The Victorian Tea Room

カテゴリ:アンティーク、コレクション

The Victorian Tea Room

アンティーク銀器をイギリスから直送する形で販売しています。
今年でネットショップをオープンして12年目になります。
オープン時は幸先よく、オープンしてすぐに販売するなどとても調子が良く、SNSやGoogle検索などの宣伝もしながらアンティークシルバー、アンティーク銀器などのキーワードでGoogle1ページ目に入るなどコロナ時もほとんど問題がなく本当に良い時を過ごしてきましたが、2年ほど前から売り上げが落ちてきている感じがあり、どんどん円安になってきているおり、商品の価格もそれに合わせる必要もあり、今月に入って、本当に売り上げが底を打ってしまいました。ショップのトップページは12年前にオープンした時のままで古臭いのもよくわかっており、ショップのリニューアルを踏まえたアドバイスをいただけたら、と思っております。

皆さん、フリマってご存じですよね。
そう、フリーマーケットのこと。現代においてはスマホで中古品の売買ができる、いわゆる「フリマアプリ」をイメージさせる言葉になっています。(ヤフオクやメルカリ、モバオク、ジモティー、ラクマ等)

でも、リアルの世界でのフリマは公園や公民館、体育館などで敷物を広げ、商品を並べて来場者と出品者が対面で価格交渉やQ&Aの会話をしながら売り買いするフリー(Free)なマーケット(Market)…だと思っていませんか? 英語に強い方はご存じだと思いますが…

実はフリーマーケットの英語表記は free market ではなく、flea market なんですね。もっとも日本では 自由な市場というニュアンスで free market も正しいようですが…

ではこの 「flea」 って何でしょう?
最近ではフリマが一般的で「蚤の市(のみのいち)」って言葉はあまり使われなくなりましたが、そう、flea とは この 蚤(ノミ)のことなんですね。そう、あの血を吸って痒くなる虫の蚤(ノミ)です。

蚤が付いているような古着などを売っている市場という意味で、「蚤の市」=「flea market」→フリーマーケット→フリマ と訳され略されてきた言葉なんですね。

私も個人的にメルカリやヤフオク、ジモティーなどで家にある不用品を出品したり、骨董の火鉢とか風呂敷なんかを買ったりすることがあります。リアルの蚤の市も若いころ(昭和の時代)には行ったり出たりしていました。

でもあくまで趣味というか、個人的な売買でしたが。

さて、今回のお店はこのリアルな「蚤の市」でアンティーク商品を仕入れ、ネットで転売を始めたのをきっかけに、アンティーク品の専門店になったお店です。しかも英国(イギリス)はロンドンで銀の食器や器具に特化したアンティークショップです。

それでは「ダメ出し!道場」始まりです!

第一印象:決して古臭くは感じないアンティークショップらしい佇まい


EC仙人 太田

ご本人は「12年前にオープンした時のままで古臭い」と感じておられるようですが、扱っている商品が「アンティーク品」で「中古品」なので、アンティーク品の写真を使ったバナーが整然と並んだトップページは落ち着いた印象で、「何の専門店なのか」とてもわかりやすく、決して悪い意味で「古臭く」は感じられません。

スマホ(レスポンシブ)対応ではないですが、携帯サイトも文字ばかりでなく、キチンとカテゴリーバナー画像を用意されていますので、見栄えも良くわかりやすいと思います。

ただ、後ほどインタビューで見えてきた本当の【強み】である部分は、初見のお客様には伝わりにくい、気づかれにくいかも知れませんので、看板画像やトップページ内のキャッチコピー・見出しなどを見直してアピールされるのが良いと思います。

------------------------------
業歴、経歴、From London、
にわかリサイクル中古品ショップとはワケが違う!
博物館級のアンティーク品も扱う本物のプロショップ
修理、修復、メンテナンス、

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

ロンドン在住40年、店主のボーイズ直子さんにオンライン通話にてインタビューさせていただきました。

直子さんは1983年に日本でイギリス人の旦那様と出会いご結婚。
ハネムーンで二人で世界一周の旅へ。
途中で旦那様の故郷イギリス・ロンドンで旅行資金を稼ごうと、しばし滞在。日本に居る頃から着物(呉服)の古着を海外へ売ろうと仕入れていた物をロンドンに送り、英国のアンティーク・ヴィンテージ品の蚤の市へ出店しお二人で販売。

高く売れて儲かることもあったそうですが、売れ行きは不安定で生活を安定させるために商売はだんな様に任せて直子さんはロンドンの日本食レストランや日本企業の現地オフィスで働き収入を安定化。

商売の方は日本がバブル期に入ったこともあって円高で日本人の購買力を狙うべしと、英国アンティーク家具を日本人に売る方へ切り替え、日本語の堪能なだんな様と輸出業務に精通しただんな様の友人とで徐々に軌道に乗り、日本の個人客だけでなくアンティークショップなどへも輸出卸するようになっていったそうです。

日本のバブルの崩壊後も暫くは好調は続いていたとのことですが、輸出業務を担ってくれていたパートナーさんが96年に引退されたのを機に、直子さんが日本企業への勤務を辞め、だんな様と一緒にお仕事を再開。その後、イギリスのアンティーク家具の業界で、幅広いネットワークを持つ会社になったそうです。

直子さんはその後、出産〜子育てを経て、インターネットが普及したのもあって、家具ではなく、銀器を仕入れて日本人向けに売ってみようとヤフオクに出品を始めたとのこと。

ただ、ヤフオクではなかなか高いモノも売れにくいですし、オークション形式では最低落札価格を設定すると入札されにくく、設定せずに低価格からスタートすれば仕入れ原価割れで落札され赤字になることもあり、なかなか収益が上がりません。

そこで「ちゃんと店を構えて良い顧客を作り販売を!」と2012年におちゃのこネットに出店し The Victorian Tea Room を始めたそうです。

当初は、銀器の中でも高価な純銀製ではなく、純銀製品に比べれば低価格なシルバープレート(銀メッキ)品を中心に販売されていたそうですが、徐々にお客様も目が肥え、上客も増え、お店としてもより良い品を! で、現在は高価格帯の純銀製品や、品質、細工、状態の良いシルバープレート品に絞って展開。また長年の実績から、高い技術の銀職人の工房で修理・修復・磨きなどメンテナンスもできるので、変色やくすんでしまっているアンティーク銀製品をキレイな状態にして販売・出荷できることが強みとなっています。

また高額な品々を大量に在庫するのは資金的に大変ですが、長年の取引での信用が築かれているので、現地のアンティーク業者数社から、直子さんがセレクトした商品を貸し出してもらえるようになったので、在庫を持たずに撮影してドロップシッピング的にネット販売できるようになっているそうです。

一般的なドロップシッピングでは商品画像は卸元が用意した写真を使い、出荷も卸元からの発送で、お店は商品の現物を見ることも触ることもないままに「販売」しますが… The Victorian Tea Roomさんではあくまで直子店長が目利きし、商品の現物を借りて確認し、撮影も商品説明もすべて行いますので、商品情報の濃度が高く信頼できます。

これ(一点物の高額商品の貸し出し)は通常はなかなかさせてもらえることではありません。The Victorian Tea Roomさんの英国内での信頼度の高さゆえの大きな強みの一つだと思います。

ただ、最近の急激な円安と英国のインフレによって、円での販売価格を上げざるを得ず、日本でも物価高や先行き不安感が広がり顧客の財布の紐が締まっているようです。

商品価格帯は 数万円〜300万円弱と幅広いですが、ネット通販平均と比べればかなりの高価格・高級品ショップです。

おのずと顧客、見込み客は高所得層、富裕層。リピーターさんが多いようですが、新規客獲得が課題のようです。

 

具体的なダメ出し&改善策


EC仙人 太田

第一印象でも述べましたが、英国アンティーク銀器の専門店であることまでは一瞬でわかるのですが…

日本のお客様にとってのいくつかの他の魅力
・ロンドン在住40年、アンティークディーラー歴40年の経歴・業歴
・ロンドンでの直接仕入れ、ロンドンからの直送
・希少性・貴重性の高い高品質、優良品、修復メンテしての出荷

など英国アンティーク銀器のプロショップとして、日本国内で営業する他店との明確な差別化ポイントをファーストビューでお客様に気づいていただけるような見出しやキャッチコピー、マークなどが必要だと思います。

看板画像への From London や 英国国旗の掲載 をすれば一瞬で英国からとわかります。

お店(直子さん)にとってはもはや当たり前のロンドンに住んでいることさえも、日本のお客様には大きな魅力なのです。

------------------------------
ごあいさつページ(プロフィールページ)の見直し更新
https://victoriantearoom.ocnk.net/profile

新規の方が多く見られるページなので、年数や情報が古いので最新の情報に修正しておきましょう。

また、「何ができるか」「私たちにできること」「得意なこと」という視点で考えると、お客様にとってわかりやすくなると思います。

------------------------------
商品動画について…
商品ページをスクロールしていくとかなり下の方にYoutube動画がリンクされています。すべては見られませんでしたが、いくつかの商品で動画を拝見し、気づいた点をコメントします。

商品ページ 3面 ビスケット ウォーマー
https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2646
動画
https://www.youtube.com/watch?v=kM_aUF5GyfE&t=107s

商品ページ アールデコスタイル ティー&コーヒーセット
https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2637
動画
https://www.youtube.com/watch?v=2UWe4rBtcM4

テーブル、クロス、背景、白い手袋をしての見せ方なども高級感があり、落ち着いたピアノのBGMなど演出面も良いと思います!
手に持ち、角度を変え、可動部を動かすなど、光沢感や使用感もイメージしやすいです。長さも1分〜2分と飽きられず適度で見やすいと思います。
一点物の高価な商品ですので、実際にお茶を入れる、食品を載せるなどはできないと思いますからそこは仕方ないですが、お茶を注ぐ仕草などをちゃんとされていてイメージしやすいと思いますので、他の商品でも「使用シーン」での動きや使い方を想像しやすい演出をされるのが良いと思います。

改善点としては…
音声での説明も欲しいところですが、苦手なようであれば、テロップ文字入れだけでもして、その商品の見て欲しいポイントや特長などを文字で意識させましょう。漠然と見せるとお店の意図するポイントではなく、お客様によってはまったく関係ないポイントや背景が気になったりする方もいらっしゃるので、「見て欲しいポイントを意識させる」ためのテロップは必要です。

例)●●のお花の柄が美しい…、
持ち手の□□形状が特徴的で…
磨き上げられた鏡面は顔が映るほど…
など。
------------------------------
中古品ならではのキズやシミ、くすみなどがある部分はあえて拡大してお見せし、コメントやテロップで説明の上、修復の可否なども一言添えると、お客様の不安や懸念を減らすことができますし、納得の上で購入判断していただけると思います。

------------------------------
Youtube 動画一覧でのサムネイル画像の 明るさとコントラストが全体的に暗くどんよりしています。かなりバラツキがあります。明るいものもありますので、全体を眺めてみて明るめのものに合わせていくと良いでしょう。
https://www.youtube.com/@thevictoriantearoomlondon593/videos

Youtube studio を使って サムネイル画像だけ変更できますので、できればサムネイル画像に 店名や品名、キャッチコピーを入れたり、明るさとコントラストの調整をして、明るく目を引くサムネイルにしていきましょう。

------------------------------
茶器や食器のイメージ画像、使用シーンの演出

商品そのものにお茶やケーキを載せることが可能なら、そういう写真も欲しいです。せめてトップページにはイメージカットとして直子さん個人所有の茶器や器を使って実際に使用時の盛り付け写真のイメージカットを掲載したり、「いかにも」な英国風ティータイムシーンをモデルさん(ご本人&ご主人やご家族やご友人などでOK)の談笑シーンなども入れて掲載するような演出もあると良いでしょう。

英国アンティーク好きな日本のお客様にとって、イングリッシュティータイム、ティーパーティの典型的なシーンは憧れでしょうし、そういうシーンを見せることで、「私もこういう風にやってみたい!」という欲求が刺激されることでしょう。

実際には現代のロンドンで貴族のような身なりでエレガントなティーパーティなんて日常はないのかもしれませんが(^^;)

日本でも東京の方が、京都人が和室で着物姿でお抹茶を飲んでいるシーンに憧れたり想像したりするように、ステレオタイプでベタな演出は必要だと思います。

------------------------------
「銀器」という表記はどうしても「器(うつわ)」、特に食器をイメージしがちですが、実際には食器以外の雑貨類(ペントレイや写真立て、ジュエリーボックスなど)もあるようですので、トップページの看板画像やカテゴリーバナー画像に食器以外の写真も見せて、幅広い品ぞろえを意識させましょう。

------------------------------
スマホ対応-レスポンシブ対応のテンプレートに切り替えリニューアル。おちゃのこサポートさんに問い合わせてレスポンシブ対応テンプレートに切り替えを検討しましょう。新テンプレートにはトップページセンター画像を複数使ってスライドで見せることも可能ですし、大きなサムネイルでオススメ商品を一覧で多く見せることも可能ですので、より多くの商品のアピール度が高まると思います。

The Victorian Tea Roomさんのような一点物で多くの種類の商品があるお店は、カテゴリーで細かく分けてそれぞれを見に行かせるよりも、トップページにできるだけ多くの商品をサムネイル陳列して、縦スクロールでざーっと見せて気になったものをクリックさせる方が店内回遊率が高まると思います。

総評

テンプレートこそ古いですが、商品写真、説明文、動画、見せ方などはクオリティが高く、専門店・プロショップであることがわかります。

あえて言えば、既存客(リピーター)優先で、新規初見客へのアピール度が低いので、「新規客」へ最初に知って欲しい自店の特徴や強みを見直してトップページに上手く散りばめましょう。(スマホサイトでも)

ターゲットは狙い通り、高所得富裕者層で良いと思いますのでその分、お一人お一人に丁寧な接客が必要ですし、一品一品に手抜きすることなく、知りたいことが知れるだけの商品説明や背景のストーリーやメッセージを充実させていきましょう。

高価格商品ほど、商品ページは カタログや自販機ではなく「売り場」としての要素が強く必要です。リアルタイム接客ができない分、想定されるお客様の疑問や不安、懸念事項を前もってできるだけ作り込んでおくことが高価格品であっても購入率を高めることにつながります。

また最近ではメッセージアプリやオンライン通話アプリなども一般化してきましたので、時間帯を決めて通話接客も検討されるのも一案かと思います。商品単価、客単価が数十万円〜数百万円の貴店なら、直接通話接客でも十分に採算が合うと思いますので。声を聴いて会話すれば親近感、信頼感、距離感も一気に縮まります。

------------------------------

今回のインタビューで気付いた貴店の最大の強みは、ロンドンでの優良アンティーク業者さんとのつながりと信頼感です。

高額な商品を信頼して貸し出して下さることは、もっともっと活用して良いと思います。お電話でもお話ししましたが、博物館級の高価なアンティーク品もそれらアンティーク業者さんの倉庫には多数あるとのこと。高過ぎて売れないだろうと決めつけず、陳列できるものはとにかく撮影してもっともっと高額商品もアップしていきましょう。

そうした商品が新たな高所得者層の顧客を呼びますし、話題性もあるので、SNSなどで拡散の可能性も出てきます。

アフィリエイト可能にすればアフィリエイターが紹介したくなると思います。

数百万円、数千万円などという商品も多く並べれば、数十万円クラスの商品は安く感じられるようにもなります。円安だから日本からの注文は少ないだろう、売れにくいだろうと決めつけず、それを気にしない客層を取り込む意気で高価格商品の販売はぜひチャレンジしてみてください。

------------------------------
また円安下で海外製品は日本で売れにくいと思うのが一般的ですが、発想の転換で、円安でも、外貨で資産をたくさんお持ちのお客様なら、ユーロやドルやポンドで決済できればお得にお買い物が可能です。

決済方法・手段を柔軟に考えて外貨で払える手段を用意すれば、外貨決済したいというお客様もいらっしゃると思います。

まずはドルやポンドやユーロでの価格も表記したり、お見積りします、外貨でのお支払いも可能ですよとご案内してお問合せしてもらい相談するのはいかがでしょうか?

------------------------------
お電話でおっしゃっていた銀の装飾品やインテリアが、法人客の場合は「減価償却資産」として経費と認められることもあるとか。

オーナー中小企業やクリニックなど経営者向けに「減価償却資産」として法人でのご購入も歓迎! お問合せを! としておくなど購入機会、対象者を増やすことも一案です。

まずは日本の税理士さんに詳しいことを相談してみましょう。

------------------------------
個人客だけでなく、日本のアンティーク小売業さんや高級な飲食店や高級ホテル、リゾートホテル、百貨店の外商部などは見込み客になり得ます。プッシュしてDMや電話セールスなども検討の価値ありでしょう。まずは「業者様、バイヤー様お気軽にご相談を!」とバナーを用意してWelcomeな姿勢をアピールしておきましょう。

------------------------------
SNS活用について…
Instagram と親和性が良いと思います。頑張って続けてください!
https://www.instagram.com/the_victorian_tea_room/

インタビューまでは商品投稿ばかりでしたが、ライブ配信のチャレンジを始められています。

その他、ロンドンでのライフスタイル、街並みやティーパーティー、ティータイムシーン、商品以外のアンティークインテリアや蚤の市シーンなど投稿の幅と頻度を高め、貴店の顧客が興味を持ちそうなコンテンツも増やして既存顧客への情報発信と新規集客UPへのフォロワー獲得を目指していきましょう。ショート動画のリール投稿を優先して増やし、新規フォロワー数をUPしていきましょう。ハッシュタグが重要です。面倒でもいろいろなキーワードでハッシュタグをできるだけ多く付けましょう。

------------------------------
具体案、具体策でお悩みの場合はまたお気軽にご相談ください。

以上。「ダメ出し!道場」でした!

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。