ちょっと季節はずれですが、皆さんも「波乗り」「サーフィン」はご存知ですよね。私の勉強不足というか世間知らずだったのかもしれませんが、今回のお店は「スキムボード」という、波乗りの一種の専門店さん。厳密にはサーフィンとは違うスポーツのようです。
山間部育ちの私は、残念ながら若い頃からマリンスポーツにはトンと縁がなく、「スキムボード」のなんたるかはさっぱりわからなかったのですが…いわゆるサーフィンのように、板に乗って波の上を滑るんだな!? ということしかわからない状態では、十分にダメ出しできそうにないぞ! と焦って、Yahooでググって!? Googleでヤフって!?(笑) 必死に「スキムボード」や「ボードに乗る系」のスポーツの基本情報を調べました。といってもせいぜい1〜2時間ですが(^^;)
サーフィン、ウィンドサーフィン、ボディーボード、ウェイクボード、スキムボード、カイトボード、パドルサーフィンなどなど…。水の上でボードに乗る系のスポーツだけでもこんなにたくさんあるようです。その他スノボにスケボのように雪の上や路上で車輪付きのものまで含めると、「ボード」に乗るスポーツにはかなりの種類があるようです。
素人ゆえ、迂闊なことは言えませんので、それぞれに興味がある人は、Yahooでググって、Googleでヤフってお調べ下さい。(笑)
では、今回の「スキムボード」に特化した専門店さんの「ダメ出し!道場」始まり始まり〜!
冒頭でも述べましたが、まずは私同様にご存知ない方のために、「スキムボード」について簡単に説明しておきますね。
「スキムボード」はいわゆる水の上でボードに乗るスポーツの中でも全長が130cm程度の、比較的短くてフィン(波切板)がない板を用いて、波打ち際の浅い水(スキムと呼ぶらしい)の上を、ボードを抱えて走りながらボードを水面に投げ滑らせ、その上に飛び乗って打ち寄せる波に乗ったり、ターンをしたり、ジャンプしたりしながら楽しむスポーツらしいです。
うーん、言葉では完全に伝え切れてる自信がないので…「百聞は一見に如かず!」で、まずはショップ内の動画をご覧ください。
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http://www.youtube.com/v/tXmLgvtZ5Mg
簡単そうにやっていますが…冷静によーく見ると…打ち寄せる波のタイミングを見極め、ボードを抱えて短距離ダッシュ! ボードを水面に投げ滑らせ、瞬時にその上に飛び乗ってバランスを取り、波に向かってターンを決める。
うーん、かなりの運動神経と身体能力が必要そうですね!
20代の頃ならまだしも…40代後半の持病を抱えたおっさんには、とてもできそうにありません(苦笑) でも、できたらとても楽しそうっ!
今は、走ってボードを投げたと同時にスッテンコロリンしそうです。30年前、いやせめて20年前に知りたかった!(苦笑)
まあ、どんくさい私はさておき、若くて元気な方はぜひチャレンジなさってみてください! 競技会などもあるようですが、まずはボードと海があれば始められるので、野球やゴルフなどよりは、道具やコストの面で気軽に始められそうなスポーツですね。(^-^)
しかしながら…(さて本題!)ひとたびショップを見てみると…商品ページに入ったとたんに…デッキパッド、レアフットをグリップ? トランクションワックス? ボトムワックス? テーパードレール? ボキシーレール? フルカーボンコンポジット? メイクの成功率? ラディカルなキレ?
はてさて、もう、専門用語のオンパレードで、初心者や未経験者にはチンプンカンプンです! どのくらいのレベルの方からこれらの意味がわかるようになるものなのでしょうか…?
実店舗であれば、店員さんにアイコンタクトして、初心者オーラ全開で満面の笑みで近づいて行けば、半分くらいの確率では「ご説明しましょうか?」と言ってもらえるかも知れないのですが(笑)
あとの半分は、「ド素人が来るんじゃねぇよ!」的ムードで、常連さんやスタッフ同士でマニアックな会話をされていようものなら、とても初心者丸出しのアホ質問などできるわけもなく…こそっと話を盗み聞きして店のレベルを推し量り、店内を見回して、初心者向け展示やPOPを探して、それらがなければ、あぁ場違いな店に来てしまったなぁ…と自覚して帰るパターン!?(苦笑)
ジョーンズインタースポーツさんが、このおちゃのこショップでどんなレベルのお客様をターゲットにしたいのかはわからないのですが…現状は、かなり後者の「素人お断り」的なお店に見えてしまいます。
具体的には…「スキムボードとは?」「○○の選び方」などのコンテンツが皆無ですし、「初心者向け」「ビギナー」といったキーワードもほとんど見当たりません。
貴店が、あくまで中級〜上級者のみをターゲットにして、それだけで十分に収益もあるので、接客効率の悪い初心者は不要! という明確な戦略であれば良いのですが…
私の経験上の推測からは、ビギナーを排除して十分な売り上げが上がるほどの市場は、まだないのではないでしょうか? 間違っていたらすみません!
私も冒頭で述べましたように、スキムボードについてわからないままに貴店サイトを見ましたが、説明がなく…結局は検索して、wikipediaや初心者向けに丁寧な解説ページを用意している他のお店で、スキムボードの基本知識を学びました。そのお店の書いていることが(正しいかどうかは不明ですが)私の標準になりましたし、そのお店にも好感度や親近感を持ってしまいました。
聞きにくい、質問しにくそうなハードルの高い店と、初心者向けのコンテンツも用意されており、初歩的な質問でも気楽に聞けて優しく答えてくれそうなお店では、初心者はどちらに付くかは容易に想像できますね。
私が初心者の客ならば、その時点で貴店に戻ってくる確率は低く、初心者向けのコンテンツのある店にあれこれ質問をして、勧められるものを最有力候補として検討するでしょう。
少し、話は横道にそれるのですが…かつて、私がいたパソコン業界でも(最近の事は不明ですが)、学校向けの機器やソフト導入には、べらぼうなダンピングをしてでも納入を勝ち取る! といった、一見非常識な営業合戦が行われていました。
MicorsoftやAdobeなど大手のソフトウェアのメーカーは、今でもアカデミーパックという学生や先生向けのディスカウント版を設定しています(定価の70〜90%Offなんて価格で買えてしまうものも多くあります!)。
これには社会貢献的な意味合いもあるのですが、実のところは「初心者の囲い込み戦略」なのです。できるだけ未熟な若い学生のうちに、パソコンやソフトウェアに慣れさせておけば、将来もずっとそのメーカーの製品に親しみやすくなるということですね。
なぜなら、人は最初に使う道具のメーカーや使い勝手を自分の標準・基準にしてしまうからです。どちらがいいか悪いかよりも、それで覚えたからそれが標準になるのです。
もっともっと、話は横道にそれるのですが…(^^;) 私が初めてゴルフをした際に叔父から貰ったのがS社のクラブだったのですが、その後何度か買い換える際に、他社の物に変えようかなとも思いましたが、結局は慣れ親しんだS社のクラブを選んでいます。
今となってみれば、それほど人気のあるメーカーではないのですが、最初にゴルフの手ほどきを受けた叔父から教えてもらったブランドの影響力は、25年も経った今でも続いているというわけです。
また、現実には、最初に手ほどきしてくれた人だけでなく、最初に買ったお店がその人の師匠やアドバイザーになるということもよくあります。釣り、ゴルフ、スキー、スノボなどもそんなパターンが多いのではないでしょうか。
ビジネス抜きでとことん面倒を見てくれる友人や先輩が身近に居ればいいのですが、大抵は教えるのが面倒な友人、先輩も、「あの店が親切に教えてくれるよ!」などとお店に振ってくることも多いでしょう。
しかしお店にとっては、ベテランユーザーがそんな風に初心者を紹介してくれる店になれば強いですね! 彼らがお店の無給の営業マンになってくれるからです!
だいぶ横道にそれまくりましたが…軌道修正! 何を申し上げたいかというと…初心者を上手に取り込んで、マインドシェア(心のシェア)をゲットできるお店は強い! ということです。
目先の売り上げだけでなく、その人とその友人、後輩が将来に渡って落としてくれる売り上げを考えれば、多少の手間やコストをかけても、初心者の取り込みはぜひ行っておくべきでしょう!
上級者やハイクラスな客層だけに特化して経営の効率化を図るような商売もあり得るのですが…一般的には、かなり熟成された巨大市場がすでにできあがっているような業種でのみ成り立ちます。
例)ゴルフ上級者専門店、高級寿司店、高級輸入車専門店など…
市場規模の小さい、まだマニアックな業種では初心者からベテランまでを広く取り込むのが一般的でしょう。
さて、では初心者を取り込む上でのポイントは、どんなことでしょうか?
初心者を相手にするメリットの一つは…対象者が多くなる=市場が大きい、囲い込みやすいなどですが…厄介なデメリットは…イロハのイから丁寧に説明して教えてあげないといけませんので、接客に手間がかかる! ということです。実店舗なら特に、新しいお客様を接客するたびに、毎回毎回、同じ説明を行わなければなりません。
でも、そんなことにこそ、ネットショップのメリットを生かしましょう! お決まりのパターン化できる説明事項は、初心者向けにわかりやすいコンテンツを用意して、そのページをいつも見ていただけるようにすれば、お客様が一定の基礎知識を持った上で商談に入れますね。
FAQ(Frequently Asked Questions)=よくある質問 コーナーを用意するも良しですが…「え? でもそんなページを用意したら、ライバル店に簡単にコピペで盗まれちゃうよ!」と不安に思われるお店もあるでしょう。
そんな場合は、そのページをメニューに載せず、お問い合わせがあってから、返信メールでURLを教えてあげる、メールで説明を送るなどである程度防ぐこともできますね。
また、意図的にお客様にワンクッションの質問メールをさせることで、冷やかしの客は排除し、ある程度本気度の高いお客様を見極め対応するというような方法も可能です。ここら辺はお店の体制、キャパ、方針によってアレンジしてください。
またそれでも、初心者のお客様にとっては、自分の判断だけで、一つずつボードを選んで→滑り止めのパッドを選んで→ワックスを選んで→ウェアやバッグを選んで…とは難しくてできないですし、かと言ってスタッフが一つずつお客様の買い物にお付き合いしてたのでは、時間がいくらあっても足りませんね。
そこで…初心者なら、かならずこの数種類を買い揃えるというパターンがあるのであれば、お店のチョイスで数パターンのオススメセットを組んで、自分で選び切れない、決め切れない人はそのコーナーから選んでもらうのも一案です(ビギナーオススメセットA,B,C… のように)。
また、もう少しお客様の選択の幅を広げるなら、セミオーダー形式のセット販売も有効ですね。具体的には…ボードはこちらの10点から1つ。パッドはこの7種類から1つ。バッグはこの12点から1つ…のように一定の幅から一つずつのアイテムを選んで行けば、最終的に自分のセットが組み上がるというチョイスです。
ファミレスなどでよく見かける、「前菜1品+メインおかず2品+汁物1品+ご飯1品で840円」のような感じですね(笑) 多少のグレードの違う商品が含まれる場合も、「ご飯をかやくご飯に変更の場合は100円UP」「大盛なら50円UP」のように、種類によって多少の価格の増減も可能ですね。
スポーツや趣味の世界であれば、単品では売れにくい HowTo DVD をセットに組み込んで、お買い得感も出しながら総額客単価を上げるのも常套手段です。(^-^)
通販でよく見かける、「釣り具+HowToビデオセット」「そば打ち道具+HowToビデオセット」などと同様の発想ですね! これはいろいろなジャンルで応用が利くと思いますので、ぜひご参考に!
最後に、毎回いろいろなお店で触れている商品の見せ方について…シンプルにボードを立てて、見せている写真ばかりなのですが、通販の定石から言えば「とても未熟です」と言わざるを得ません。ただ商品を正面からだけ見せているのでは、メーカーのカタログ一覧の域を出ておらず、とても「売り場」にはなっていません。
これは、貴店全体に言えることですが、まだまだ商品の説明をしているだけで、貴店でボードやグッズ、ウェアを買った後の体験や感動をイメージさせるにはまったく至っていません。
オンラインショップもお店なのです。単なる品番一覧のカタログではなく、あくまで「売り場」なのです。使用感を伝え、単なる「欲しい」だけでなく、これを使っている自分を想像させなければならないのです!
具体的には…もっともっと実際の使用感や、使っているイメージを想像できるような写真やコメントが必要ですね!
そこで…ご提案。
貴社の本サイトを拝見したら何名かの契約プロボーダーの方がいらっしゃるようですが、彼ら、彼女達には商品販売には協力していただけないのでしょうか?
http://www.johns-intersports.com/rider/index.html
↑↑↑↑↑こんなイメージカットを挿入したり
実際に使用されているボードやパッドの貼り方やデコレーションを見せたりすることで、欲しい買いたい! だけでなく、物欲を超えた、自分もあんな風にしたい! カッコ良く見せたい! という衝動(エモーション)が起こってくるのです。
http://www.johns-intersports.com/rider/koike.html
http://www.johns-intersports.com/rider/okada.html
初心者の方へ、お客様へ、プロの視点からオススメコメントやアドバイスをもらえれば、より良くなるでしょう!
とにかく便利に安く実用品、消耗品を大量販売! のお店ではなく、スポーツのお店は道具を売るだけでなく、ノウハウや知識、情報、そして体験のイマジネーションも売るお店にならなければなりません。
商品情報という骨格に、提案や体験という肉付けやお化粧を施して、本当の意味のプロショップになって頂きたく思います。そのための基本情報もスキルも既にお持ちの店舗・会社さんですが、運用ができていないのが残念なので、あえて辛口の40点! でもすぐに良くできるお店だと思います!(^-^)
また、メーカー(商品が作れる)店なので、お客様をうまく取り込めばもっともっと伸ばせると思います! 商品が作れるのは強いのです!
よろしくお願いいたします。