市街地で普通に暮らしていて、人間以外で目にする生き物で最も多いものはなんでしょうか?
ペットの犬や猫? スズメ? カラス?
いえいえ、圧倒的に多い生き物と言えば…虫! ですね!
蚊やハエ、街灯や自販機の灯りに集まる多くの虫、家の中に出現すると正に虫酸の走るゴキブリ、窓から侵入してくるカメムシやカナブンなど、その数も種類も圧倒的ですよね。
少し郊外の山林や田畑、草原や河川敷などに行けば、もっともっと見たことのないような虫が山ほどいます!
町で普通に暮らす人間にとっては、たとえミツバチやナナホシテントウのような益虫や役に立つ虫であっても、あまり出会いたくない存在になっています。
皆さんは「虫」、お好きですか?(^^;)
最近は昔に比べ、虫は苦手! という方が増えたような気がしますが、私は田舎育ちなので、子供の頃は、虫取り網と虫かごを持って、野原に蝶々やトンボ、セミやクワガタ、カブト虫などをしょっちゅう獲りに行っていました。
今でも、スズメバチやアブ、蚊など、刺したり血を吸ったりする虫でなければ、それほど苦手ではありません。
それでも大人になってからはすっかり虫離れ。あえて捕まえて飼おうとか観察しようとか思わなくなってしまいました。
最近は孫達と外で遊ぶ機会が増えて来たので、また虫達を意識してよく観察するようになってきました。
自然界においては虫達は植物と共存し、相互に繁殖を支え合ったり、他の生き物の死骸を食べて分解し、土に返したり、カエルやヘビ、ネズミや小動物、鳥、魚などのエサ・食料となったり、その死骸はまた植物たちの肥料となったりと、自然の営みの中では不可欠で重要な存在ですよね。
最近では「昆虫食」と称して、人口増加のため食糧難に備えてコオロギなどを養殖して食品に加工するなども研究開発されていますが、人間が直接食べる以外にも、高栄養の家畜飼料としてや、特定の栄養成分や色素や香料などの原料に用いられたりもするようです。
例えば、食品によく使われる赤い着色をするコチニール色素がカイガラムシという虫から作られているのは有名ですね。
また虫の触角を匂いセンサーとしてロボットやドローンに組み込んだり、AIに情報を与えるセンサーとしてアナログ→デジタルへの変換器のような用途への研究なども進んできているようです。
蛾の触角の匂い感度は、数km先の匂いを検知できたり、東京ドーム1杯の大量の水に匂い成分を1滴垂らしても感知できるほどの高感度センサーなのだとか。人工的なセンサーより圧倒的に優秀なようです。
遺伝子操作の技術と組み合わせることで、いろいろな種類の匂いに反応するセンサーに変えることもできているようです。
また昆虫の脳の神経細胞は、人間の100万〜1000万分の1しかないそうですが、それでも視覚や触覚、嗅覚で感じたことをしっかりと状況判断して、他の仲間がしていることを学習し、自分も同じことができるようになったりするくらいの知能はあるそうです。
その他、虫の持つ免疫力や、さまざまな食べ物を分解する腸内細菌、虫の持つ毒成分の薬への応用や、化学成分を合成したり、小さな体で敵を殺すほどの熱を発生させたりする能力、飛翔したり高く飛び跳ねたりする強靭な筋力や長距離を移動できる体力(エネルギー効率)なども研究対象として注目されているようです。
人間から見れば下等な生物に見える虫達は、実は驚異的な能力や生存力や繁殖力を持つ強力な生き物なんですよね。
最近の都会のマンション育ちの子供たちはあまり虫達に接する機会もなく育つので、「虫!? ギャーっ!」と極端な苦手意識を持つ若い人が多くなった気がしますが、たまには郊外に出かけて野山の虫を観察したり、せめて昆虫館などに行って虫たちのことを知ってみるのも良いのではないでしょうか。
さて、今回のお店は、虫好き、昆虫標本コレクターの間では有名な、昆虫標本箱(通称ドイツ箱)のメーカーの直販店です! でも、この会社、実は標本箱だけではないようですよ!
トップページ、最上部の「昆虫館・博物館・全国の昆虫愛好家様への納品実績が品質を証明します」と中央の横スクロールのバナー画像から、なんとなく昆虫を飾る箱の専門店さんかなー? 程度には見えるのですが…
店舗名やメインキャッチコピーの入った看板画像もないので、どこのどんな店主や会社がやっているお店なのかがイマイチ伝わってきません。(メーカーなのか小売店なのかもわからない…)
後ほどのインタビューでお聞きした会社の強みや特長のほんの一部しか、ファーストビューでは感じられず、今一度、初見のお客様にまずは何を伝えたいのか? 知って欲しいのか? を整理して掲載して欲しいところです。
私は、看板もないことから、自社サイトの「カート機能」と割り切っておちゃのこネットを使っているのかな、と見えました。
ティーウッドさんは岡山県の中央部、久米郡美咲町にあり、昭和48年(1973年)創業の高橋木工という家具製作の会社が前身で、今でもオーダーメイドの作り込み家具の事業を中心に、住宅リフォームやキャンピングカーの居室(キャンパーシェル)の製作などもなさっています。
昭和55年からは、昆虫関連商品を扱う大手問屋さんとのご縁で、通称「ドイツ箱」と呼ばれる昆虫標本箱を製造卸売りするメーカーとしても事業展開され、現在では昆虫標本コレクターの間では誰もが知る一流メーカーさんのようです。
「ドイツ箱」はドイツ式の昆虫標本箱というのが元のようですが、標本は1年、2年などの短期間ではなく、何十年もの保管・展示が求められるため、湿気、害虫やカビ、ホコリなどの侵入を防ぐ気密性、精密性と内部の湿度を一定に保つ性能が求められるそうです。
世界的に見ても、四季の寒暖差があり、湿度が高く、標本がカビたり、標本を食べてしまう害虫の侵入のリスクも高い日本の気候・環境においては、ドイツ・ヨーロッパなど乾燥した環境よりもより気密性や湿度を保つ性能の高い標本箱が求められ、日本の標本箱のクオリティは世界でもトップクラスの品質だそうで、海外からも高い評価を受けて買い求められているそうです。
日本には他にも標本箱メーカーさんはあるようですが、ウッドテックさんの標本箱は唯一の自社工場での製造で国内外の博物館、昆虫館、コレクター達に信頼・愛用されている逸品のようです。
店長の高橋利枝さんは現社長の娘さんで、創業者のお孫さん。
2018年に医療系のお仕事からティーウッドさんに転職。
ネット全般の責任者兼、マーケティングや広報、新商品の開発に加え、別事業で飲食店の経営、運営と、一人で何役ものお仕事を精力的に手掛けていらっしゃるようです。
見方を変えれば、ティーウッドさんは木工の職人でもある社長(お父様)と職人仲間の技術を中心に成り立っている会社で、マーケティングや新規営業は得意ではない「モノ作り」の会社。
職人・技術者ならではの社長のコダワリや頑固さとぶつかり合いながらも、ティーウッドの持つ強みや特長を生かした商品・サービスを岡山の地から全国〜世界へと発信しようと日々お忙しく頑張っておられる利枝店長さんです。
ネットではおちゃのこショップの他に
・自社サイト(https://t-wood.jp/)
・Instagram(https://www.instagram.com/t_wood_takahashi/)
・Facebook(https://www.facebook.com/profile.php?id=100054237950999)
で情報発信中。
その他東京ギフトショーや大阪ギフトショーへの出展など、リアルでの市場開拓や、現在は新商品の「ランドセルチェア」を広めようと地方イベントへの出店やクラウドファンディングなども計画中だとか。
(ランドセルチェア:小学校卒業後の思い出のランドセルを親子でリメイクDIYして折り畳みの木製椅子にする商品だそうです)
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ネット戦略的には自社サイトが中心で、おちゃのこネット店は会社を代表する商品である「ドイツ箱(昆虫標本箱)」を直販することを目的に2010年に始めましたが、昆虫標本箱だけでなく、その精密な木箱の製造技術を活かした「きもの収納箱(美咲箱)」や木のおもちゃ、プリザーブドフラワーや美しい蝶を収納し、インテリアとしての商品なども陳列・販売されておられます。
メーカーとしての電子カタログ的な位置づけなのか…
小売販売ショップの売り場の位置づけなのか…
そのあたりがやや曖昧になっているようです。
主力のドイツ型標本箱ですが、K型・N型・T型などいくつかの種類があったり、サイズも塗装も何種類かあるようですが…
https://t-wood.ocnk.net/product-list/13
特殊標本箱
https://t-wood.ocnk.net/product-list/25
商品カテゴリーの一覧を見ても、種類、塗り、個数、UVフィルム貼りなどいろいろな要素の違いのあるものがごっちゃに一覧されているために、初心者には違いや特長の差がなかなかわかりません。
K型・N型・T型とは? 何が違う? などの説明も見当たりません。
まずは、型の違い、大きさの違い、塗りの違い、その他機能や仕様の違いなど、分類や種類の違いと特徴と価格が一覧できる表をフリーページで作って、そこから各商品ページに誘導するようなナビゲーション(店内導線)を作られるのが良いかと思います。
特殊標本箱は別カテゴリーにされていますが…
一覧性が悪いので、一覧ページの中で分類整理される方が分かりやすいのではないでしょうか。
初心者、初めての方でもわかるように! を意識して分類してみてください。
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商品カテゴリーには、収納庫、飾り棚、収納棚、と並列に家具・木製品や美咲箱(着物収納箱)があるために、「収納庫、飾り棚、収納棚」は昆虫用ではなく、家具としての収納庫や棚なのかな? とも見えます。
全体としてまず「A:昆虫標本用の商品」と「B:それ以外の商品」をそれぞれの下に
A:昆虫標本用ドイツ箱、収納庫、飾り棚、収納棚
B:美咲箱、木製品、木のおもちゃなど
のように分類すると、木製品メーカーとして昆虫関連とそれ以外も製造販売している点が分かりやすく伝わると思います。
また今後、ランドセルチェアやその他家具製品、キャンパーシェルなどを掲載・販売されても、違和感なくわかりやすいと思います。
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商品写真の解像度、精度
標本箱の溝や細部の構造、表面の質感など、実物を手に取って目の前15〜20cmくらいで見ているくらいの解像度・大きさの詳細を確認できる写真が欲しいところです。
既にティーウッドのドイツ箱を持っている人には今の写真で分かっても、実物を見たことのない、触ったことのない人には今の写真だけで数万円もする買い物の決断はなかなかできません。
通販では写真は命です。妥協せず高画質な物を掲載しましょう。
できることならば、艶感や質感、ガラスなどの光沢感を感じさせるように数秒でも構いませんので動画でクルっと回しながら角度を変えて見せるような工夫もあるとなお良いでしょう。
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会社の紹介(何ができるのか? 私たちにできること!)
ティーウッドさんの会社もブランドも知らない方、知ったばかりの初心者さん向けに、「私たちティーウッドとは」のような自己紹介コンテンツもぜひ用意して欲しいです。どこの、どんな会社でどんな経営者やスタッフ達で何をしているのか?(どんな工場でどんな風にモノ作りしているのかなど)
そして、現状の掲載商品以外にもどんなことができるのか? オーダー家具製造や住宅や店舗の作り込み家具やリフォーム、キャンパーシェルなど、既製品以外の相談もできるのか? 法人でも個人でも新規の問い合わせや相談を歓迎するのか否か? など会社のフットワークやスタンスを明記しておくと引き合いが来やすくなります。(海外に向けて、英語表記ページもあるとなお良し)
製造業、メーカーさんには個人への販売や商談はお断りというところも多いですので、歓迎ならば明記しておきましょう。
またその逆で「オンラインショップは個人向け」と思い込んで見てしまったり、メーカー直営とは思わず単なる小売店に見えていると、法人のバイヤーや商品企画担当者からの相談が来にくいことになっていたりします。
「法人バイヤーさん、商品企画担当者さん歓迎!」とか、「卸売り、OEM製造します!」などの明記はBtoBには重要です。
また、「マスコミ、メディアの方、取材歓迎」なども書いておくと、取材や相談を受けやすくなります。
気難しい敷居の高い職人系メーカーと思われない、どんなことでも相談しやすいメーカー という印象を意識して発信しましょう。
ティーウッドさんの「昆虫標本箱」における品質や実績は「一流」だと思います。メーカーとして商品の種類や違い、特徴を分かりやすく整理して掲載することを今一度見直しましょう。
それを軸にしつつ、商品そのものだけでなく、「ティーウッドは何ができる会社なのか?」という本質を今一度社内でブレストしてリストアップし、1枚にまとめたページをしっかりと作り込んでいかれると、「単にカートで標本箱が売れる」だけではないいろいろなビジネスチャンスが広がっていくと思います。
オンラインショップサイトにおいても、単なる小売店ではない「モノ作りできるメーカーさん直営ショップ」は、お客さまや市場からの問い合わせや意見を吸い上げて、今後の商品やビジネスに生かすことができるのでとても有利です。
自社サイト、SNSとおちゃのこ店をぜひうまく組み合わせて、トータルでのビジネスの向上に生かしてください。
利枝店長お一人でのネット活動は孤独で労力的にも大変だと思いますが、うまく社内を巻き込んで、啓蒙しながら頑張ってください。
相談役(応援団)が必要な際はお気軽にお声がけください(^^;)
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SNS活用について
現在のInstagram アカウントでの投稿の質を高めてリール動画を増やし、写真投稿もハッシュタグを増やす一方で、モニター募集や標本箱の活用案募集など市場とのコミュニケーションにも使えると思います。
ティーウッドさんの標本箱の精密さや保存性の高さを示すような実験やデモを撮影して発信するなど、技術力アピールももっともっとできるでしょう。
新たな活路を見出す大きな武器となるはずです。
余裕があれば、X、Facebook、Youtube にも投稿していきましょう。
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その他具体案、具体策でお悩みの場合はまたお気軽にご相談ください。
以上。「ダメ出し!道場」でした!
商品写真の入れ替えやクレジット決済、paypay決済導入後売り上げアップしましたが、購入者グラフで購入者離れが気になります。
さらに良いショップにしたいのでアドバイスいただければ嬉しいです。