京都の街中、寺町商店街に店舗を構える、和装小物専門店「ゑり正」さん。
江戸時代から続く京都の老舗ショップで、店主の浦田さんにお話を伺いました。
私どもは和装小物専門店という、呉服屋や着物屋とはちがった全国に数少ない専門店です。
半襟を中心とした和装小物屋として創業したため、その名残が屋号の「ゑり正」となって今日まで続いております。
創業は安永4年(1775年)で、江戸時代後期より長年続いた結果、和装小物のゑり正、半襟のゑり正として名を知られるようになりました。
長年、商品を仕入れてお客さまに対面で販売する小売店としてやってきました。
職人さんが作った物がメーカーさんに渡り、メーカーさんから問屋さんに渡り、それを仕入れて売っていたわけです。
しかし、そのルートでは自分たちの気に入る商品が手に入らないときがあります。
欲しいなと思う商品がなく、オリジナルをこしらえたいという思いから今の形態に移行して、現在では80%ぐらいがオリジナル商材という構成になっております。
私が商品のデザインや色出し(色使い)をおこないまして、製作を職人さんにお願いしております。
色出しはなかなか難しいですね。
職人さんにお願いしてから、長くて6ヶ月くらいかかって商品ができあがってきます。
したがって夏の商品を冬場にデザインし、冬場に夏場の商品をデザインするため、まったく逆の感性が必要になります。
頭がこんがらがることもしょっちゅうです。
長い期間が空くので、商品ができあがってきたときに、「こんな物頼んだかな」ということも、あったりします。
私が撮影しています。
といっても素人ですが、父親から趣味のカメラを譲り受けまして、それを使って撮影しています。
ホームページだと、商品に手を触れることができないため、細部まで見せられるようにと考えながら、細かく撮影しています。
我が子のような商品なので、どの角度で撮ったらその商品の味がでるのかを考えながら撮影しています。
ネットショップとはいえ、実店舗となんら変わらない対応をするように考えています。
年配の方で、ネットが苦手な人もいらっしゃいますので、電話番号を載せて「いつでも電話してください」というスタンスもその一つです。
電話対応はマニュアル化してあり、誰が電話を取っても均一の対応ができるようにしています。
対面で接客できないので、お客様と触れ合う第一印象は、包み紙や同梱する宛て書きになります。
したがって、そこには気を配って、ていねいな対応をおこなうようにしています。
直接お会いできない分、「お品物を大事に包んで送らせていただいている」という気持ちをお客様に受け取っていただくことが大事だと考えています。
あとは、日々の商品の更新です。
毎週一定のリズムを作って、アップするようにしています。
ネットショップも日々の積み重ねが大事ですので、それを崩さないように毎日精進しております。
お客様がネットで買うとき、手に取って品定めをするような感覚になるように画像を大きく載せ、専門家らしいコメントを書いて商品を掲載しています。
商品点数も多いので、悩みながら商品を選ぶ楽しみがあるのではないでしょうか?
メールマガジンでの企画なのですが、「ユーザー様商品色出し企画」というのを定期的におこなっています。
お客様ご自身がお考えいただいた色の組み合わせ(配色)をご提案いただき、ユーザーが欲しいと思う商品を創ろうという企画です。
これには私たちが思いつかない配色をお客様から提案して頂ける楽しさがあり、ユーザーからの意見で生まれた商品という、ゑり正らしい商品の一つになっています。
これは和装小物だけに限ったことではありませんが、百貨店には同じような商品が並んでいて、あまり個性がありません。
ゑり正ファンが私どもに期待されているのは、無難な物よりも他所様にない物だと考えています。
最近は、思い切った色出しを好むお客様が増えてきています。お代を頂戴するからには、喜んでいただける商品をお届けしたいと思っています。
フリーページをたくさん作れることです。
カテゴリごとに商品をキレイに見せたいと思い、カテゴリごとの商品一覧ページは使わずに、フリーページを活用して商品を掲載しています。
現在使用しているフリーページは、500ページほどです。
単に数の多さを誇るのではなく、京都の言葉を織り交ぜて、京都らしさを感じてもらえるようなページ構成を考えています。
さまざまなページで、適切なキーワードを使っていくことで、SEO効果にも役立っています。
たまに思いがけないキーワードで検索されて、商品が売れる驚きがあったりします。
あとは、サポート対応がいいですね、困ったことがあって問い合わせても、すぐに回答いただけるので、大変助かっています。
気になるセキュリティ関係のアップデートもしていただけているので、安心して利用できています。
商品作りを職人さんにお願いしていますから、職人さんにフォーカスを当ててネットショップ上に掲載したいと考えています。
ネットショップを見ていただく方にも、この人が力を入れてこしらえた商品だとわかってもらえることで、満足してご購入いただけるのではないでしょうか。
たいそうな夢かも知れませんが、職人さんを若い人が見て、京都の伝統工芸を継いでくれる人が現れると嬉しいです。職人さんも高齢化が進んでいますので。
「京都の職人さんがつくる和装小物」という商品をお届けする、ネットショップ「ゑり正」のブランドをもっと有名にしていきたいと思っています。