メゾン・ド・トワレー

カテゴリ:ファッション

メゾン・ド・トワレー

ネットショップの集客方法やイベント等をどのようにしたら売り上げにつながるのかを知りたいです。宜しくお願い致します。
オンラインショップの集客方法・イベント等をどうしたらよいか苦戦しております。宜しくお願い致します。

「今買う理由」

豊かで恵まれたこの日本においては、国民の過半数は都会に住んでいて、家をちょっと出ればそこには数多くのお店があり、消費者は、常に何かを「買う機会」(=買わされるリスク?)に囲まれて暮らしています(^_^;)

家から出かけて学校や会社に行き、終われば帰って来るだけの何気ない平凡な一日の中でさえ、コンビニや駅中(エキナカ)のいろいろなお店や商品を目にしてしまい…

つい飲み物やお菓子を買ったり、その他ふと目に留まった雑貨や洋服、本や雑誌などを衝動買いしてしまったり。

電車で暇つぶしに見ていたニュースサイトやゲームにも広告が表示され、通販サイトに誘導されて何かを買うかもしれませんし、つい有料のゲームや音楽、映像コンテンツをダウンロード購入してしまうかもしれません。

家を出た時には使うつもりがなかったはずのお金をつい使ってしまうということはもはや当たり前。一歩家を出れば1円も使わないで家に帰って来ることは難しいほどですね。(家を出なくても…)

以前にも「ダメ出し!道場」で書いたことがあると思いますが、つまり、あなたのお店のライバルはネットの同業他社だけではないのです。

あなたのお店のお客様になるかもしれない消費者のお財布の中身は有限ですし、常に他業種の他店にも狙われているのです!(^^;)

つまり、あなたのお店に運よくたどり着いて、商品を見てくれているお客様も、「うーん、とりあえず今日はやめてまた考えて来よう」と保留してしまい、今買わなければ、明日には、たまたま街で見かけた他の何かを衝動買いしてしまって、今月はあなたのお店で買い物する余裕がなくなってしまうかもしれません。

こんなことを考えていたらキリがないのですが…

せっかくあなたのお店に来てくれたお客様を迷わせて帰してしまっては、今夜にも他のお店で全然違う物を買われてしまい、あなたのお店で使うはずのお金がなくなってしまうかもしれないのです。

要するに、できるだけお客様をためらわせず、迷わせず、できるだけ背中を押して「今買う理由」を与えてあげることが大切だということです。

「今買う理由とは」例えば…
1)「数量限定」残り数点!、在庫数わずか!、限定〇品!
2)「期間限定」タイムセール!、今だけ特別価格!、〜日まで〇割引き!
3)「旬・流行」季節感!、先取り感!、今が旬だから!、流行っている今こそ!
4)「優越感」少しでも早く手に入れて優越感を!

ただ、私はプロのコンサルとして、1)や2)だけでお客様を煽るようなやり方は正直あまり好きではありませんし、良いマーケティングとは言えません。焦って買わせて後悔させては、結局そのお客様はお店に戻って来てくれないからです。

「今買う理由」は大事なのですが、できるだけ「今買う理由」にプラスして、
「十分に顧客満足度が与えられる商品やサービスだろうか?」
「『あなたのお店で買う理由』がちゃんとあるだろうか?」
という点も考え、加えてからやるようにしてみてください。

さて、本日のお店は兵庫県西宮の苦楽園という高級住宅地のおしゃれな街にあるレディースアパレルのお店。特定メーカーブランドの商品を主に扱う、セレクトショップというよりアンテナショップ的なお店です。

それでは、ダメ出し道場、開始です!

第一印象:
おしゃれな街、苦楽園にあるマダムご用達のお店


EC仙人 太田

私は、兵庫県に住んでいるので「苦楽園」という街が大阪〜神戸間でも芦屋に並ぶ高級住宅街の中のおしゃれなお店が多いエリアだと知っていますので、多少の先入観はあったのですが…それを抜きにしても、トップページに並ぶ服の価格帯が1〜3万円程度ですので、ターゲットはある程度のリッチな客層であることは想像がつきます。

商品の一覧に「トワレ[Toilette]」というブランドが多いので、こちらを主力商品にするお店かな? と感じました。
PCサイトではトップページに「トワレ[Toilette(トワレ)] 取り扱い店」と明記があるのですが、アクセスが多いであろうスマホサイトではトップページに特に表記もなく一般的なセレクトショップにしか見えていません。

<サイトのデザインクオリティが低く、古臭く宜しくない>
これもアパレル店では過去にも何度か書いていますが、デザイン性の高い商品を扱うネットショップにおいて、商品デザイン以前にサイトデザイン(バナーやレイアウトや写真)のクオリティが低いと、「肝心の商品までダサいのではないか? 良くないのではないか?」と誤解されかねません。

残念ながら現状の自社サイトもおちゃのこショップサイトも、バナー画像のクオリティ(画像が粗い、暗い、色合いが悪い)や、そもそものレイアウト、色合いなどのデザイン性が古臭くて、良いとは言えません。

おちゃのこネット以外でのマーケティング


EC仙人 太田

おちゃのこ以外では、自社サイトと、Facebook、アメブロ、インスタをなさっているようですが…

全体的に各サイトの目的、意図があいまいで、無駄に情報が重複したり、更新の二度手間、三度手間の割に集客や販促の効果につながっているようには見えません。

<自社サイト>
http://www.maisondotoilette.com
正直、自社サイトの作りも古く、バナーや商品画像のクオリティが悪いためにどんよりと暗く、古ぼけた印象に見えてしまっており、大変にもったいなく思います。

http://www.maisondotoilette.com/topics/index.html
例えば自社サイトの「Topics」は本来最新の商品の入荷状況などを常連客の皆様にお知らせし、来店や、ネットショップへの誘導を促すものだと思うのですが、情報の鮮度(いつの情報なのか?)も不明確ですし、ネットショップ商品ページへのリンクもなく、各情報が孤立化しています。

<AmebaBlog>
https://ameblo.jp/love-ymy-love/
Blogサイト(アメブロ)も、プロフィールからショップサイトや自社サイトへのリンク誘導がなく、コンテンツも本日の営業案内とInstagramのリンク投稿だけになっており、あまり意味を成しているとは思えません。せっかくの労力、努力があまり生かされておらずもったいない限りです。

<Facebook>
https://www.facebook.com/maison_do_toilette-579727962485950/
<Instagram>
https://www.instagram.com/maison_do_toilette

FacebookとInstagramでほぼ投稿情報が重複しているのは良いのですが、いずれもせっかく紹介した商品写真から肝心のネットショップの商品ページへの誘導ができているとは言いにくい状態です。Facebookはダイレクトに商品ページにリンクが貼れますし、Instagramはリンクは貼れませんが、せめてショップでの検索用に品番や、一発で検索できる明確な品名を明記しておくべきです。

インタビューで浮き彫りになった事…


EC仙人 太田

いつものように店長さんにインタビューをと思いお電話させていただくと、今回はオーナー店長さんではなくご担当者さん(匿名希望なのでAさんと書かせていただきます)からのお申込みだということでした。

実際に、ネットショップのことはすべてご担当者さんとスタッフさんで商品選びから、撮影、商品説明文、撮影、ページ制作、梱包出荷までほぼすべてを任されており、それだけでなく、販促やイベントに関しての広告宣伝費や販促費に関しても、責任者としてAさんが十分な権限を持って運営されているとのことでしたので、ほぼネットショップの実質的店長さんのようです。

担当者さんがここまで権限をしっかり持たせてもらえるケースは大変珍しいのですが、それだけ信頼されている優秀なご担当者さんだと感じました。

雑貨などは仕入れ商品もあり、一見セレクトショップに見えるのですが、主力の婦人服に関しては「[Toilette(トワレ)]」というブランドのみを扱う、専門店、アンテナショップ的なコンセプトのお店で、ブランドの歴史も40年近く、実店舗は30年以上になるとのことです。

ネットは2016年からとまだ4年目に入ったところですが、全国にこのブランドを扱うお店も多いので一定の認知もあり、当店は特に専門店として品揃えが良いので、広告宣伝などしなくても月に一定の注文が入ってくるとのことです。

特に主力商品である「ワンピース」は人気があるようです。
→オークションやフリマサイトを調べてみると、中古品の流通も盛んなようでした。

ただ、実店舗は、苦楽園というやや郊外の高級住宅街にあり、商圏が広いとはいえないので、カルトナージュ(フランス伝統の厚紙工芸)の教室を講師を招いて開くなど、地元での新規客の開拓には取り組んでおられるようです。

今後はネットにより力を入れ、新規顧客の開拓をすべく「ダメ出し!道場」に申し込みされたとのことです。

「ダメ出し」改善案


EC仙人 太田

<商品写真>
自社サイト、おちゃのこショップ、全体的に言えることですが…
まず何より最優先で改善すべきは「商品写真」です。
・どんより暗い
  →撮影場所の照明を用意し明るく撮影
  →背景の壁から離して撮影し壁に写る影を防ぐ
  →白抜きにするか、加工の手間をかけないなら映える背景・撮影場所を用意
・3m→50cm→30cm の距離間の商品写真を用意する
人は、実際の売り場で遠目に3m位先から見た全体イメージでなんとなく商品に興味を惹かれ、近づいて目の前に立ち50cm位のところで気になる点を確認します。最後は細部(ボタンやタグ、縫製、生地の質感など)を目の前10〜30cmまで近づいて確認します。

つまり通販であっても、こうした気になる点を写真ですべて確認させてあげることで不安や懸念が取り除かれ、「よし買おう!」という心理変化が起きるのです。

現状の商品写真はほとんど正面からの全体カットだけで、いわば3mの距離から見ただけで「よし買おう」と思わせられるか? という状況です。

冒頭のコラムの「今買う理由」の真逆で、「今は買えない理由・懸念」が多すぎて保留され、多くの機会損失をしていると思います。

ただ、逆にこれでも月に数十件売れているのは、既にどこかで実物を見たことがあるか、ブランドのコアなファン層だけが買っていると思われますが、それだけ商品のクオリティが高いということの表れでもあるので、改善できれば大きな効果が期待できるはずです。

しかしながら、まずはすべての商品写真を改善・充実させていかなければ新規客層をつかまえることは難しいと思われます。

最初の第一印象にも書きましたが、サイトのデザインクオリティが低いことがかなり足を引っ張っています。

デザイン性の高い商品を扱うアパレルネットショップにおいては、商品デザイン以前にサイトデザイン(バナーやレイアウトや写真)のクオリティが低いと、肝心の商品まで「ダサいのではないか?」「良くないのではないか?」と誤解されかねません。

残念ながら現状の自社サイトもおちゃのこショップサイトも、バナー画像のクオリティ(画像が粗い、暗い、色合いが悪い)や、そもそものレイアウト、色合いなどのデザイン性が古臭くて、良いとは言えません。

ぜひ、サイトリニューアルについて、ネットショップデザインのプロに一度ちゃんとご相談されるのが宜しいかと思います。(ホームページデザイナーではなく、ネットショップのプロに)
→宜しければぜひお気軽にご相談ください。

総評

お申込みでは「ショップの集客方法・イベント等をどうしたらよいか」とのことでしたが、現時点で集客アクセスをアップしても、商品写真の不十分さやクオリティが低く、悪い状態を多くの人に見せてイメージダウンさせてしまう可能性が高くもったいないです。

まずはショップサイト、自社サイト含めて全体のクオリティを上げたところでアクセス・集客アップに取り掛かりましょう。

ぜひリニューアルのご相談からお待ちしております。

主力の「ワンピース」に関しては特に、女性がテンションを上げるカテゴリーですので、もっとワンピースの品揃えを前面に出したり、色やサイズの充実もアピールすべきです。インタビューではネット在庫は各サイズ1点ずつにしているとのことでしたが、実際にはメーカーさんに豊富に在庫があるものは発注すればすぐに再入荷するそうなので、特にニーズの高いサイズに関しては、欠品して機会損失をしないようにネット在庫は2点以上にしておき、お客様が黙ってあきらめないようにしておきましょう。
→アパレルでは人気サイズ切れは致命的。

実店舗は、関西でも有数なおしゃれな街にあるおしゃれなお店ですので、Instagram の活用は、自社発信だけでなく、来店するお客様にもどんどん撮影投稿していただけるような撮影場所を用意したり、POPやポスターなどで指定のハッシュタグ(例:#トワレ苦楽園 など間違えにくく入力しやすいもの)を付けて投稿してもらい、その画面を見せてくれたらクーポンや粗品ノベルティを差し上げるなどのキャンペーンなど、いわゆるお客様からバズる仕掛けを行えるポテンシャルがあるお店だと思います。

また、業歴が長く、地元の他業種他店さんとのつながりもあると思いますので、コラボしてくれるお店を見つけてはSNSで紹介し合うなど認知を高めれば、苦楽園に遊びに来たお客様の実店舗への集客につながる可能性は高いと思います。(苦楽園はお洒落なレストラン、飲食店、洋菓子店、セレクトショップなどが多い街なので)

芦屋の隣町ですし、神戸、芦屋、西宮のセレブなマダムたちがよく遊びに来る町ですので、お店や地元の方には当たり前な「苦楽園」も発信の仕方次第では、「知る人ぞ知るオシャレな街」としてブランド力を持たせられると思いますし、遠方からの大阪や神戸への観光客の誘導も可能だと思います。

自分たちが思っておられる以上にポテンシャルの高いお店だと感じます。もう少し具体的に改善のご相談をいただければ効果が大きいお店だと思います。ぜひご相談をお待ちいたします。
以上 「ダメ出し!道場」でした。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。