「やまさん」こと、おちゃのこ山崎です。

せっかく桜が開花したというのに、寒の戻りが続いています。ついうっかり薄着で風邪を引いたり、花見の宴で体調を崩したりしている人はいませんか？
不況の暗いニュースが続く中で、WBC「侍ニッポン」の優勝は、一服の清涼剤となりました。数字に表れる経済効果もかなりのものでしょうが、日本国民に勇気を与えたことは大きいと思います。
思い起こせば、終戦後の焼け野原で呆然としていた日本人を奮い立たせたのは、1949年に湯川秀樹博士が日本人初のノーベル賞を受賞したニュースでした。明るいニュースは社会を活発にし、経済効果をもたらします。

ブレイン・ティーザー　ビジネス頭を創る100の難問

ジョン・ケイドー 著　花塚恵 訳　勝間和代 監修　ディスカバー 刊

1,575円 (税込)

今や「カツマー現象」と呼ばれるブームとなった勝間和代女史が、帯に写真で登場しています。累計200万部を超えると言われる著書の多くに写真が出ているところを見ると、この人の主張を多くの人が支持していることがわかります。

本書は同じ版元から出ている『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』の姉妹版にあたる本。基本的な論理パズルから始まり、水平思考力のパズル、フェルミ推定、複雑なケーススタディ問題、実行パズルといったさまざまな問題が網羅され、わかりやすい解説がついています。

たとえば第1問は「マンホールの蓋はなぜ丸いか」。「そんなこと知ってるよ。落ちないためだろう」と即答する人は、脳が硬化し始めています。マイクロソフトの面接試験で有名になったこの問題の理想的な答えは、もっと多様です。

1.蓋が円形なのは、マンホールの穴に蓋が落ちない唯一の形状だから
2.円形だと、穴の向きを気にせずに蓋ができるから
3.円形だと、持ち上げたり運んだり、転がしたりするのが楽だから
4.他の形に比べて、円形の蓋は使う金属の量が少なくて済み、コストが安く上がるから
5.マンホールが丸いから！

そして、本書にある問題は、ただ答えを出せばいいのではありません。複数の答えを挙げ、その理由も考える必要があります。たとえば上記の問題で、マイクロソフトの担当者が「完璧」と思った回答は次のようなものです。

「円形は、穴に蓋が落ちない唯一の形状です。それはおそらく、マンホールの中にいる人が怪我をしないようにすることと、マンホールの上を歩く人に危険がないようにすることにつながるのだと思います。マンホールの穴の内側のわずかな縁のおかげで、丸い蓋はどんな状態になっても落ちません。正方形の蓋ではこうはなりません。なぜなら、正方形の対角線は一辺の長さの√2倍だからです。ですから、蓋を垂直になるくらいまで起こし、少しでも向きをずらすと、あっという間に穴に落ちてしまいます。三角形の蓋でも同じです。円の直径はどの向きでも長さが同じです。したがって、穴に落ちない条件を満たす形状は円形のみとなります」

LESSON1では水平思考力を、LESSON2では論理思考力を鍛えます。LESSON3では四則演算を使った計算を、LESSON4ではベルヌーイ推定を、LESSON5ではフェルミ推定を学びます。LESSON6はビジネスケース、LESSON7は応用問題としての実行パズルです。

「マンホールの蓋」で、回答例のようにすらすらと答えられないと思ったら、ぜひ本書でビジネス頭を鍛えましょう。ちなみに、100問目の問題は「ビル・ゲイツの浴室をデザインしてください」です。