、みなさんのお店での「プライシング(価格設定)」はいかがですか? 物の値段(仕入れ値)のみを基準に安易に決めていませんか?

複数店舗(モール、自社、おちゃのこなど)経営されているお店は安易に一物一価=同一価格と決めていませんか?

ちゃんと、出店先のコストを把握されて適切な売価設定をされていますか?
あくまで感覚でざっくりした目安値ですが…
例)月商100万円のお店なら…
自社サイトやおちゃのこ店なら運営コスト5~10%程度
楽天なら10~15%程度
Amazon(倉庫に預けるFBA)なら20~40%程度

上記は、決済手数料、システム利用コスト、物流(保管、入出庫、運賃)、ロス(紛失や破損)などトータルで見た場合のコストで、あくまで経験上の目安値です。

特にAmazon FBA は売上に対する課金だけでなく、嵩高い商品であったり、長期在庫になっている商品やロスなど物流面のコストが思っていたよりはるかに高くついて利益率が低く儲かっていないケースも多く、また競合が多く価格競争にさらされやすいので価格設定が難しいマーケットです。

モールだからと単純にコストオンすれば良いわけではないかもしれませんし、来客数や注文数が多く販売頻度が高い出店先ならば、多少コスト率が高く(粗利率)が低くてもライバルとの競走に勝つために安い価格設定をしなければならないケースもあるでしょう。

でも、蓋を開けてみたら(販売分析してみたら)めちゃくちゃ薄利で採算割れなんてことも。

がむしゃらにモールで薄利多売し、とにかく売り上げを! が本当に良いのでしょうか?

それとも、おちゃのこショップ(自社ショップ)で低コスト、適正価格、適正利益、適量販売でリピート顧客を育てた健全経営が良いのか?

これを機会に見直してみると良いでしょう。

また、仕入れ値に自社基準の粗利率を乗せて売価を決めるという単純プライシングだけではなく、自店ならではの付加価値・サービスを組み合わせて高付加価値、高利益で高く販売できるような工夫をしたプライシングを目指していただきたいです。

例)オプションとのセット組、他社商品のセット販売、素材の加工品化、ソフトやユースウェア(使い方提案・ガイド)、ボリュームディスカウント、大お得パック、小容量お試しパック、共同購入、予約販売、サブスク(定期購入)、特急お届けなど、よくあるパターンだけでも粗利率を高めたり客単価を高めて利益を最大化する方法はいろいろあります。

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まとめ:一物一価の呪縛から解き放たれよう!
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長年経済の 基本原則として信じられてきた「一物一価」ですが、実際の経済では地域性や人口密度による需給バランス、輸送費用などのコストもあり、価格は一価にならないはずなのに、法律や商慣習も表示価格を「物の値段」にこだわり過ぎているために、小売販売業者が、その他のコストを吸収するために無理を強いられる(無理してしまう)=小売販売業者がコストを負担し、利益を削り、赤字になってしまっていることも多いです。

一物一価の呪縛から解き放たれよう!

「価格=モノの値段」→「価格=モノの値段+サービスや付加価値」

※サービス付加価値=運賃や仕入れてくる手間賃や選別、陳列、個別包装や配送にかかるコスト、用途・活用提案などの価値

自分たちは物を売っているんじゃない! 価値を生み出して売っているんだ! という発想と行動こそが利益を生むのです。(メーカーだけでなく問屋でも小売業でも価値は創り出せる)

物の値段ではなく、物+価値・サービスの値段 にしてしまえば、価格を上げてもお客さまの満足度は下がらず、むしろ満足して納得してもらえるということです。

これを機会に今一度、あなたのお店の商品に対して、付加価値・サービスの価格も意識した プライシング(値付け)をすることを考え直してみてください。

具体案に悩まれましたら、ぜひお気軽にご相談ください!
電話でのプチコンサルもやっています。(^-^)

以上。「ダメ出し!道場」でした!

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地震、天災、事故、国際紛争や情勢不安による円安物価高、資源高、エネルギーコスト高などで逆風の強い時代ですが…
マイナスムードに負けず、「ピンチはチャンス!」と思い、新しいアイデアと新商品、新サービスを開発して乗り越えましょう!
差別化するアイデア出し、商品企画、ジリ貧回避、マンネリ化打破などアイデアに行き詰まった際はぜひお気軽にご相談ください!
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EC仙人太田のプチコンサル始めます!
ここで、商品企画へのアイデアとヒントです!

毎回「ダメ出し!道場」登場のお店に電話でインタビューをさせていただいていますが、軽くインタビューと言いながら、実際には事前にお店のサイトを1~2時間かけてじっくり拝見し、お客様目線、プロ目線の両方から疑問点、気づいた点を洗い出してからお電話させていただいています。

最初はこちらからいろいろとご質問をさせていただき(インタビュー)ますが、後半はお店からのご質問、ご相談を受け、回答やアドバイス、アイデア、事例紹介など(プチコンサルティング)させていただいています。過去平均すると1店舗様に1時間半~2時間程度はかけています。

そのためか、インタビューさせていただいたお店の方々からは、下記のような感謝や喜びのお言葉を多くいただいています!

◆「目からウロコが落ちた! たくさん気づきがあった!」

◆「自身が気づいていなかった強みや特徴を見つけてもらった!」

◆「ただのインタビューかと思ったら、こんなにヒントやアドバイスを貰えるなんて思わなかった! ありがとうございました!」

◆「新商品のアイデアまで出してもらえるとは! ワクワクしました!」

◆「課題がハッキリと浮き彫りになり、やるべきことが整理できた!」

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そこで、「ダメ出し!道場」に登場するのはちょっと勇気がないけれど、太田の電話インタビュー&プチコンサル は受けてみたい! というお店のために、有償でお受けしたいと思います!

通常 個別相談会:2万5000円のところ、メルマガ購読者限定で

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サブスクリプションではない1回価格ですので、ご安心ください(笑)

先着順にて受付させていただきます。(週に2店舗程度・状況に応じて)
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下記内容をご記入の上で太田まで直接メールください。
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宛先 jackandjon@gmail.com
メールの件名】:「ダメ出し!道場」見ました。プチコンサル希望。
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(件名で自動振り分けしていますので確実にコピペしてください)

内容:
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【自店の特徴・強み・弱み】:
【相談したい点、見てほしい点、悩んでいる点など】:
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以上、皆さまからのご相談・お申込みお待ちしております!



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さて…
オンラインショップの本質は表のホームページからだけでは見えない接客や、梱包、配送、そして商品そのもの等、「裏」の強みや弱み、そして個別の事情によるのが当たり前です。
実際に、「売れる・儲かる」という部分は、実はこの見えないところにこそ本質的な秘密や課題があるものです。
この「ダメ出し!道場」の企画は、公開という性質上、あくまで表から見たお店の印象や、そこから類推できる範囲の改善点をお客様目線でご指摘するものですので、ご理解ください。

もっと突っ込んで、あなたのお店の事情や商品、人事、資金などの問題点や課題を「洗い出したい!」「解決したい!」「強みを作りたい!」という店舗さんは、個別にご相談をお受けいたしますので、「ダメ出し!道場見ました!」の件名にてメールにて直接お気軽にご連絡くださいませ( info@style-e.com 太田まで)。


このコーナーでは、テンプレートのカスタマイズについて、実際のサンプルページを元に紹介していきます。

皆さん、こんにちは。おちゃのこネットの刑部です。

今回のデザイン道場は、トップページのサイドエリア、メインエリアのコンテンツ間の余白を調整する方法をご紹介します。






スタイルシートを編集する

デザイン管理→スタイルシートの編集から下記の指定をコピーして貼り付けてください。

画面幅が狭い場合と広い場合で数値を変えています。
下部の指定が画面幅が広い場合の指定となります。


.side_box {
margin-bottom: 20px;
}
.main_box {
margin-bottom: 30px;
}

@media screen and (min-width: 838px) {
.side_box {
margin-bottom: 40px;
}
.main_box {
margin-bottom: 60px;
}
}

 

なお、お問い合わせは下記ページからお願い致します。

https://www.ocnk.net/contact/index.php

画像加工

スウェルキャッチメルマガ担当(web creation株式会社)

おちゃのこ通信をご覧の皆様、こんにちは。
SEOサービス「スウェルキャッチ」担当のミスターSEOです。

今回は、EC通販サイトを運営する前に知っておくべき「画像加工」について説明させて頂きます。

■画像加工の重要性

ECサイトで扱う商品画像は、お客さんに対して商品の魅力、特徴、詳細などの情報を視覚的に伝えるためにとても大切な要素です。

みなさんもお店で商品を買うか検討している時、商品を手に取ったり裏っ側を見たり、実際に使ってみたりしてから最終的に決断するかと思います。

インターネットビジネスにおいても同様で、商品に触ってもらうことはできませんが、写真で可能な限り情報を伝え、購入に向けて検討してもらうことになります。

商品画像は購入率に大きく影響してくる要素で、丁寧かつ上手なものを用意しなければならないのは頭で分かっていたとしても、どのように画像を用意すれば良いのか分からない事も多いかと思いますので、画像の用意、画像加工についていくつかポイントを紹介していきたいと思います。

■画像の構成を考える

ECサイトにおける商品画像のタイプは大きく分けて二つ、「イメージ写真」と「ディティール写真」です。

これら何が違うのか、まずイメージ写真は商品の利用イメージができるような画像です。帽子や服なら被ったり着たりしている写真、インテリア商品なら実際の部屋の中に置いてあるような画像というイメージです。

対してディティール写真は、商品そのものの色や形などを伝えることを目的とした画像で、例えばリュックでしたら外側だけでなくリュックを開けた中の画像、背負う部分の画像など、細かいところまで見せてあげるような画像となります。

画像を用意するときはまず、このどちらにあたる画像を作っていくのかをはっきりさせましょう。イメージ写真を想像しているのに、あまり利用シーンをイメージしづらいものになってはチグハグな画像となってしまいます。

作ろうとしている画像を持って、お客さんにどう思ってもらいたいのか、何を知ってもらいたいのかを考えてみるようにしましょう。

■画像の加工ポイント

写真を撮影して素材となる画像が用意されたとして、その画像の加工に焦点を絞って紹介したいと思います。

画像加工というと、やったことがない人からするとなかなかハードルが高そうに感じるかもしれませんが、基本的に必要とされる加工だけでいうと、誰でも簡単にできます。

まずは明るさの加工です。

写真撮影時、自然光や専用の照明器具を使ってよしなに画像を用意したとしても、いざスマートフォン等で確認してみると、撮影時より暗く写ってしまっているということはよくあることです。

商品画像は明るすぎても暗すぎてもだめで、その画像に合わせた適切な明るさに調整してあげる必要があります。

次にトリミングとサイズ調整です。

スマートフォンやカメラで撮影した写真は、ちゃんとした背景を用意したり、画角を考えたりしたとしても、ECサイトに掲載する際に余分な部分がでてきます。

余計な部分はトリミングして、必要な部分のみを残すように画像加工してあげます。それに加えて、サイズ調整もしてあげましょう。

用意した画像をサイトに当て込んでみると、意外と大きすぎたり小さすぎたりするケースがよくあります。

ご自身のサイトの商品ページに載せる際、画像だけでなく文章も当然掲載していくかと思いますが、そのページの構成にしっかり当てはまるよう、適切なサイズ調整をしていきましょう。

ちなみに画像加工の方法については、無料のアプリケーションであったとしても、紹介したトリミングやサイズ変更、明るさ調整といった加工を手軽にできるものがありますので積極的に利用してみてはいかがでしょう。

綺麗な商品画像は購買意欲を刺激、売上に影響する大切な要素です。最初は上手にするのは大変かもしれませんが、簡単なトリミングや明るさ調整から始めて、徐々に高度な画像加工に挑戦してみてはいかがでしょう。

★POINT
・綺麗な商品画像は売上に影響する
・トリミング、明るさ調整、サイズの調整から始めてみよう

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(おちゃのこ山崎)

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