洗車用品専門店 アクアウイング

カテゴリ:自動車、オートバイ

洗車用品専門店 アクアウイング

直営サイト(おちゃのこ)は、楽天市場店やAmazon店よりも売り上げが低く悩んでおります。ここ最近のリニューアルで、直営サイト(おちゃのこ)における弊社のネット通販全体(楽天、Amazon、Yahoo!、直営)の売上比率を、以前の5%から約20%まで上げることができましたが、さらに50%程度まで引き上げたく日々悩んでいます。
楽天・Yahoo!・Amazonから撤退する予定はありませんが、直営サイトの売上比率を上げて、通販の利益率を上げたい。現在は直営サイトの特典として他モール(楽天・Yahoo!・Amazon)の価格より3%OFFでやっています。
カートシステムのリニューアルや、管理システム全体も日々アップデートされ、とても使いやすく気に入っています。[HTML5テンプレート]レスポンシブデザインの登場・PCとスマホのページが共通になってからは、更新を頻繁に行うようになりました(以前は面倒なのもあって、他のモールと比べると更新作業が億劫でした)。

全国的にテレワークやステイホームで通勤時間や移動時間が減った分、一人で過ごす時間や一人での楽しみにお金や時間を費やす、いわゆる「withコロナ的ライフスタイル」を送る人々が増えました。

それにより、断捨離やお掃除、料理や家事だったり、DIYや趣味にもおのずと意識が向けられ、それらに関連する業種のネットショップは賑わっているようです。

私も、この一年を振り返れば…旅行や外食、観劇やコンサートなど外出して使っていただろうお金はほとんど使わなくなっていますが…

その分、調理器具や家電、ペットのおもちゃや新しいフード、収納用の棚やベンチなどのDIYをしたり、そのための資材や工具などを買ったりしています。

車を持っている方は他の人と密にならずに移動出来るので、車に乗る時間も増え、車の整備やメンテナンスなど車への意識も増しているのかネットショップでのカー用品の購入機会も増えているようです。

私も車でのスマホやタブレットの充電器、室内補助照明器具やフロントガラスのコーティング剤などのカーケア品を買いました。

さて本日のお店は、静岡県にあるカー用品、特に洗車やクルマの各部位の掃除・クリーニング・コーティングなどに特化した品々を扱う専門店さんです。

私は窓ガラスのコーティング以外は、たまーに洗車機にかけて洗う程度なので、こんなにも専門的な洗車用品店があることに驚きながら拝見しました!

ダメ出し道場、始まりです!

第一印象:プロ向け?個人で買える人は相当限られるのでは?…


EC仙人 太田

まずは、私の車運転歴(所有歴)は37年間、トータルではもう12〜13台位の車を乗り継いできたでしょうか。
若い頃は週末ごとにせっせと洗車したり、ワックスがけしたり、ガラスコートしたり、オイル交換やワイパーブレード交換ぐらいは自分でやる程度にはまぁまぁのカーユーザーだったと思います。

そんな私でも、トップページを見ても半分くらいの写真は何に使うのかわからない商品ですし、左メニューのカテゴリーを見ても分類が細かく、それぞれをどんな時にどんな順番で使えば良いかなどは正直ピンと来ませんでした。

左メニューの商品カテゴリーの下には「目的から探す」というメニューがあるのですが、ほとんどは商品に誘導しているだけで解説はありません。

ざっとトップページを見渡しても、初心者や素人にわかりやすく車の部位ごとのクリーニングを解説するようなコンテンツの総合メニュー的なモノは見当たらず。

ここはプロの業者さん向けか、商品を既に使ったことがあるか、よく知っている方だけを対象にしたお店なのかな?

というのが率直な印象でした。

少なくとも初めてカーオーナーになった方や、今までは洗車やクリーニングは業者任せ、人任せだったような洗車の素人、初心者の方は、どこから? 何から? 始めればよいのかよくわからない。

うーん、買う側のレベルを求められるお店だなぁという印象です。

他業種に例えるなら、業務用厨房機器のお店だったり、プロ用の建築資材や工具専門店のような感じでしょうか。初心者、素人にはハードル、敷居の高い店。

インタビューで浮き彫りになったこと


EC仙人 太田

いつものようにお電話でインタビューさせていただきました。

オーナー店長の山下さんは現在45歳のバリバリの働き盛り。

創業までは飲食業など車とは全く違ったお仕事をされていたそうですが、車好きだったこともあり、1999年24歳の時に洗車カーケアの事業でアクアウイングを創業され、2002年には業界に先駆けて洗車専門のECサイトを立ち上げられたそうです。

事業内容はネットショップだけでなく、各種コーティング施工・塗膜研磨・ガラス研磨・車内クリーニングなどのカーディテイリングサービス全般と、それらに関わる商品の企画・輸入・販売とサービス事業とメーカー商社的な事業も行っておられます。

驚いたのは、山下さんは商品開発や資材や機材、原材料の仕入れからホームページの制作、更新、撮影、受注業務から梱包出荷まで、たった一人ですべてをこなすスーパー店長さんでした!

申し込み文にもありましたが、ネットは伸びて来たとはいえ、まだまだ20%程度、実店舗の方はカーケア(ボディやガラスのコーティング、クリーニングなど)のサービスも行っておられるのでかなりお忙しく、ネットショップに向き合う時間を十分に取るのは難しいと思うのですが…

現在、なんと

おちゃのこショップ、自社サイト、楽天店、Yahoo店、Amazon店の5サイト運営に加え、SNS は Youtube、twitter、Facebook、Instagram まで手掛けておられますが…
さすがに Youtube以外のSNSは手が付けられない状況だとか。

うーん、これは私の目から見ても3〜4人でも結構大変なボリュームだと思います。若くて元気なうちは良いですが、無理が続けば心身に負担も溜まります。ちょっとこれから先の事を考えて行く時期かもしれませんね。

プロ用のレベルの高い商品ですが、どんな客層がどんなところから来店してくるのかを伺ってみたところ、

日本最大級のクルマSNSといわれ、車そのものだけでなくカー用品のレビューなども満載の 「みんカラ」 というサイトでの口コミなどをきっかけにアクセスして来られるお客様が多いようです。
「みんカラ」 https://minkara.carview.co.jp/

なるほど、納得です。私も車のちょっとした修理や保守などの際に検索すると、頻繁に「みんカラ」のユーザーレビューにたどり着き、参考にさせてもらっています。

大手カー用品店などでは扱ってないけれど、実は隠れた優良商品!
なんてものもよく見つけますので、カー用品業界においては影響力のとても大きいサイトですね。特にスマホ普及で簡単に投稿できて、また簡単にネットショッピング出来る時代になってきたので、なおさら「みんカラ」の影響力は大きくなっているのかもしれませんね。

アクアウイングさんでは現在、汚れ落としの洗剤やクリーナー、コーティング剤などのケミカル品だけでなく、イタリア製のRUPESというポリッシャー専門の電動工具とそのアクセサリーや消耗品類にも力を入れておられるとのことです。

まだまだやりたいことが山のようにある志の高い、今風に言えば「意識高い系!」の社長さんでした!

具体的なダメ出し…


EC仙人 太田

細かい事はさておき、アクアウイングさんの場合はまずはこれだけ!

カーケア・カークリーニングの総合メニュー・ナビになるような解説ページが欲しいです。

具体的なイメージとしては…車のボディのイラストに各部位ごとに
(1)→フロントガラス、(2)→ボンネット、(3)ホイール、(4)→タイヤ
のように番号が付いていて、それぞれをクリックすると別ページに飛んで、そこでまずは部位ごとの掃除やケア方法・手順を写真や動画で解説し、それに使う工具やケミカル類を一覧で掲載し各商品ページにリンクする。

そのようなガイダンス、ナビがあるとショップ全体の印象がグッとわかりやすく買い周りしやすくなると思います。

個々の商品についてももう少し、初見のお客様の目線になって、ちゃんとメーカーや商品のプロフィールを紹介したり、できるだけ写真と動画で具体的に使い方を解説していくことで「それ欲しい!私もやってみたい!」が喚起されると思います。

例えば、力を入れておられる RUPESのポリッシャー工具類
https://www.aquawing.net/product-list/48

セットも含めて8種類、工具だけでも4〜5種類あると思うのですが、それぞれどんな時に選べばいいのか? 比較表もなければ、それ以前にそもそも RUPES ってメーカーについての説明もない。

輸入品とはあるので海外品だということはわかっても、イタリア製、それもイタリアのトップメーカーだという説明すらありません(苦笑)。

その他商品説明文も、例えば「オービット径」とはなんぞや?
「シングルアクション」「ダブルアクション」とは?
プロ向け、上級者向けだとしても、あまりに不親切で情報不足ではないでしょうか。

お客様皆が山下社長と同じ知識レベルを持っているとは限りません。

これは業界歴、事業歴、職歴が長いプロショップ、専門店にはありがちなのですが、自分にとっての「当たり前・常識」はお客様にとっては「障壁・敷居の高さ」になってしまうのです。

ご自身が創業時から数年間で上級レベルに至った勉強のステップ・経験を端的にわかりやすく段階的に説明してあげる。

それができてこそ、プロショップです。
プロならわかれ! 自分で勉強しろ! 背中を見て盗め! は弟子には言っても、お客様に言ってはいけません(笑)。

最近では、そういうのはパワハラ上司・パワハラ師匠と呼ばれて逃げて行く部下や弟子も少なくない世の中みたいですが(苦笑)。

お客様は少しでも敷居の高さを感じさせただけですぐに逃げて行ってしまいます。(^^;)

RUPES以外のケミカル類も、まずはプロフィール的紹介と種類の比較、特徴などを一覧で比較検討できるような基点となるページが欲しいですね。

総評

せっかくの良い商品、良いサービスがてんこ盛りな会社・お店なのに、このおちゃのこショップに限って言えば、とりあえず商品をだーーーーーーっと羅列、陳列してあるだけで、
「洗車やカーディテイリングについてわかっているお客さんだけ自分で必要な商品を見つけて選んで買って行ってね! よくわからない素人さん・初心者さんはあんまし相手にしてないよ。うちは敷居の高い店だよ」

そんな雰囲気すら感じてしまいます。
実際に私レベルごときのカーケアの知識や経験では、このおちゃのこサイトだけを見ても、なかなか自信を持って「よし! この商品を買って使ってみよう! やってみよう!」という気持にはなりませんでした。

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物語で言えば起承転結の 起→承→ がなく 転→結、転→結ばかり
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ネットショップにおいての起承転結はこんな感じでしょうか。

起:ん? 何これ? どんな商品? 良さそう! と興味を引き起こす

承:なるほどー、そういう商品なんだー と理解させる

転:強み特徴は? 価格は? ライバル品と比較は? コストパフォーマンスは? 欠点は? 魅力の方が勝ってる? と不安や懸念を消す

結:ぜひ買ってください。カートへ入れて決済してください。

ですが、現状のおちゃのこショップは…

「商品の強み特徴(転)」→「買って!(結)」
「商品の強み特徴(転)」→「買って!(結)」

ばかり。
なので、既に興味を持って十分に理解しているお客様だけしか買えない(買わない)サイトになってしまっていると思います。

ただ、アクアウイングさんの場合は、自社サイトやみんカラなどで 起承の部分を喚起しておちゃのこショップはあくまでショップカートとして転結させれば十分である、という戦略であるならば、まあ今のままでも悪くはないのですが…

おちゃのこショップに初見で来るお客様は逃がしてしまうことになるので、できればおちゃのこショップ内にも起→承→ に相当するコンテンツを用意して、おちゃのこショップ単独でも、少しでも多くの新規顧客を掴まえるようにされた方が良いと思います。

現状 Google で「アクアウイング 洗車」と検索すると、楽天、自社サイト、Amazon を抑えて おちゃのこショップが最上位にヒットします。おちゃのこショップから優先的に入ってくるお客様もいらっしゃるわけで、しっかり興味を持たせ惹きつけないのはもったいない限りです。

また、サイト内でもあちらこちらにyoutube 動画が埋め込んでありますが、4年ほど前からYoutubeの活用を始められたようですね。
https://www.youtube.com/channel/UC563rfnQFI3mug6dY58qr_g/videos

まだまだチャンネル登録者数や再生回数も少ないとはいえ、最新の動画はサムネイルやテロップなど編集スキルも高まって再生回数も増えてきているようですので、youtube からのより多くの集客と商品認知も今後大きく期待されるところではないでしょうか。

ケミカル品や電動工具類など、スペックだけでなく、使い方次第でその効果の良し悪しが分れてしまう商品には、動画でしっかりと使い方解説をするのはとても有効だと思います。

動画撮影や編集のテクニックも磨かれているようですので、これからに期待したいところですね!

業種、商材的にもYoutube や SNSの 口コミからの誘導性、親和性が高いと思いますので、サイトの改善ができたら、ぜひ次はSNSの有効活用に取り組んでください。

あとは、事業成長のキーになるのはスタッフの採用・育成かと思います。お一人は身軽でリスクも少ないですが、ご自身の限界=会社の限界でもあります。これから徐々に年齢も重ねて、体力も無理も前のようには利かなくなってくることも想定しておかねばなりません。

スタッフがいれば人件費などリスクやコストも増しますが、安心感も可能性も大きく増します。機械やITツールとは違って人財はすぐには育ちません。5年後、10年後を見据えて準備を始めておきましょう。

将来構想構築に何かあればお気軽にご相談ください。

以上、ダメ出し!道場 でした。(^^;)

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。