神奈川県藤沢市で服や小物の型紙を販売するパターンレーベルさん。
「お店で買ったような、ハイセンスな作品ができる。」と評判のネットショップです。
ご夫妻で運営されており、ご主人の片貝圭作さんがサイトの作成と管理、奥様の夕起(ゆうか)さんが商品の企画、開発を担当しています。
その人気の秘訣を知りたくて、お二人にお話を伺いました。
元々は、アパレル業界の第一線でパターンナー、デザイナーとして活躍されていた奥様の夕起さん。
出産を機に会社を退職して家庭に入りましたが、なんとかその技術を活かして社会復帰したいと考えていました。
子育ての合間に作っていた息子さんの服がお友だちの間で評判になり、
「私も作ってみたい」「私にも作れそう」と言ってくれたお友達と制作会を開くようになりました。
「おしゃれな子供服を作りたいけれど、作り方が分からないお母さんは全国にたくさんいるのかも」と思った夕起さんは、それを機に分かりやすい型紙の開発をスタートしたのです。
空前のハンドメイドブームといわれる昨今、どうせ作るならおしゃれな服を作りたいと思っているお母さんはたくさんいます。パターンレーベルの型紙は、既製品のようなきれいな仕上がりになるように工夫されています。
例えば、パターンレーベルの型紙には、すべて縫い代がついているので、型紙を切り抜いたらすぐに裁断ができます。
実はこれ、アパレル工場の考え方なのだそうです。
型紙をA3サイズに分割したところも夕起さんのこだわりです。
「本来の型紙は大きいパーツなのですが、それを家庭のテーブルでも扱いやすいように分割しました。分割することで、コンビニのコピー機で型紙の控えの型紙を取ることができ、手軽に扱えるようになっています。アパレル業界では、糊を使っちゃいけない、折っちゃいけないという考えがあって、型紙を切って分割することをあまりしませんでした」
型紙についているレシピには、図を付けて作り方の工程を詳しく説明しています。
「初心者の方でも、手順どおりに進めるだけで作品を仕上げることができるように、細かく説明することに気を配っています。
逆に洋裁に慣れている方からは『こんな縫い方は初めて』と言っていただくことが多いですね」
と夕起さん。
アパレル工場と同じ効率の良い縫い方を採用することで、既製品と同じような仕上がりが実現するのです。
圭作さんはショップを始める前、Webマーケティングの仕事をしていました。
おちゃのこネットを選んだ理由は、ネットショップを簡単に作成し、更新ができて必要な機能が充実していたから。
「ブログのような感覚で気軽に使えるサービスを探していました。あの段階でおちゃのこネットと出会えて本当に良かったと思います」
ショップはオープン以来、口コミが口コミを呼んで評判が広がりました。
「出来上がった作品をブログやソーシャルサービスに書いてくださる方が多くいらっしゃるので、ありがたいことだと思っています」(圭作さん)
ショップを見ていると、それぞれの商品のレビュー投稿が多いのが目に付きます。
一つの型紙から産み出されるさまざまな作品を、レビュー機能を使って「作品を共有する場」として活用されているのです。
画像付きレビューと画像無しレビューのポイント付与を分けることで、画像付きレビューを投稿してもらいやすく誘導しています。
「モールじゃなくて小さいお店でもこうしたポイントをつけられるのは、主婦にとって嬉しいことですね。
おちゃのこさんはいつの間にか新しい機能が追加されていて『これ欲しかったよね』と、日々進化していることが嬉しくなります。」(夕起さん)
商品のアイデアはどのようにして生み出されるのでしょうか。
「市場調査をして、これから人気が出そうなもの、手作りに向いているものを考えます」(夕起さん)
流行り出したときに型紙があるかどうかが大事なので、新商品を出すタイミングをとても重視しているそうです。
現在、ランキング1位になっているバックのサコッシュは、既製品として人気が出る少し前から販売されていました。
「ちょうど欲しいなと思っていたものが自分で作れる」と、お客様から反響を呼んでいます。
http://www.pattern-label.com/product/298
サイズがぴったりな、オリジナルのファスナーも販売しています。
「型紙はひとつ購入するともう必要ありませんが、同じものをまた作りたいお客様がいらっしゃるので、リピートの主力商品になっています」(圭作さん)
現在は、ネット通販だけでなく、ワークショップを開くなど活動の幅を広げています。
先日行われた生地屋さんとのワークショップイベントでは、生地屋さんでパターンレーベルの型紙を販売してもらい、パターンレーベルではワークショップで使用した生地セットを販売しました。
http://www.pattern-label.com/news-detail/1077
「Webの中で好評をいただいているとはいえ、一般的なところでは認知されていません。知らない方には本を見ていただいたり、ワークショップに来ていただいたりと、直接さわれることが重要だと思っています」(圭作さん)
最近はInstagramに可能性を感じているそうで、1日1回投稿することで「いいね!」を多数集めています。
「若い人たちがInstagramを使っている印象なので、客層の若返りが起きています。また、海外の方からもInstagramを通じてパターンレーベルを知ってもらえる機会が増えています」(夕起さん)
「同じ型紙で作った日本のもの、韓国のもの、ヨーロッパのもの、アメリカのものなど、それぞれ国ごとに比較できれば面白いなと考えています。雰囲気やデザインは海外のほうが優れていますが、作り方の細かい部分は日本のほうが優れています。多言語出版やダウンロード版など面白い展開をしていきたいですね」と圭作さん。
今後もパターンレーベルの提案する新しいスタイルの型紙から、目が離せそうにありません。