新型コロナウイルスのニュース一色の昨今ですが、皆様ご無事でしょうか。
休校やらイベント・旅行の自粛要請、外出の自粛やら…
世の中、消費のムードも沈滞している現状です。
私たちネットショップ事業者にとってピンチでもありますが、多くの消費者が外出していた時間を家で過ごすようになりますので、パソコンやスマホを用いてネットの中で過ごす時間が増える可能性も高く、新規客を増やすチャンスであるとも考えられます。
マイナスムードにならぬよう、前を、上を向いて、頑張ってまいりましょう。
それにしても…マスクが市場から消えたり、デマによってトイレットペーパーやティッシュペーパーが買い占められ、高額で転売されたり…
挙句の果てには、石ころ(花崗岩)がコロナに効くとフリマサイトで売られていたり。
あまりの酷さに呆れます。
消費者にはパニックで過敏な消費行動に走るのは控えてほしいものですが、商売人が人々の不安の足元を見るような浅ましい行為で儲けようとするのは、本当にもっての外です。
真っ当な商売人は、こうしたズルさや卑しさで儲けることを「商才」と勘違いするようなことは決してないようにしたいものですね。
世界中の情報が瞬時に入ってくるネット時代には、多くの便利さも感じますが、情報過多になると、何が正しく、何が正しくないのか、どの情報を信頼してよいのかなど、情報の取捨選択能力が問われる時代だと痛感します。
こうなると、コロナ対策で信じられるのは、もはや我が身の「免疫力」のみ!?
という感じもいたしますが…(^^;)
万一感染しても、8割以上の方は軽症で回復されています。
皆様も体力、免疫力を落とさぬように、どうかお気を付けください。
免疫力といえば…私は循環器系の持病があるので、自信を持って「健康です!」とは言えないのですが(苦笑)
おかげさまでめったに風邪もひきませんし、お腹も壊しません。
インフルエンザなんて子供のころにかかって以来、もう何十年もかかったことがありません。
ちょっとした擦り傷や切り傷なども、放っておけばすぐに治ります。
運よく「免疫力」に関してはかなり強いほうだと思います。
その理由のひとつは、物心をついたときから、ずっと家に犬や猫が何匹もいて、その子たちと共に育って暮らしてきたからではないかと思います。(素人の勝手な憶測ですが)
ワンコやニャンコは、お風呂に入れたりシャンプーしたりしてキレイにしているつもりでも、どこでも裸足(土足)ですし、外を散歩すれば草を食べたり、足裏を舐めたり、お尻を舐めたり、その口で飼い主の手や顔を舐めたり(苦笑)。
可愛いと人にも手洗いもしていない手で触られまくりますし、毎日噛んでいるおもちゃだって、毎回洗ったりもしませんし。基本的にはバイ菌だらけですからね(^^;)
アメリカのアレルギー専門医が、自分の娘のひどいアレルギーを治すために犬を飼い始めたら、劇的に改善したという論文を発表して話題になったとか。
ペットと暮らすと、雑菌が適度に体に入ってくるので、免疫力が強化されて外敵と戦うため、自己免疫が自身の体を攻撃するようなアレルギー疾患が緩和されたのだとか。
犬アレルギー、猫アレルギーなんて方もいらっしゃるので一概には言えませんが…
まぁ、免疫力強化のためにペットを飼う方はあまりいないと思いますが(^^;)、家にペットがいると、彼らと触れ合うことで丈夫にもなりますし、本当に心が癒されます。
…と強引にペットの話に持ってきたところで(笑)
さて、本日のお店は、ワンコのお散歩グッズである首輪(カラー)や引き綱(リード)、ハーネス(胴輪)などを生地柄を選んでオーダーメイドしてくれるお店です!
それでは、ダメ出し道場、始まりで〜す!
白ベースにパステルカラーのデザインで、カラフルな商品のカラーやリードを身に着けたワンちゃんたちの写真、バリエーション豊富な生地柄の一覧で、ワンコオーナーのお客様の気持ちがワクワクするような第一印象だと思います。
店舗看板の「オーダーメイドで作るワンちゃんのお散歩グッズ」で、既製品販売ではなく、「オーダーメイド」であることはすぐにわかる…
までは良いのですが…
トップページ中央の「生地一覧」で、好みの柄に目が留まって、どれかクリックしてみると…
例)みかんドット柄
https://www.asante.pet/product/214
どのページも商品写真は「リード(引綱)」、「ベーステープの色」、「オプション」、「ナスカン(金具)」というパターンで、選択項目が 下記12種類も出てきて…???
皆さんはこの商品タイプ、文字だけでイメージできますか?
カラー(首輪)・ノーマル
カラー(首輪)・WD
リード・ノーマル(鉄砲ナスカン)
リード・ノーマル(レバーナスカン)
リード・ツイン
ハーフチョーク・チェーン
ハーフチョーク・ファブリック
ハーネス(胴輪)・8の字
ハーネス(胴輪)・2バックル
ハーネス(胴輪)・足通し
ハーネス(胴輪)・ショルダー
シートベルト
ここで、「???」どういうこと? と手が固まってしまいました。
このメルマガ読者の方も「???」になったと思います。
この12種類の商品名はすべて同一商品の種類別ということではなく、大きく分けると カラー、リード、ハーフチョーク、ハーネス、シートベルトのまったく違う5タイプの商品の大分類とその種類とが混在しているのです。
わかりやすく他の商品(車)で例えるなら…
まずは柄(がら)で「水玉模様」を選ぶと、その中に車(スポーツカー)、車(トラック)、バイク(大型)、バイク(原付)、自転車(スポーツタイプ)、自転車(ママチャリ)、三輪車
と、まったく違う乗り物があって、それを選択してくださいというようなイメージですよね。
普通は車種を選んでそこから色柄を選びますので、色柄のあとに全然違う商品タイプを選ぶとなると、タイプの違いがわからないとそこで止まってしまいます。
まずは柄から選ばせたいというアプローチは、ある意味斬新ですし、ペットオーナーのファッション性を優先させる感覚ともマッチしていて、良いとは思いますが…
いきなり柄から入ってきても、商品ページには個々の商品タイプの違いや特徴がわかるような写真もなければ、説明もリンクもないので、
ハーフチョーク・チェーンとかハーネス(胴輪)・2バックルとかの専門用語を並べられても、多くのお客様は瞬時に理解できないでしょうし、次に進むべき導線も不明で、迷子になってしまいます。
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一方で、トップページから上部メニューの「ご利用案内」を見ても、
購入したい商品を選ぶ
(1)「商品ラインナップ」のカテゴリーからカラーやリードなどのタイプをお選び下さい
(2)「生地一覧」のカテゴリーよりお好みの生地のページへ
商品名、サイズ(テープ幅)、ベーステープの色をお選びいただき…
と概要はあるのですが、また今度は「商品ラインナップ」をメニューから探すことになります。
お店のあちこちを見まわして、左メニューの「商品ラインナップ」を見つけられた人はやっと、
カラー(首輪)
リード
ハーフチョーク
ハーネス(胴輪)
ワンちゃんシートベルト
という5種類が大分類なんだと気づくのですが、これまた一つずつクリックしては戻る、クリックしてはもう一段下の分類ページに入る、など何度も繰り返して、ようやくどんなタイプの商品があるのかがわかります。
ここまで根気強く時間をかけて見て回ってくれるお客様ばかりなら良いですが、多くの方は「よくわからん」と黙って去って行くことになるでしょう。
お店にとっては当たり前の商品分類やラインアップも、初見のお客様には何がどんな種類あるのか、価格帯やバリエーションなど、できるだけあちこちクリックさせなくても一瞬で全体像が把握できるようなページがほしいですね。
Asanteさんは、昨年12月におちゃのこネットにオープンしたばかりの、めちゃめちゃ新しいお店ですが、実はおちゃのこ出店以前は独自ホームページで約10年間も運営されてきたベテランショップさんだそうです。
オーナー店長の内原さんは、元動物病院の看護師さんをされた経験から、事故でケガをしたり、病気になったワンちゃんたちにとって、カラーやハーネス、リードの形状や機能を個々のワンちゃんの体に合わせたものが重要だと思い、またご自身が洋裁がお好きだったこともあって、「オーダーメイドのお散歩グッズ専門店」を始められたとのことです。
現在に至るまで商品の企画、デザイン、製造からショップページの制作運営、受注〜発送に至るすべてをご自身だけでなさっているとのことです。
またご自身も18年の長きに渡って愛犬と暮らしてこられ、ワンコオーナーとしても大ベテランの愛犬家でいらっしゃいます。
以前のお店のホームページは、通常のレンタルサーバーで、特にカート機能もなく、フォームを使っての注文だったので、カート機能や管理機能の豊富なおちゃのこネットに期待をして出店したそうですが、まだどのように説明したり見せたりすれば良いか、いろいろと迷いながら試行錯誤されているとのことです。
広告宣伝などは特にせず、InstagramとLINE@、ブログと口コミだけでコツコツと集客されていらっしゃるとのことでした。
まずはともかく、初見で来店されたお客様が、全体の商品ラインアップや、オーダーメイドの注文の流れをひと目で理解できる一覧性の良いページが必須だと強く感じます。
私も人生の大半を多くのワンコたちと過ごし、多いときは5匹同時に飼っていましたので、それなりにリードや首輪に関しては見てきましたし、ペットショップに行く機会も多いほうだと思いますが…
それでも、「ハーフチョーク」だの「WD」だの「2バックルのハーネス」だの「ショルダータイプ」だの言われても、単語だけでパッと商品イメージは浮かびませんし、違いや価格差もイメージできません。
世の中の多くのお店は、商品のタイプをまず選んでから、次に色柄を選ぶのが一般的です。(車でも、洋服でも、雑貨でも)
生地の柄を選んでからどの商品にするか選ばせるというアプローチも、私はユニークで良いとは思いますが、そうであればそのプロセスの途中で他のページを探させないで良いように、どのページからでも商品一覧(画像付き)にアクセスできて、瞬時に商品の形状や違いを知ることができるようにしておきましょう。
具体的には…上部メニューの「サイズと価格」というページを作られていますね。
https://www.asante.pet/page/3
このページは単に文字と表だけの説明ですが、ここを「商品ラインナップのサイズと価格」にして、ちゃんと商品画像とオプションなどの画像を添えておき、すべての生地柄ページからもアクセスできるようにしておくのが良いと思います。
「ご利用案内」ページの「商品ラインナップ」という単語からもリンクを貼っておくか、いっそご利用案内ページの中にすべて含めて1ページで全体のラインナップを画像付きで把握できるようにしておくのも良いかと思います。
いずれにせよ、1枚のページで、どんな商品やバリエーションがあって、大まかに価格差はどのくらいかを理解できるようにしましょう。
お電話でインタビューの際に申し上げたのですが、仮に「A4サイズ1枚のお店のチラシを作るとすれば?」のように考えれば、文字だけの羅列ではなく、写真で商品ラインナップを一覧させつつ、価格差も把握できるようにすると思います。
セミオーダーで選んで注文する、デリバリーのピザ屋さんのチラシなどは参考になるかと思います。
リード
https://www.asante.pet/product/14
全長は115cmと書いてありますが、持ち手の部分の長さ(手を入れる輪の大きさ)などは書かれていません。手の小さな飼い主さん、大きな飼い主さんなど個人差もありますので、気にされる方もいると思いますし、なんならオプションでサイズ変更もできると、追加で客単価UPにつながると思います。
ワンちゃんシートベルト
https://www.asante.pet/product/22
全長、各部分の長さ、仕様がほとんど記されていません。
見慣れない商品でもあるので、取り付け方、安全な使い方など、もう少し詳細な写真付きの説明がほしいですね。
またこの商品もそうですが、画像が粗くて低画質です。
他にも昔の回線速度が遅い時代に撮影したと思われる低画質の画像がかなりありますので、少しずつでも撮影し直して、今の時代に合った高画質なものに置き換えていきましょう。
このシートベルトやハーネス類などの取り付け方、着装のさせ方などは、できれば短い動画で説明があると、ずっとわかりやすくなると思います。
今回、貴店を見るにあたって、ネット上のハーネスのオーダーメイドのお店をいろいろ見てみたのですが、日本ではまだ動画でハーネスの付け方を説明、解説しているサイトは見当たりませんでした。(海外にはいくつかありました。)
ハーネスは本当にいろいろなタイプがあって、そのいろいろなタイプをすべて実際に愛犬に装着させて比較検討したことがあるオーナーさんなんて、なかなかいないと思いますので、むしろ動画説明ができるとチャンスだと思います。
元気でやんちゃで暴れる子→とにかくはずれにくい、首や体が抜けたりしないタイプ。しつけ(引っ張り癖を直す)しやすいもの。
まず暴れることのない老犬やおとなしい子→機能性より快適性(ゆったり、痛くない)やファッション性(チャームやアクセサリーなど)。
こうした違いや特徴も、静止画より動画で視点や角度、動きの部分や装着のしやすさなどを見せると、格段と理解度や購入意欲につながると思いますので、ぜひ取り組んでいただきたいですね。
「ものではなく、ベネフィット、満足を売る」
「不安や懸念はできるだけ取り除いておく」
は専門店の基本中の基本です。
例えば「わが家のカバー付きシーリングライトをペンダントライトに替えたいが、明るさが暗くなると思うので2灯〜3灯と付けたいがどうしたら良いか?」「パーツなどは売っていないのか?」
だったり、
「電気代や電球の消耗などコストも気になる。長寿命のLED電球に替えたいが、おすすめのLEDは売ってないのか?」
「卓上型のスタンド、ランプなどはないのか?」
などなど、「照明器具の専門店」として見た際には、まだまだ問題解決力や提案力に乏しく、専門店に達していない点もあるといわざるを得ません。
ニュートラルなお客様目線で「何が足りないか?」「何が(どんな情報やコンテンツが)欲しいか?」を探ることがとにかく大切です。
慣れ過ぎたプロの目線をいったんOFFにしてみて、今一度お店を見直しましょう。
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また、デザイン性や品質が高い製品だけに、飲食店など店舗向けや、内装業者、工務店、設計事務所など法人向けの引き合いは取りたいところですね。
それにはやはり、数量がまとまった際の多少の値引きはビジネス習慣上と気持ちよく契約していただく上で、ぜひともほしいところです。
10個、20個買うのに、「1円も引けません!」はちょっと頑な過ぎて印象が悪く、満足度も高まりません。
「藤本さんの切子」だけは値引き不可でも良いと思いますが、量産品に関しては、仕入れ先さんに交渉してでも数量値引きの余地、余力は持っておくべきではないでしょうか。
「法人からの問い合わせ、ご相談歓迎!」の姿勢も、トップページやメニューに別枠で用意するなどして、わかりやすく表示しておくのが良いと思います。
商品のクオリティは高く、ポテンシャルは十分に高いお店だと思います。
しかしながらお一人での運営、経営は悩みがループしてしまって、なかなか突破口やアイデアが出てこないことも多いと思います。
そういう時は(お近くですし)、ぜひ相談会にお越しください。
以上、ダメ出し!道場はここまで。
↓↓↓↓↓以下、今回はあとがきコラム有り。
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最後に…冒頭のコラムで書いた「ものが売れない時代」のもう一つの理由ですが…
日本全体の都会化が進み、都市部のマンションなど集合住宅で暮らす人が増え、住居中心の地域のコミュニティや繋がりが希薄になってきたり、会社中心の人間関係が敬遠されるようになってきて、人口の多いところに住みながらも孤独感を感じる人が増えています。
そのため、学生時代の仲間やネットを通じて共通の趣味やエンターテイメントでの繋がりを求める人が増えました。
その分、消費も「もの」を所有するところから、人と繋がるため、繋がりを維持するための通信費を筆頭に、飲み会、食事会など外食費だったり、移動費、交通費、会費、参加費だったりという「こと」に使う消費が増えているようです。
これらを別名「繋がりコスト」というそうです。
裏を返せば、そうした共通の趣味や活動、体験によって人と繋がるきっかけになったり、繋がりを維持したりすることに関係する「もの」であれば、「もの」でも売れる、売れているということでもあります。
例えば、スポーツ用品、楽器、旅行用品、ITCネットワーク関連品、習いごと、お稽古ごと関連商品など、誰かと何かを体験するために必要なものは良く売れているんですよね。
では、「そうじゃない商品のお店はもうダメなのか?」というと、まだまだ工夫の余地はあると思います。
例えば、ギフト化。
誰かに気持ちを伝えるためのギフトに向いた商品構成やセット組、包装や演出も含めたマーチャンダイジングを考えてギフトに使ってもらえるお店にしていくのです。
そして誕生日や記念日などの大き目なイベントギフトだけでなく、日常でのちょっとしたお礼や感謝でのギフトをどんどん提案していくと、「繋がりコスト」としてあなたのお店を利用してくれる人が増えるのです。
また、人に見せたくなる、見せたら話のネタになる、誰かと一緒に体験したくなるような商品や映える商品にアレンジしていく。
例えば、マカロンやもなかが人気のお菓子屋さんなら、完成品だけを売るのではなくて、皮と中のクリームやあんこを別々にして「自分で作るマカロンセット」「自分で挟むもなかセット」のように、簡易な手作り体験を提案することで、一人で買って食べるだけでなく、誰かと一緒に楽しむ、会社のティータイムにみんなで楽しむなどの新たな需要を掘り起こせるかもしれませんよね。
自店の商品を単なる「もの」から何かを体験できる「こと」にしていくことで、人と繋がったり、繋がりを豊かにするというベネフィットを創造し、チャンスを広げていけるということです。
皆さんのお店の商品も「もの」から「こと」へ。
ぜひ考えてみてください!
オーダーメイドの商品を扱っているのですが、初見ではオーダー方法がわかりにくいのではないか、他にいい方法があるか知りたいです。