食いしん坊太田の食材クイズ! 私の好きなこの食材は何でしょう!?
食感は「シャキシャキやホクホク」。
色黒に見えて実は色白。旬は秋から冬。
和食には欠かせない。
煮て良し、焼いて良し、生で良し、天ぷらも絶品!
すりおろしてハンバーグや肉団子のつなぎにも。
日本では弥生時代の遺跡からも種が発見。
その種を撒いたらなんと発芽したという生命力。
美しい大輪の花を咲かせる花の色は白、ピンク。
大きな葉は雨をはじいて水玉がコロコロ。時にカエルの休憩場所。
穴が開いてるので「見通しが利く」と縁起の良い食材とされ、おせち料理、懐石料理、精進料理にもよく使われます。
そろそろおわかりですかね(^^;)
そう、正解は蓮根(れんこん)です!
ハスネとも読みますが読んで字のごとく池や沼地に咲く蓮の根っこ(正確には地下茎)です。
世界的にはインドから東南アジア〜中国〜日本で広く繁殖しているようですが、常食するのは日本と中国くらいのようですね。
蓮という植物は、蓮華としてインドのヒンズー教や仏教絵画でも神様や仏様と共に描かれていたり、蓮華経といった経典にも名がついていたりと、古来より神聖な植物として扱われていたようです。
存在感のある大きな花は白〜ピンク〜赤と品種や条件によっていろいろな色があるようで、昨今流行ったアニメの主題歌「紅蓮華」は赤い蓮の花のことですね。
現代の日本では地下茎である蓮根部分しか食しませんが、昔は蓮の実や種、茎の部分も食べていたとのこと。今でも食べる国や地域もあるようです。
歴史やウンチクはともかく、レンコンは美味しいですよね〜!
私は大好物で月に何度かは必ずレンコンを使った料理を食べています!
レンコンステーキ(グリル)、きんぴら、煮物、サラダ、炊き込みご飯、天ぷら、レンコン饅頭、つみれ、肉団子、ハンバーグなどなど!
作ったことはないですが、砂糖煮やプリン、ゼリー、チップスなども美味しそうですね!
何年か前にNHKの情報番組で見たのですが、このレンコン、地下で育っていく過程で先にできた節と二番目、三番目と新しくできた節では食感が全然違うのだとか。最初にできた部分を長男、二番目、三番目を次男、三男と名付けていました。
https://bit.ly/44cK2YW
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早く育った長男は糖分、でんぷん質が多く、調理するとホクホク感やねっとり感があり、新しい子ほど、シャキシャキ感が強く、サラダやきんぴらなど食感を楽しめる料理に向いているのだとか。
ただ、大手スーパーなど流通網に出荷される際は大きく太い長男部分が良いとされるため、なかなか三男部分はスーパーではお目にかかれないようです。私はシャキシャキ三男も好きなんですけどねー。
さてさて今回のお店は、日本一のレンコン産地である茨城県で、ご実家がレンコン農家で自らは料理人(飲食店経営)の店主が開発した無添加手づくりれんこんドレッシングをメインに販売するショップさんです。
それでは「ダメ出し!道場」始まりです!
店名が「蓮根工房 れんこん庵」でキャッチコピーが「生産量日本一のレンコンの郷、茨城から健康と美のための食品をお届けします」とあり、有名な情報バラエティのTV番組名や写真があります。
産直やグルメお取り寄せが好きなお客様であれば、「ここは産直ショップで期待が持てそう!」と思われるであろうトップページですが…
いざ、ページを眺め始めると…
商品はすべてSOLD OUT(4/23時点→4/25時点 販売再開)。
品数もドレッシング3点個別と3点のギフトセットのみ。
What's New(最新情報)が2021年8月の雑誌紹介情報が最後で、2年半以上更新もされていない。
「本当に営業しているの?」「このお店大丈夫?」と不安になるような状況…
それを抜きにしても、「食品」を販売するお店として、いわゆるシズル感(美味しそう! 食べたい! 食欲をそそられる!)がまったく無し。
感覚や食欲、心や気持ちをまったく刺激されません。
感覚ではない純粋な情報として見ても…
運営しているれんこん庵とはどこのどんな店? メーカーなのか? 運営者の菊池厚さんとは? プロフィールは? スポーツウェア姿で名前と星座と趣味(スポーツトレーニング)と情熱の料理人の一言だけ。
主力商品である「れんこんドレッシング」はこの人が作ったんだろうな〜くらいはわかるのですが、どんな素材でどんなこだわりやどんな工夫を凝らして作られたのかなど、開発の物語や思いなどはほとんど感じられません。
ただ、知らないおじさんが作ったレンコンのドレッシングというだけでは「買ってみてよ」と言われてもなかなか「ぜひ食べてみたい!」「よし、買ってみよう!」という心理になれるお客様は少ないと思います。
どんなお店なのか? どんな店主なのか? の自己紹介から始まり…
店長さんにとっては、地元茨城で当たり前のように触れて来た蓮根であっても、初見のお客様にとっては、いったいどこでどんな人が育てた蓮根なのか? それをどんな人がどんな思いで作ったドレッシングなのか? どんな味でどんな見た目なのか? どんな料理に合うのか? などなど…
好奇心をそそり、興味を持たせ、美味しそう! 食べてみたい! と短時間(第一印象)で思わせなければせっかく来店(アクセス)して下さったお客様も逃げてしまいます。
「お店や商品をまったく知らないお客様」の目線で今一度お店ページを見てみましょう。
店主の菊池さんにお電話でインタビューさせていただきました。
ショップページのプロフィールにあるように、菊池さんは料理人。
現在は1店舗ですが、コロナ前は茨城県内に数店の飲食店を経営されておられました。
ご実家が蓮根農家で今はお兄さんが家業を継がれ、蓮根栽培・出荷されていらっしゃるとのことで、お店や商品に使う原材料の蓮根は、ご実家からの調達。鮮度、品質の良いものを常に使えることが強み。
通販の主力商品であるれんこんドレッシングは2007年に、お店(飲食店)で出すサラダにと、実家のれんこんを活用しようと開発されました。ヘルシーを意識してノンオイルで、防腐剤、着色料、保存料を一切使用せずに作ったこと、蓮根のドレッシングは珍しいということもあり、メディアの取材や露出もあって、県外の量販店などからも引き合いがあり、当初は売れ行き好調であったそうです。
ドレッシングとして見た時には600円(税込)はやや高価ということもあってか、徐々に引き合いは減り、現在は、自飲食店での直販と県内の農産物販売所などリピーター需要がメインとのことです。
コロナ禍で飲食店経営に大きな逆風が吹き、スタッフが減ったこともあり、ここの所はネットでの積極的な販売を止めていたそうですが、今回、インタビューをきっかけに販売を再開されました。
現在の飲食店は市の経営するホールや研修室、温泉施設などのある福祉施設内の食事処として幅広いメニューで営業されており、席数も100席規模で厨房も広く、今後の商品開発にポテンシャルがありそうです。
とにもかくにも、お店、店主(開発者)、生産者についての自己紹介が少な過ぎます。2007年から17年間もおちゃのこ出店しながら、「ネットで情報発信」が充分になされていないのは本当にもったいないです。
おちゃのこ店もですが、SNSも、X は2011年 以来更新なし、Facebook はアカウントがなくなっていたり…
まったくと言って良いほど情報発信なし。飲食店の情報もネット上には皆無。
もったいないです。
SNSをあれこれいろいろやるのは大変なのであれば、せめて、Instagram アカウントを作り一点集中で飲食店のメニュー紹介、地元の情報発信、旬の食材紹介、実家の蓮根育成状況(蓮田の様子、花や景色や育成や収穫の模様)、蓮根料理の紹介、農家ならではのレシピ、試作料理やデザートなど紹介、店主の身の回りのニュースなどを日々、少しずつ発信していきましょう。
撮影はお手持ちのスマホで充分です。写真だけでなく短い動画もどんどん投稿していきましょう。
#れんこん庵 (ハッシュタグ れんこん庵)を忘れずに!
プロフィール欄には おちゃのこショップのURLも載せて!
飲食店の方で許されるなら、Instagram のアカウント紹介したポップやショップカード、チラシ、ポスターなどを掲載したりお渡しして、少しずつでもリアルのお客様にSNSも知っていただきましょう。
おちゃのこショップの 店長日記やWhat's newでも、蓮田や蓮の花の写真など季節感のある情報を随時掲載して、最低限お店が生きていることをアピールしていきましょう。
まずはこの辺からスタートです。
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ドレッシング(調味料)は料理に使ってこそ。
サラダなり、お肉料理や魚料理、揚げ物など実際の料理を作って、そこにかけたり和えたりしている写真をイメージカットでたくさん掲載して、利用例、応用例を伝え、お客様の「それやってみたい!」「それ食べてみたい!」を刺激しましょう。
「ドレッシング」=サラダ という固定概念を持っている消費者も多いです。いろいろ使えますよ! を具体的に示してイメージさせましょう!
まず、れんこん庵の強みは、
・実家が蓮根農家で鮮度・品質の良い蓮根の調達が低コストでかつ部位や量など融通が利くこと。
・自らが料理人である店主が商品やレシピの開発ができること。
・試作、製造が広い厨房で日常業務の傍らに可能であること。
・小ロット・オンデマンドで製造可能であること。
・原材料食材調達が飲食店と種類・量など共有できること。
・試食・モニター客は毎日目の前にたくさん来店してくれること。
こうした強みを生かして戦略を考えると、やはり新商品開発に期待したいところです。冒頭コラム部分で述べたように、レンコンの部位ごとの食感の違いを活かしたメニューやレシピ。
ご実家では農協への出荷はホクホク、ねっとりの長男〜次男部分がメインとのことですので、シャキシャキ三男部分の販売や、こうした食感の違いを活かした水煮パック、ザクザクサラダパック、荒濾しドレッシング、フルーツコンポートみたいなレンコンコンポート、レンコンゼリーやレンコンジェラートなどスイーツ類など食物繊維豊富で腸内環境(お通じ)にも良さそうなレンコン加工食品は、潜在ニーズもありそうですし、まだまだ考えられると思います。
(既に、茨城県の土産物、物産品として商品化されている物もあるかと思いますので高速道路のサービスエリア売店、道の駅売店、地元百貨店、土産物店などなど一通り市場調査してみてください)
冒頭コラムで触れたような、茎や、花、種、果実を使ったような古(いにしえ)のレシピ、加工品などもチャレンジすれば、商品化までいかずとも、「作ってみた」とSNS発信するだけでも話題作りになりますし、メディアで取材、紹介などのきっかけにもなり得ます。
また、新規商品開発には急速冷凍設備や、真空パック設備など多少の設備投資も必要かもしれませんので、この辺りは国や自治体の助成金制度を調べたり、市役所の商工部や商工会などへの相談、また生産者であるお兄さんともご相談になって共に収益拡大の可能性を探ってみても良いでしょう。
具体案、具体策でお悩みの場合はまたお気軽にご相談ください。
以上。「ダメ出し!道場」でした!
サイトでの販売があまり無いので、ほぼ案内だけのサイトになってしまっています。