唐突ですが、幸福度の都道府県ランキングで4年連続1位の県はどこでしょう?
正解は、沖縄県だそうです。
(出典:ブランド総合研究所 幸福度調査2024)
※幸福度について
「世界幸福度」の設問を参考に、「あなたは幸せですか」という設問に対し、「とても幸せ」「少し幸せ」「どちらでもない」「あまり幸せではない」「全く幸せではない」の5段階の選択肢から回答者に主観で選んでもらったものです。
他にもいろいろな調査があるでしょうが、純粋に「とても幸せ」を選んだ県民が多い沖縄県での暮らしは、きっと幸せ度合が高いのでしょうね。
また、幸福度、生活満足度、愛着度、定住意欲度の4つの指標の平均点を「持続度」として算出したところ、沖縄県は5年連続で1位なのだそうです。
経済的に見れば、所得金額の絶対値は低いし、台風や暑さなど自然の脅威も高いなどマイナス面もあるでしょうが、食費など相対的な生活物価の安さや、助け合いの精神が強い社会性・人間関係、時間や混雑、渋滞などストレスの低さ、家族・親戚観、自然の美しさ、伝統や文化など、多くの点で地元への親しみが深く、愛着度、生活満足度、定住意欲度を高め、「とても幸せ」な人を多くさせているのでしょうね。
シンプルに言えば、住民が幸せを感じ、生活に満足し、地域に愛着があり、住み続けたいと思う人の割合が多い県だということです。
そう思える生き方、ホントにいいですね〜(^-^)
さてさて、今回のお店は、そんな沖縄県から住環境の幸福度を高められそうな!? お店です。(^^;)
それでは、「ダメ出し!道場」始まりです!
沖縄表装さんはその名の通り、沖縄県は那覇市にある表装屋さんです。
「表装」とは元々は、書道作品や日本画を掛け軸や巻物などに仕立てたり、障子や襖(ふすま)、屏風などのいわゆる表具を作り上げることを指します。つまり表装屋さんはこれら表具に関する商品販売と仕立てをするお店だということです。
さて、業種は問わず通販ネットショップの一般統計論として、購入者の分布は大体人口分布に比例します。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、愛知、兵庫、福岡…と大都市を抱えるエリアからの注文が多く、ゆえにここへの送料がどうしても高くなる沖縄県のお店は最初からハンディがあります。
それでも沖縄のお店で買いたい物、沖縄のお店でしか買えないものがあれば十分に購入動機になりますが、裏を返せば東京や大阪のお店でも買えるものをわざわざ高い送料を払って沖縄のお店から買う人はなかなかいないということになります。
現状の「沖縄表装」さんの商品ラインアップを見ると、「月桃紙」(げっとうし)という沖縄産の植物から作られた紙の商品以外は、沖縄県外のメーカーさんの商品が多く、「沖縄ならでは」の表装屋さんではなく、単に「沖縄にある」表装屋さんになっており、東京や大阪や他府県の表装屋さんと同じ土俵で比較される状況だということです。
送料のハンディを補うほどの価格競争力は当然なく(他府県からの仕入れにも高い送料がかかってるし、スケールメリットを出すほど大量仕入れができている訳でもない)、現状のままではなかなか売れないのも致し方ないと思われます。
沖縄県内の地元の方には近くて便利な表装屋さんとして購入してもらえるとは思うのですが、ターゲットを全国他府県のお客様だとするならば、「わざわざ高い送料を払ってでも沖縄のお店から買う」だけの理由・動機を作っていかねばならないと思います。
私の初見時の「沖縄表装」という店名から期待されるイメージは、「沖縄ならでは」の表装関連商品が充実している専門店!? でしたが、「バンクシー」や「ゴッホ」、「北斎」の掛け軸やアート額を沖縄のお店から買うか? というと…
例えるなら、ハワイ旅行に行って「ハワイ雑貨」を名乗るお店でロシアのマトリョーシカやエジプトのピラミッドグッズを買うだろうか? というような違和感がありました。(地元の人は輸入雑貨として買う可能性はありますが、他国から来た人はまず買わない)
やはり、「ハワイ雑貨」のお店にはハワイならではのグッズを期待しますよね。
まずは「沖縄表装」の店名にふさわしい品揃えやコンテンツの充実という商品基本戦略から見直す必要があると思います。
今回も店長の砂川ひとみさんにお電話でインタビューさせていただきました。
沖縄表装さんは1970年に先代が「旨越商会」として創業。
2006年から砂川さんがおちゃのこネットでネット販売を開始。
2014年より「沖縄表装」に変更して現在に至る。
地元沖縄県那覇市で内装屋さん、畳屋さん、工務店さんなどへの卸売りと納入施工・協業で全国のメーカー品を仕入れ販売。
ネットでは障子紙、襖紙、壁紙などは思うように売れず、海外からのお客様を想定して、日本の書画の掛け軸をプッシュしてみているとのことですが、外国語対応はできていないので反応はイマイチだとか。
唯一の「沖縄県産商品」である「月桃紙」という商品があるが認知度は低く、まだあまりプッシュできていないものの、検索して来てくれてリピート買いする業務用途のお客様もおられるとのことで、ここにヒントとチャンスがありそうです。
「月桃」とは、東南アジア、インドなど亜熱帯、日本では沖縄のほか八丈島や小笠原などに自生するショウガ科ハナミョウガ属の多年草で、沖縄ではサニン、サンニンなどと呼ばれ、月桃は台湾での漢字名です。
種・花・果実・葉・根茎がお茶、食用、漢方薬、香油、虫よけ、防腐、防カビに使われ、葉や茎の繊維は紐や布生地、紙の原料にもなります。
防腐効果もある月桃は、気温が高く食材が傷みやすい沖縄では、餅やまんじゅう、ご飯などを月桃の葉で包んで保存に使うそうです。
月桃紙は月桃の茎から採れる繊維を原料として漉いた和紙で、和紙特有の調湿性やナチュラルな質感に加え、月桃が1年で収穫できる高さに成長するので環境負荷が小さく、CO2削減、温暖化防止のエコな素材といえます。
まずはお店と店長の自己紹介。
特商法表示こそありますが「沖縄表装」はいつできたどんなお店で、どのくらいの業歴や経験、スキルや強みがあるのかなどがまったく記されておりません。
ただ沖縄の地で表装屋をやっているというのではなく、できれば県外(全国)のお客様を意識して沖縄らしい特徴や、沖縄(暑い南国)ならではのイメージやデザイン、暑さ対策に有効な表具の知恵、流行の琉球畳のインテリアにマッチしそうな表具デザインやコーディネートなど、「物」だけでなく「アイデア」や「提案」を盛り込んだ【強み】の自己紹介にしていって欲しいです。
https://hyoso.ocnk.net/profile
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店長紹介も、ただ名前や趣味を書いただけではお客様にとって何のプラスにもなっていません。表具屋・表装屋としてのこだわりや経験、得意技、熱い思いやエピソード、沖縄発のお店としての強みや特長、メッセージなど、お客様に「信頼できるプロだな〜」と思われるような自己紹介にしてください。
お店の自己紹介も店長の自己紹介もよく見られるページです。
つまりは見ていただけるチャンスの多いページなのです。
しっかりとアピールしてお客様をグッと引き込みましょう。
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色柄バリエーション・質感は最重要!
写真や動画を駆使して画質、見せ方を妥協しない!
例えば、
月桃紙 ふすま専用 m販売
https://hyoso.ocnk.net/product/52
説明文中には「自然な生成りの色」とありますが写真からはかなり黄緑がかった色に見えますし、解像度が低く表面の質感はほとんどわかりません(感じられません)
静止画写真の解像度も上げて欲しいですし、できれば動画を用いて紙を手に取って反らしたり揺らしたり波打たせたりして、光の当たる角度を変え、表面の凹凸感や立体感、透け感、紙の弾力感やハリやコシ、厚みを感じさせて欲しいです。力を入れて破ってみせて、強度や繊維の感じなども伝えて欲しいですね。
今の静止画だけでこれらを想像して「よし!注文しよう!」とまではなかなか至らないと思います。
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月桃紙 壁紙用 m販売 [L01]
https://hyoso.ocnk.net/product/12
これも、写真が黄緑がかって見えているのですが…
撮影時の照明、カメラのクセ、画像加工など今一度見直してみてください。1台のパソコン画面だけでなく、違うパソコンやいろいろなスマホ画面でも確認してみましょう。
壁紙用は撥水・防汚の表面加工されたタイプとされていないタイプがあるようですが、言葉だけの説明ではなく、実際に霧吹きで絵の具やお醤油を吹き付けて見せたり、ケチャップなどを付けて、それらを拭きとってお掃除できることを見せたりして欲しいです。
どの程度の防汚性があるのか? また質感の違いも見たい。
これも動画が必要だと思います。
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インテリア和紙 燦【SAN】211?213 カモミール 和モダン
https://hyoso.ocnk.net/product/204
月桃紙以外の紙類も写真がイマイチ解像度が低く、色柄はわかっても表面の凹凸など立体感・質感がわかりません。
「表具」「表装」というくらいですから、「表」の質感が感じられないと購入の決断まで至りにくいですし、もし購入してからイメージ違いだと、返品リスクや不満足リスクが高まります。
妥協せず、しっかりと写真や動画を用意して質感を伝える努力をしましょう。
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SNSに関しては Instagram をメインに発信していくのが良いと思いますが、リール動画投稿をメインに新規フォロワーを増やしましょう。個人だけでなくインテリアや建築業界のプロの目を意識した投稿内容やハッシュタグを付けてBtoBの引き合い・問い合わせを呼び込む工夫をしましょう!
ハッシュタグや説明文に手を抜いた投稿は無意味です。できるだけ多くのハッシュタグを付けて投稿しましょう。直接扱っていない商品でも、例えば #琉球畳 #インテリアコーディネート #和風インテリア など、人気で流行りの「琉球畳」が好きな人ならきっと連想されるだろう関連ワードも入れておけば、#月桃紙 を知らない人も興味を持ってくれる可能性が高まると思います。
普通の「表具屋・表装屋」としてなんとなく「物」を売ってきたお店ですが、これを機会に本当の「沖縄(ならでは)の表装屋」として沖縄産の「月桃紙」を主軸に、その他の商品も沖縄らしい色柄やコーディネートなど特長を出して他県の表具屋との差別化を図っていきましょう。
また、ターゲットは「沖縄らしい表具」が好きな全国の個人客だけでなく、DIYが好きな全国の個人客へ貼る素材としての月桃紙、他の紙製品の用途提案。加えて全国の「建築事務所」「内装屋」「インテリア関連業者」「畳屋」「表具屋」「建具屋」などへの「沖縄月桃紙」の卸売り提案(月桃紙メーカーさんの代理店として営業代行で無在庫販売で小リスク経営)も検討されるとよいのではないでしょうか。
小人数での経営ですし、個人向けの通販で数をこなすより、法人向けの営業で客単価を上げた方が沖縄の送料ハンディも少なくなりますし、月桃紙の希少性や認知度の低さもBtoBならかえって強みにできます。
月桃紙は沖縄の風土、文化にもなじみのある貴重な県産資源でもあるので、沖縄表装さんの主力商品としてもふさわしく、これを使った提案次第で活用のノウハウを蓄積していけば、月桃紙を扱う他店との差別化も可能だと思います。
紙の質感・見せ方・写真に関してはダメ出ししましたが、いっそ、実物サンプルを「サンプル帳」としてあえて有料化し、300円〜500円送料込みなど損をしない程度のできるだけ安い値付けでお届けするようにしておけば、購入本気度の高い見込み客だけにサンプル提供ができます。サンプル帳購入者には、後の本注文の際にサンプル帳代金分+αを値引いてあげるクーポンを同梱すれば、お互いに損をしないWin&Winな提案になると思います。
お客様にとっても襖数枚、壁1面となれば数万円の買い物になるので、できれば実物サンプルで色と質感を確認したい方も少なくないと思います。
その他、貼る対象をプラスチックや合板、家具、コンクリートなど広くいろいろと想定して、沖縄表装さんでテストして、それぞれに合う接着剤や上手な貼り方をノウハウとして情報提供できれば、これも他店との差別化に繋がります。
紙を売るんじゃなく「貼ってリメイク、リフォーム、リノベ」というソリューション(解決策)やベネフィット(便益)を売る! ができれば収益アップ、成長ができると思います。
月桃紙は宝の原石だと思います。ぜひ磨いて光らせて、幸福度No.1の県から全国に幸せをお届けしてあげてください!(^-^)
その他、具体策でお悩みの場合はまたお気軽にご相談ください。
沖縄には行ったことがないのでぜひお呼びください!(^^;)
以上。「ダメ出し!道場」でした!
売上が伸びません。 今までレビュー機能などを利用しなかったせいかなとも思っています。