さて、今回のお店はなんと3回目の登場というアパレルのお店!
1回目が2014年、2回目が2016年で、おちゃのこ出店は2006年から16年目という、おちゃのこショップの中でもかなりの老舗ですね。
1回目、2回目の頃はまだ電話インタビューはしていなかったので、今回初めてお電話でお話を聞いた上でのダメ出し道場となります。
さて今回はどんなお悩みでしょうか。
それでは「ダメ出し!道場」始まりです!
初見の目線で拝見してみても、トップページの印象は洗練されていて、白ベースでフォントのセンスも良く、レイアウトやメニュー構成なども整然と見やすく、探しやすく、良いと思います。
1回目の登場の頃から、ページのデザインクオリティは高く、ページデザイン面ではダメ出しする所がほとんどなかったと記憶しています。
初回、二回目にダメ出しさせていただいたのは、具体的な商品(特に服以外のバッグなど)の初見での大きさの印象や、ポケットや内部などの細かな部分、見せ方などだったと思いますが、その辺もかなり改善されているように思います。
が、ところどころ、「あれ? なんかクオリティが急に雑に…」という部分があるのがちょっとひっかかりました。
例えば… PCサイトでの 上部メニュー のうち
CONCEPT コンセプト
https://www.aud-inc.com/page/213
COLLECTION コレクション
https://www.aud-inc.com/page/246
ABOUT 会社概要
https://www.aud-inc.com/page/31
WHOLESALE 新規お取り扱い
https://www.aud-inc.com/page/12
は、なぜかテキストベースでPCで見ると幅が狭く、左に寄ってレイアウトが崩れています。「スマホを意識して?」とも思ったのですが、スマホサイト(https://www.aud-inc.com/phone/)の方はちゃんと専用ページが用意されています。
↓↓↓↓↓
CONCEPT コンセプト
https://www.aud-inc.com/phone/page/255
ABOUT 会社概要
https://www.aud-inc.com/phone/page/257
WHOLESALE 新規お取り扱い
https://www.aud-inc.com/phone/page/256
並みのお店なら十分なのですが、レベルの高いAudienceさんのサイトだとちょっとしたことが落差や手抜きに見えてしまうので、できれば修正しておきたいところですね。
この辺りは、前任担当者の退職に原因がありそう!?
いつものようにお電話で、オンラインショップ責任者で会社の営業部長の立場にある仁科さんにインタビューさせていただきました。
仁科さんはオンラインショップ専任というわけではなく、Audienceさんの卸売り(BtoB)の営業も統括する営業の責任者とのことです。
以前はオンラインショップにはWebに習熟した専任の担当者がいらっしゃったのですが退職されて、現在は専任者はいないが、商品撮影や画像加工、商品登録、受注対応などの日常業務はスタッフ何名かで分担・協力して運営できるので、大きな支障はないとのことです。
ただ、Webデザイン制作面では技術的に精通したスタッフがいなくなったので、メンテナンス上、できていないことや、手が回らなくなった点がいくつかありそうです。
Audience さんは前述のとおり、個人への販売のための当おちゃのこオンラインショップとしてだけではなく、全国の洋服屋さんへの卸売りもなさっており、当サイトはそれらBtoB先へのオンラインカタログ的な意味合いもあるようですが…
BtoB の営業は既に引き合いも多く順調なので、あえてそこはあまり前面にアピールせずに、おちゃのこショップはあくまで個人向けに販売を伸ばしたいそうです。
全国の卸先の小売店さんにおいては、コロナ禍において、逆にSNSなどの活用で販売を伸ばしておられるところもあったりするとのことで、Audienceさんでもその辺の勝ちパターンを模索中のようです。
それでは具体的に気付いた点、ダメ出し!させていただきます。
例えば…
トップページ最下部を見ると…Audienceさんで運営されている各種SNS が…
Facebook、Instagram、twitter、tumblr、Google+、Pinterest、WEAR、Sumally、exite blog、Ameblo、LINE@、Styler と、なんと12種類もあるのですが…
Google+のように既にサービス自体終了していたり、Stylerのようにリンク先がなかったりするものがあったり、残ってはいるが最終更新が2016年とか2019年とか数年も放置されているものがあったり。
前回の「ダメ出し!道場」では「13種類あったSNSをちゃんと更新していてスゴイ! スマホ時代のSNSによる無償情報発信のお手本だと思います!」と賞賛させていただいたのですが…
担当者さん退職の影響か、現在は手が回っていないSNSも出てきているようです。Audienceさんの商品はシーズンごとに目まぐるしく入れ替わるようなものではなく、ある程度商品ライフサイクルの長いものが多いようですが、とはいえ、流行にも関わるファッション業界のサイトですので、あまりに年単位で古い情報が更新されていなかったり、リンク切れになって放置されているのは、ブランドイメージとしてよろしくありません。
さしあたり、リンク先の情報がなくなったものだけでも削除して、更新できていないものはどうするか検討しましょう。
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トップページ 新入荷など最近の商品でいくつか気になった点
・ビッグワッフル 3XL ラグラン ニットカーディガン
https://www.aud-inc.com/product/4471
真後ろの姿がない、裏の縫製など見えない
・610gウールメルトン サーモライト中綿
オーバーサイズ ステンカラーコート
https://www.aud-inc.com/product/4204
コートの裏地やボタンの近影など気になるが写真がなく、確認できない。
・【Lanificio Becagli(ベッカリー)】トスカーナボア
LEVEL7 ジャケット
ファスナー金具、ポケットの深さなど、気になっても確認できない
https://www.aud-inc.com/product/4348
モデルさんを使ってイメージの良い写真や色違いの確認などには十分なレベルなのですが、やはり現物を見られない「通販」において、商品写真は「手に取って確認する」のと同等以上の質や数が必要です。スタッフさん達も商品撮影に慣れて来て、流れ作業的に「こんなもんでいいだろう、わかるだろう、さっさと終わらせたい」という心理が働いて、知らず知らず手抜きになってしまいがち。
「どこまで見たいだろう?」
「触れなくても質感、肌触りまで伝わるかな?」
「見えてないところないかな?」
もう一度、初心に戻り、画面の向こうのお客様の立場・視線になって、商品撮影に臨んでもらってください。
不安や、懸念があるままでは カートに入れにくいですし、入れてくれたとしても、お届け後イメージ違いで返品になるリスクも高いと思います。
実店舗に来る最も神経質で細かい部分までチェック・吟味してから買うようなタイプのお客様を想定して、「そういう方はどこまで触って、ひっくり返して裏地、襟元、袖口、裏地、ボタンやバッグ類のポケット内部、金具などのパーツ、縫製など確認すれば納得されるだろうか?」
見せられるだけ見せる写真を撮影・用意するよう心がけるようスタッフ教育を徹底しましょう。(アパレル通販スタッフの基礎)
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気になる服の小ジワ…
個人的には私はおおざっぱなのですが…
オンラインショップにおける商品撮影で 衣服・布モノの場合はたたみシワ が生じてしまいます。現物を目の前にしてもさほど気にならないのですが、着用して写真に撮ると意外と目立ってシワによる影など気になってしまいますし、全体としての印象がほんの少しでもマイナスに(見ている人も気づかなくてもなんとなく潜在的にマイナスに)感じてしまうものです。
できれば撮影時に「ハンディースチーマー」など衣類のシワ取り機を用意して(わずか数千円程度)、できるだけしなやかできれいな状態で撮影するようにしましょう。
とても細かいようですが「見た目の印象」が重要な洋服販売においては気を付けたいポイントだと思います。
担当者さんの退職の影響か、多忙の影響か…
一度は良くなった商品ページの詳細写真や説明が少し雑になったり、レベルダウンしているかもしれません。複数の担当者で手分けしたり交代で撮影を行ったりするには、漏れたりミスしたりしないチェックリストを用意するなどマニュアル化して、ノウハウ共有や新人スタッフさんへの教育なども重要です。
各種SNSを手広く使って、情報発信→認知・集客に という基本戦略は良いと思いますが、運用しきれないようであれば、いったん削除すべきはして、効果の高いものを残してこれを機会に整理してみるのが良いでしょう。
スキル的に社内でメンテナンスできない部分が多いようでしたら、外注やアウトソース、人材派遣などWeb制作のプロに委託するなどタイムリーにサイトをいじれる手段の確保はしていきましょう。
最近はこの手のサービスも増えていますし、都内近郊なら対面で相談もできる人材にこと欠かないと思います。
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SNS 活用 次の一手
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業界紙、繊研新聞オンライン版にこんな記事を見つけました
《視点》服を買う動機
https://senken.co.jp/posts/view-210316
要は、SNS(Instagram)においてインフルエンサーによるライブ配信で、1週間で服が1000枚売れたと…
インフルエンサーとそのファンコミュニティーは強い。
記事はここまでですが…
私の見解を加えるならば…
単にSNSで自社発信で商品宣伝するだけでは、もはやSNS活用とはいえない時代。
「新商品アップしました!」
だけ投稿しても、せいぜい数十件の「いいね」がつくのが関の山。
リツイートなど拡散してバズってくれれば御の字ですが、なかなかそんなネタは生み出せないのが現実です。
SNSのパワーは、自社発信よりも、顧客発信だったりインフルエンサーによる拡散だったりがあって初めて収益につながる程の効果が表れるものです。
なかなか費用もかけずに意図してバズリを作り出すのは困難ですが、それでも、それを促すことくらいは無償でできます。
例えば…
実店舗に「店内商品撮影+SNS投稿大歓迎!」
「SNS投稿キャンペーン実施中」「投稿者から抽選で毎月●が当たる!」
など POPやポスターを貼って来店客にどんどんSNS投稿させる。
その際、誰でもわかりやすいオンリーワンのハッシュタグを用意して、必ずそれを付けて投稿させる。
例)#高円寺AUD など他者が絶対使わない、英語のスペルが苦手な方でも間違えないハッシュタグ
そのハッシュタグで投稿者を毎月抽選する。などなど…
映える撮影スペースや機材など用意できれば、なお効果的ですね。
また、SNSプロフィールやショップサイトに、
「インフルエンサーさん&スタイリストさん洋服貸し出します! DMにてお気軽にご連絡下さい!」などと明記して促す。
連絡が来たら相手のフォロワー数や影響力を吟味した上で、貸す、安く売る、無償提供、断るなどを判断すれば良いと思います。
いずれにしてもSNSのユーザーたちの力を借りて認知や拡散を促すことは、費用を抑えてできることですので検討してみてください。
もし、広告宣伝費などに余裕があるのであれば、YoutuberやInstagramerなどプロのインフルエンサーを使ってみるのも有りかもしれませんが、結構お高い(数十万〜数百万円)ようです。
いずれにせよ、ひと昔前にファッション雑誌の記事広告や読モ(読者モデル)モニターなどが今ではすっかりSNS上に移って来たようです。
いつの時代もファッションにおけるアイコン、インフルエンサーの影響は侮れないようですね。
時代の変化に対応した新しいチャレンジ、ぜひ頑張ってみてください。ブレスト、アイデア、戦略立案など悩まれた際はお気軽にご相談ください。
以上、「ダメ出し!道場」でした。
3回目のダメ出し道場への投稿にて、恐縮ですが、改めて診断していただけると助かります。
以前ご指摘いただいたバッグや小物などの商品画像は、ご指摘いただいた点を考慮し、リニューアルしましたところ、以前と比べて、お客様から大分見ていただけるようになった印象は実感しております。
ただし、以前の担当者が退職し、現在の形になってから月日が大分経っており、購入率も向上しているとはいえ、ユーザー様の視点から何が欠けているかが把握しきれていないとも思っております。
また、SNSからの流動線が今の物販には大切だと認識しておりますが、サイトの構築上で何か大切な視点などもあれば、ご教示いただけると助かります。
どんな内容でも構いません、ご指摘の方、どうぞ宜しくお願い致します。
1回目の「ダメ出し!道場」2014/08/28号
https://www.ocnk.net/advice/index.php?id=72
2回目の「ダメ出し!道場」2016/02/10号
https://www.ocnk.net/advice/index.php?id=98