布おむつ本舗

カテゴリ:ベビー用品

布おむつ本舗

10年ほど前に一度お世話になりました。その節はどうもありがとうございます。ど素人からのオンラインショップスタートでもう15年以上になります。いろいろヒントをいただけてとても感謝しております。
コロナ禍を経て世の中もオンライン上でも一気にいろいろな常識が覆っている感覚もあり、本当に必要な人に必要なものが届きにくいもどかしさを感じております。(潜在的には需要があるのに見つけてもらえていない)
もちろんアルゴリズムやマーケティングなどの勉強不足などもありますが……SEOにお金を払って検索順位を上げたりすることに価値を感じられなくなってきているのと同時に、SNSに頼りすぎるのもちょっと違うと、根本的にHPを作り直す必要があると痛感しています。
「布おむつ・布ナプキン」という少数派の方がターゲットであると同時に、自分の考えている当たり前は初めて来たお客様には伝わりづらいのでは? など。今だけよければいいというものでもなく、長く継続していくためのお店作りを真剣に考えてみたいので、またご縁がありましたらよろしくお願いいたしますm(_ _)m
(ちょこちょこHP変更したりしておりますので問題なければ)

赤ちゃんが欲しい!

いきなりオジサンがこんなことを言うと、「頭おかしいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが…(^^;)

個人的にということではなくて、我が国日本に、この国に赤ちゃんがもっとたくさん欲しいですね〜〜〜〜ってことです。

日本の出生数(生まれた赤ちゃんの数)をちょっと調べてみると…
第1次ベビーブーム期(1947年〜49年)の1949年が最多で269万6,638人。
第2次ベビーブーム期(1971年〜74年)の1973年では209万1,983人が1年間に生まれました。

しかしその後はだんだんと減る一方で、2016年にはついに年間100万人を下回り、97万7,242人。昨年2023年の出生数はなんと75万8,631人です。
最盛期1949年の3分の1以下で、なんと72%減!

「少子化がヤバイ!」→「(この国に)赤ちゃんが欲しい〜〜〜!」
という冒頭の私の心の叫びの理由です。

ざっくり言えば、1949年生まれの人は全国に同級生(同年齢)がざっと270万人くらいいるけど、2023年生まれの子の同級生はたった76万人しかいないってことで、受験戦争などの競争はライバルが少なくなっていますが、税負担や年金負担などは増える一方でしょうし、世の中や産業を支える担い手としての人手不足、労力不足は3分の2以上も減れば深刻ですよね。

また、この少ない世代をターゲットにしている商売のお店や企業も、市場規模がこれだけ小さくなっているわけですから当然苦しくなっていくでしょう。

さて今回のお店は、2009年オープンの「布おむつ本舗」さんという赤ちゃん用布おむつの専門店さん。実は2回目の登場で前回は2018年でした。

赤ちゃん(を持つお母さん)がメインターゲットのお店ですが、創業当時の2009年の出生数は約107万人。前回の「ダメ出し!道場」登場時の2018年が約92万人。昨年の出生数が76万人ですから、ざっと市場規模が対2009年比71%。対2018年比でも83%まで縮小しているという、かなりの「逆風市場」です。

政府が何代も変わっても減るばかりで、この50年間で前年より増えたのはたった2〜3回で、それもごくわずか。3分の1にまで減っても、根本的な解決策はなく、ホントに「ヤバイ」状況です。

戦後の高度成長時みたいに「生めよ増やせよ」「人口増こそ国力だ」などとは思いませんが、これほどまでの急激な少子化と人口減少は、一つの国としてはあまりにも下り坂なのではないでしょうか。

将来の国を支える赤ちゃん、増えて欲しいですね。そして、生まれてきてくれた赤ちゃんたちには、ぜひとも健やかに育ってほしいものですね!

では赤ちゃんを健やかに育てるための大切なアイテムの一つ、おむつのお店の「ダメ出し!道場」始まりです!

第一印象:赤ちゃんの布おむつの専門店らしいお店だが…


EC仙人 太田

ベテラン店舗さんだけあって、ページ制作のスキル、撮影や画像加工ブログ、SNSへの取り組みなどネットリテラシーも高く、良いお店だと思います。

赤ちゃんのイラストや写真、お母さんモデルさんの写真、おむつの商品写真などから、まさに「赤ちゃんの布おむつの専門店」らしい印象です。

一方で「布ナプキン」という商品群に関しては、育児ママだけでなく別の客層があるだろうカテゴリーだと思いますが、残念ながらほとんど目立たず、育児ママ以外の「布ナプキン」ニーズの女性客にとっては、「自分は対象外? 自分は場違いな客?」という印象を持たれる可能性が高いように感じます。

現状は、あくまで「赤ちゃんとそのママのためのお店」に見えます。
(布ナプキン目当てのお客様を除けばそれで良いと思います)
→布ナプキン客層については別案を後ほど総評部分でご提案

6年前に比べれば「初心者、布おむつ検討が初めての方」にとって参考になるコンテンツは増えて分かりやすくなっていると思いますが、ブログリンクなどコンテンツが増えすぎて情報が散在し、ごちゃごちゃ感が否めません。また動画説明などが見られず、やや古いタイプのネットショップという感じも受けます。

お店や店長のキャリアに応じて客の年齢層も上がって行くお店ならそれでも良いのですが、赤ちゃんのママ層という視点で見ると、新規顧客開拓は年々若いママさんたちを取り込んでいく必要がありますので、動画世代(ショート動画中心)に合わせたコンテンツの増強が必要だと思います。

<静止画と文字ばかりでは分かりにくい>
現代の時勢を考えると、静止画と文字ばかりの説明は、今どきのスマホ&動画SNS&時短慣れした気短かな若いママさんたちには、ややまどろっこしくて分かりにくいと感じる方も少なくないように思います。短い動画で端的で分かりやすい工夫を入れていきましょう!

<アイテム名や分類名も初見にはハテナ?>
あれこれ数十行読んだり、静止画を何枚も見て、おむつのアイテムの種類や構造、使い方や各アイテムの名前、おむつカバー、ワンサイズおむつ、ハンドメイドカバー、インサーツ、うんちライナー、魔法の布おむつ。…どれが何やら? 初心者さんには一度ではなかなか把握できません。

<短い動画での解説を期待>
でも、テレビ通販のように動画でこれが何、これが何と音声での説明付きで実際に赤ちゃん(もしくは人形でも)におむつを着けていく解説を見せれば、恐らく30秒〜1分で基本の構成や各アイテムの種類、名前も認知&理解できると思います。

長文を読んで、写真から構造やおむつの可動部の動きを想像してね、ではなく、動きと音声とテロップの入った動画を使い、短時間で商品の概要や機能、質感、デザイン、使い方を把握させることで、店からの離脱率を下げて、基本セット、入門セットの購入率を高めることができると思います。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

まずは前回登場時のインタビューを引用してお店の経緯を。

田島店長さん(女性)は、ご自身のお2人のお子さんたちの布おむつでの育児経験から、「もっと安くて便利で良い布おむつを!」と思い、当時は高かった海外製の布おむつをハンドメイドでアレンジして、ヤフオクで販売したというのがこの商売を始められたきっかけとのこと。

手ごたえを感じ、旦那さまのお仕事のコネと後押しで、輸入してくれる業者(商社)をみつけ、本格的に専門店としてやっていくことを決断し、15年前にお店をオープン。コツコツと商品数を増やし、商品改良、開発をしながら現在に至る。

特に洋裁などが得意だったということでもなかったそうですが、「布おむつには十分なニーズ、市場性がある!」と判断し、立ち上げられ取り組んでこられました。
実際にユーザーとして布おむつを使った子育てをして感じた良さや不便さを取り入れたことで、顧客満足度の高いお店になっているのだと思いました。

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ここからは今回のインタビューです。

コロナ禍を経ての、世の中の衛生感覚の過度の変化もあって、布おむつ推進派の保育園などが使い捨ての紙おむつへのシフトをせざるを得ないといった影響や、少子化による市場縮小もじわじわと効いてきているかも。

一方で、地球温暖化対策(CO2削減→焼却ゴミ削減)、環境マインドUP、マイクロプラスチック問題、健康意識UP(化学物質、経皮毒、アレルギーなど)、円安・原油高・物価高による家計費(紙おむつ代)削減のマインドなど追い風もあるので、そのあたりを意識した新規ユーザー開拓もしていきたい。

ただ、現状、すべてを1人でオペレーションしているので、やりたいことは山ほどあっても、なかなか手が回らない。動画説明や動画情報発信などの必要性は感じているが、スキル的に不安もあり、学ぶ時間も手段もなかなかなく…

などなど、何度も「1人でやっているので」「1人なので」との言葉が出て、ワンオペによる限界をかなり感じられているご様子でした。

ただ、改善・向上の意欲は旺盛で、明るく前向きでいらっしゃるので、具体的に何からどう手掛けていけば良いかを模索中という状況のようでした。

具体的なダメ出し


EC仙人 太田

6年前にも申し上げた点なのですが…

まずは初来店、初見のお客様にとっては漠然としている「布おむつに何が必要なのか? いくらかかるのか? メリット、デメリットとデメリットの克服&解決方法」などの優先関心事を、いかに短時間でどんなものかを理解させる見やすくまとまったページが必要だと感じました。

今は、これらの情報コンテンツがむしろ豊富にサイト内のあちこちに散らばってあり過ぎて、初見のお客様にとっては概要把握することが難しく、時間がかかる状態です。

せっかくのトップページ上部の「布おむつやってみよう」からのページも
https://www.nunoomutsu-honpo.jp/page/4

長々と縦長で、しかも途中途中で他のページへのリンクが多く、行ったり来たりしながら読むのはとても面倒臭く、集中力が持ちません。

シンプルにA4用紙1枚のチラシをイメージして作り直してみましょう。このページだけ見れば「布おむつ本舗」の布おむつライフが理解できるように情報集約してまとめましょう。

そしてこのページでの最重要はスタートセットへの誘導。
布おむつ本舗さんのサイトまで訪れて、このページまで来ている人は、既に「布おむつに興味あり!」「布おむつをやってみたい!」という人たちです。

気短かな人なら、「で、何を揃えればいいの? いくらかかるの?」が早く知りたいはず。「細かいことはよく分からないけど、とりあえずスタートセットを買って始めてみたい人」には、早くスタート商品の購入ページに行ける導線を分かりやすい所に作っておきましょう。

とにかく。この「初めての方向けのページ」を見直し、ブラッシュアップして、重複情報は思い切って削除して、初見のお客様を混乱させないことが大切だと思います。

1枚のページにまとめるには「長い文章と多くの写真」ではなく、「見出しと動画」や「4コマ漫画イラスト」のような、それだけ見れば布おむつライフの始め方がわかるコンテンツに仕上げることが重要です。

初心者ママさん、布おむつ未経験者さんの目線に戻って用語解説やアイテム解説をしていきましょう。

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例)布おむつの構成は A)カバー + B)おむつ吸収部からなります。A)には〜〜〜の種類、Bには〜〜〜の種類があります。(イラストか写真付きで)それぞれの選び方・基準は〜〜〜です。

自分で選びたい方はコチラ→カテゴリーへ誘導
まだよく分からないけどとりあえず始めたいという方はコチラ→スタートキット(【松】【竹】【梅】)へ誘導
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のようにナビゲーションが欲しい所です。

他の商品で例えると、ゴルフを始めるならクラブ類+バッグ+ボール+ティーやホルダーなど小物類+ウェア・シューズ類。
自分で選びたい方はコチラ→カテゴリーへ誘導
まだよく分からないけどとりあえず始めたいという方はコチラ→スタートセット(【松】【竹】【梅】)へ誘導

というのと同様です。

その他、お習字を始めるなら、絵画を始めるなら、スノボを始めるなら…などなど初心者にとっては何であれ、最初は何を揃えていけば良いか、何が必要か、各グッズの名前も、スタートするための一式セットがどんな構成にすれば良いのかも分らないと何も買えないし始められないということです。

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また、布おむつライフを始める上で大きな訴求ポイントである紙おむつ→布おむつでの「節約・コストダウン」は、まだ情報が中途半端な気がします。

もっと具体的に、使い捨て紙おむつの価格はAmazonの安値セール品で1枚あたり20円程度で近所のドラッグストアよりかなり安い価格をベースに試算しています(といった表現が欲しい)。

計算例(3歳でおむつ卒業として)
0歳〜半年 20円×10枚/日×30日×6か月=3万6,000円
半年〜1歳 20円×8枚/日×30日×6か月=2万8,800円
1歳〜2歳…?????円
2歳〜3歳…?????円
合計 3年間で 約 XXXXXX円も紙おむつ代がかかる!

一方、布おむつの場合
布おむつ代はフルセット+オプション揃えても ZZZZZ円
洗濯で増える洗剤+電気代+水道代は…
1回???円×30日×36か月=YYYYY円
XXXXXX円-(YYYYY+ZZZZZ)=NNNNNN円もお得!

これだけあったら、お子さんの三輪車や自転車、おもちゃ、ママへのご褒美としてバッグやお財布だって買えちゃいますね!

など、より具体的に「紙おむつの最安値価格と比較してもこんなにもメリットがある!」をイメージさせるようにしっかり計算根拠を示しましょう!

洗濯の電気代、水道代は複数の洗濯機メーカーのサイトから拾って平均値を出して示しましょう。

例)Panasonic
https://panasonic.jp/wash/select/eco.html
ハイアール
https://haier.co.jp/story/electricity-and-water-bills-for-laundry/
東芝
https://faq-toshiba-lifestyle.dga.jp/answer.html?category=114&page=1&id=318

総評

「布おむつ本舗」さんとすれば、主力はあくまで赤ちゃん用の「布おむつ」とその赤ちゃんを育てているお母さんへの商品だと思いますが…

一方で若干ターゲットの違う「布ナプキン」という商品がありますね。
インタビューで 売り上げ構成で2〜3割ある商品群だと聞きました。

赤ちゃん関連は冒頭コラムでも述べた少子化によってどんどんと縮小していく市場ですが、布ナプキンはお母さん以外の女性客層をターゲットにすれば今より売上の大きな成長も期待できます。

そのためには「布おむつ本舗」の中の布ナプキン販売ではなく、今のお店から分離させて女性全体市場への布ナプキン販売として別店舗を立ち上げることをご提案したいと思います。

人口も減少に転じた日本ではありますが、出生数に比べれば人口の減少はまだ緩やかですし、70〜80万人×3歳分というおむつ市場規模に比べれば、数千万人の「生理のある女性市場」はおむつ市場の数十倍の市場規模ですので、当店からすれば相当に大きな潜在市場です。

生理の終わった更年期〜シニア層の尿漏れやおりもの対策品としても考えれば、もっと潜在市場規模は大きくなりますし、年齢層が上がるほどゴミやCO2削減など環境への配慮や、使い捨てへの罪悪感、もったいない意識、コストダウンへの意識も高い客層がきっといることでしょう。そして今度はそうした客層からその娘さん世代の新規ママ層へ布おむつのプレゼントやオススメも期待できるかもしれません。

いずれにせよ「布ナプキン」を独立させ、新顧客層にアプローチすることは最優先課題ではないでしょうか。
(布ナプキンSNS→布ナプキン新サイトへの誘導)

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布おむつ本舗に関しては、お客様(育児中のママ&パパ)目線で考えれば、専門店ならメインのグッズだけでなく、周辺グッズ、お手入れ用品なども取り扱いしていて欲しいもの。

布おむつでいえば、専用洗濯洗剤や予洗い用の小型洗濯機とか洗濯石鹸、泡立てネット、環境やお肌に優しい洗剤や漂白剤類、洗濯板とかうんち落とし用ブラシなどの洗濯問題解決商品。

また外出時の汚れ物専用バッグ(匂いや水漏れ対策品)、最近だと洗濯機の給水ホース部分に取り付けるナノバブル発生器、洗面台や浴室でのナノバブル機能付きのシャワーヘッド(汚れ落ち力UP)なども関連周辺商品になり得ると思います。

洗濯やうんち汚れ対策に関しては、物販以外の個別相談アドバイスなどノウハウ指導やオンラインセミナーなども新たな収益モデルとしての可能性もあると思います。

単純業務(受注や出荷など)をパートさんを雇うなどして任せていき、店長はクリエイティブな仕事の時間を増やして収益アップしていく。苦手な動画編集などは外注クリエイターにスポットで依頼するなど「1人での限界」を解決することもそろそろ考えていきましょう。

業績UP、効率向上、田島店長の生活や心の質向上のための改革・改善にもこうした可能性をそろそろ検討していきましょう。

これからの方向性について具体策でお悩みの場合は、またお気軽にご相談ください。

以上、「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。