ヴィクトリースタンプサービス

カテゴリ:事務、店舗用品

ヴィクトリースタンプサービス

2007年に、自分でホームページビルダーを使って作成したネットショップでゴム印を販売していました。ショッピングカートもなくフォームのみで注文を取っていました。なので注文数が2個3個と複数になると、2回も3回も注文していただくという面倒なことをお客様に強いてきました。それでもそれなりの売上げがあって、2010年には年商数千万円ありました。そのときはヤフー広告とアドワーズ広告のみの販促でした。 しかし、それに甘えて年々売上げが下がってきてしまいました。それでも食べていけるから! 何とか生活できているから! と努力もせずにホームページの改善もせずに2015年まで営んできました。 この2015年の売上げがなんと2010年の●分の1になりました。 いろいろ改善などしてきても一向にあがらず、今年からおちゃのこ様のシステムを使って再チャレンジしている次第です。 おちゃのこ様で作成し、この5月始め運用をスタートさせました。 ゴム印というリピートの少ない商材で、しかも競合が多数、PPC広告は例えばキーワード【ゴム印】は150〜200円、【ゴム印作成】は170〜200円という高騰ワードの業界です。 ちなみに過去のお客様のリストはゼロです。 もう0からのスタートのつもりでおちゃのこ様でのHPで展開していく次第です。 当ホームページをご覧いただき、お客様目線からのご意見とご訓示、改善点などいただければ幸いです。

今朝ほど、こんなニュースが…。

「東芝がパソコン事業を40億円でシャープに売却!」

東芝は世界で初めてノートパソコンを販売し、かつては世界シェアトップを誇っていたこともある…。
一方のシャープは、かつてパソコン事業を行っていたが2010年には撤退…。

それが2016年、シャープの親会社になった台湾の鴻海精密工業がPC事業を行っていることから、事業の拡大や生産の効率化が可能だと、東芝のPC事業を買収を決断したらしい。

また、先日はこんなニュースも。

「カシオがデジカメ事業から撤退!」

カシオは、1995年、世界初の液晶画面付き民生用デジカメQV-10を発売以来、デジタル技術でデジカメ市場をリードしてきた企業だが、スマホ普及によってデジカメ事業が不振になり、ついに撤退を決断したとのこと。

かつて成功、隆盛を誇った日本を代表するハイテク企業の浮き沈み…。
なんだか切なくなるニュースの多い昨今です。

とはいえ、東芝もカシオも会社が潰れたわけでも経営をあきらめたわけでもありませんよね。見込みの無くなった商品や事業を止めても、それに代わる新たな事業や商品、サービスを生み続けています。

例えばカシオさん、数年前からこんな商品もあるようです。
カシオスタンプメーカー pomrie(ポムリエ)
https://www.happycom.co.jp/2014/04/20140418_pomrie_1/

スタンプといってもLINEなどのSNSで送れる画像スタンプではなくて、ハンコのほうのスタンプです。気軽に家庭でオリジナルのスタンプが作れる玩具家電!? だそうです。

いわゆるゴム印のようにインクのスタンプ台でポンポン押すような使い方はできず、いちいちインクを印面にしみ込ませたり、使用回数や期間に制限があったりと、いろいろ面倒もあるようですが…

デジタルで自分で撮った写真を使ったり、スマホやPCのアプリで多数のテンプレートを提供するなど、誰でも簡単に可愛いスタンプが作れるという機械が1万円程度で買えるのは、お子さんへのプレゼントなどに魅力を感じる方もいるかもしれませんね。

実際にはこれが売れてカシオさんが儲かっているかどうかはわかりませんが、自社で培ってきた技術・強みを元に新たな商品を生み出していく姿勢には、今後も期待したいですね。

さて…本日のお店も、これとはちょっと違いますが、本格的なゴム印、スタンプの専門店さんです!

ネットショップ歴は10年以上で、かつては年商数千万円! と成功していたお店ですが、さまざまな環境変化で業績がかなり悪化、今年からはネット拠点をおちゃのこネットに変えて業績回復を目指して奮闘中とのことです。

それではダメ出し!道場スタートです!

第一印象…「そつの無い」優等生的なお店だが…●●も無い!?


EC仙人 太田

ネットショップ、オンラインショップの教科書があるならば、最初に紹介されていそうなくらい、必要な情報や要素が揃っているお店ですね。

ひと目で「ゴム印」に特化した専門店であることや価格も十分に安そうなこと、大抵のゴム印が作れること、親切丁寧でわかりやすそうなこと…などなど。

「そつのない」優等生的なお店だと思います。

…「そつもない」のですが…、「印象もない」…

ネットショップもリアルも含めて、世の中に山ほどあるハンコ屋さんやスタンプ屋さんの中で、いったいこのお店の特徴や個性、強みは?

ネットでスタンプを作ろうとお店を探している人が何店舗か見て回り、候補を探しているときに…ヴィクトリースタンプ東京さんを見たお客さんが、「あ、ここにしよう!」とか、以前に一度アクセスしてきたお客さんが「あ、ここ前にも見たことある!」というようなインパクトや印象が特にない…

ただただ、普通にゴム印がそこそこな質と値段で作れるお店、それ以上でも以下でもない…
いわゆる普通の「ゴム印屋」さんというのが第一印象です。

それでも、とりあえず急いでいて面倒なく作れれば良いお客様なら、たまたま当店に一番にアクセスしてくれれば注文につながるかも知れませんが、残念ながら現状は検索「ゴム印」で一番に表示されているわけでもなく、ゴム印屋、ハンコ屋さんは検索結果も広告も、競合ひしめく激戦業種なので埋もれてしまっています。

それだけでなく、検索しなくともASKULやAmazon、楽天などでも簡単にゴム印が作れますし、ちょっとした都市ならご近所にも安くて速いハンコ屋さんがたくさんある今日この頃…

環境面は本当に厳しい業種だといえそうですね…

なぜ、そつ無いお店なのにそこまで業績が悪化したのか?(インタビューで浮き彫りになった事)


EC仙人 太田

電話インタビューでお話をお聞きしましたが、店長の松尾さんはとても温和で爽やかな印象の真面目な店長さんです。ひとつのことをコツコツと一心に打ち込んで行くのがお好きな職人気質な方なのかなぁと感じました。

松尾さんはかつて、事務用品販売企業の大手でゴム印などのオーダーメイド品を受注製作販売する事業部門にお勤めで、そこでの経験を生かしてゴム印に特化して独立起業し、ネットのゴム印業種としては比較的早い時期に開業したこともあって、最初の数年は特に変わったことをしなくても「受注製作をこなすだけでも大変!」と嬉しい悲鳴を上げるほど売れていたそうです。

また、作りたい人が自ら探して来てくれるというオーダーメイド系のお店ということもあって、転換率(来た人が購入する率)も高く、検索キーワード広告(リスティング広告)も費用対効果が良かったとのこと。

商品はいわゆる会社用の会社名、住所、TELなどの住所用ゴム印が主力で、お客様の個々の情報を確認して、オリジナルで製作するという「個別対応製作」のいわゆるオーダーメイド商品ということもあって、起業当時は一般的な通販向けのカートシステムで対応しづらかったのもあり、いわゆる問い合わせフォームを使ったシンプルで安上がりな仕組みでネットショップをスタートしたようです。

集客手段はGoogleアドワーズやYahooリスティングのいわゆるキーワード広告だけで、他に特別なこともせずに順調に集客できていたようです。

当時のショップページは今は確認できませんが、転換率も高かったとのことですので、商品、サービス、支払い情報などを伝えるページの制作スキルは、今と変わらず十分に高かったのだと思います。

しかしながら…

世の中、お店を取り巻く外部環境はどんどん逆風が吹き荒れ、悪化。

ネット参入する「ゴム印ショップ」「ハンコ屋」「印鑑屋」が増え、キーワード広告のクリック単価も当初10円〜20円だったものが、今ではワンクリック200円以上もするとか…(汗)

→例えば50人に一人が買うとしてもクリック単価20円なら20円×50=1000円
の広告費で1件売上。粗利が1000円以上なら利益は出ますが…
クリック単価200円になると、200円×50=10000円!
1件の売上に1万円もの広告費がかかっていては、採算が取れるはずがないですね!

もう客単価の安い個人向け通販業では、リスティング広告はペイしにくい時代になってきているということですね。

さて、この間、ヴィクトリースタンプ東京さんも、決して何もしてこなかったわけではなく…

例えばお店をわかりやすいドメインに変更してみたり…
victory-one.jp
↓↓↓↓↓
gomuinyasan.com

などのチャレンジもされたようですが、徐々に売上が落ちて行く中で、オーダーメイドでも簡単に注文できるカートシステムを探しておちゃのこネットを見つけていたものの、なかなか思い切って引っ越しできず、ずるずると3年間悩んだ末にようやく今年、再度、元々のドメイン「victory-one.jp」でおちゃのこネットに今の店を立ち上げたそうです。

一般論で言えば、ある特定のジャンルに特化した専門店で、当たり前のことが当たり前にできるネットショップなら、そこそこ上手くいくというのがネット販売の常識ですが…。

ではヴィクトリースタンプ東京さんは、なぜそこまで業績が悪化したのでしょうか?

そこが気になっていろいろ質問をしてみたのですが…
特にGoogleの検索ロジックの変更で順位が著しく落ちたりということもなく(元々、トップクラスだったわけでもない)

価格競争力が格段に落ちたというわけでもなく(今でもASKULなどに比べて安い)

キーワード広告の単価が高騰し、採算が取れないので広告出稿を止めたため集客が減ったというのはひとつの原因ではあると思いますが、

それよりも…
冒頭の東芝さんやカシオさんの話にもいえることですが…
自社がかつて得意としていたジャンル、業種であっても、技術革新や新規開発を怠って変化成長してこない間に、新たな勢力、新たな競争相手が知らず知らずに現れ、いつの間にか客や市場を奪われていて、自社は変わらずとも、気づくと相対的に沈んでしまっていた…

ネットに参入する印鑑ショップ、ゴム印専門サイトもどんどん増えて、ヴィクトリースタンプ東京さんが変わらずとも、まわりの環境が変わり、気づいたら自店が相対的に沈み埋もれてしまっていた…ということではないかと思います。

では…ヴィクトリースタンプ東京さんは、今後、どうすれば良いのでしょうか?

その答えは総評の中で…

↓↓↓↓↓

総評

ネットショップの基本スキルは十二分にお持ちの店長さんです。
言い換えれば「売り方」は上手! でも肝心の「売る物」が今や陳腐化。
また競争激しく利の薄い市場に当たり前だと固執してしまっている。

今回は、細かなページや写真などのテクニック論よりも、本質的なビジネスモデル(商売、事業)の体質改善が何より優先だと強く感じました。

10年前は会社用住所ゴム印をネットでオーダーメイドできる商売はまだ少なく、お客様のニーズ(需要)のほうが貴店を含めたショップの数(供給)よりずっと大きく、十分賑わい、儲かっていたが、今は競合が増えすぎて供給過多が発生。また強豪も増え、市場を奪われてしまっている状況だといえます。

では、どうすれば良いのでしょうか?

今の商品、サービスのままでも、豊富に資金があれば、広告宣伝や仕入れを増やして原価を下げ、利益率を上げるようなことも可能かもしれませんが、業績・経営も悪化した中でもできる(やるべき)ことはズバリ、

商品企画開発です!

普通のありきたりな特徴のない住所印中心のゴム印屋さんから…

なんらかの特徴、個性、インパクトある商品やサービスで、特定の客層、ニッチな市場において話題性、注目性を生み出すことです。

抽象的でわかりにくいかと思いますので、具体的な例を挙げましょう。

いくつかのネット上のゴム印ショップを見てみましたが、多くのお店は貴店同様、住所印中心のゴム印がメインです。サイズも限られますし、文字中心のデザイン事例で対象も会社やお店などが一般的。ニーズが多いからそこに皆さんが群がるのでしょうが…

例えば…インタビューでお聞きしたら、ゴム印の印面サイズはA4サイズくらいまで作れるようなので…

「特大! ジャンボスタンプ作れます!」

と、他店にはなかなかないようなものをトップページにドーンと見せたり、文字の住所印よりも、絵柄やロゴマークなどを中心にグラフィカルなスタンプをメインとするトップページにしてみたら?

ターゲットもお店や会社を中心とせず、例えば、アニメやイラストなどが好きなアーティストやクリエイターさん、バンドや各種スポーツチーム、クラブや趣味のサークルなど…法人ではなくとも同じ志向の人々が集まっているような団体を狙えば?

同じスタンプを1個だけでなく、メンバー全員が1個ずつ何十個、何百個と作ってくれる可能性もありますし、こうした趣味の方々のネットでの口コミ効果は、法人相手よりもかなり期待できます。

インクやスタンプ台だって…
(現状は黒のスタンプ台1種だけで専門店として寂しい品揃え)
https://www.victory-one.jp/product-list/37

今や黒と赤だけでなく、カラフルなスタンプインクもあるでしょうし、ラメ入りや、蛍光、耐水性や耐候性などの特殊なインクや金属や木材、石材、布、PP袋など、素材ごとに向いた特殊インクも探せば、まだまだいろいろあるかと思います。

また、1個のスタンプでも、部分ごとにインクの色を変えて印面をカラフルに! とか…ステンシルのような使い方提案も可能でしょうし…

大きな絵柄の印面の一部だけをはめ込みで変えられる(日付部分だけ変えるとか)などの工夫やアイデアでコロンブスの卵的なスタンプもまだまだいろいろと可能ではないでしょうか?

また、外国人観光客が増大している昨今では、日本に来て印鑑を作る外国人も多いとのニュースをあちこちで見聞きします。

通常の水牛の角や木製の印鑑は作れなくとも、外国人観光客が帰国してからノートや手紙などにペタペタ押して楽しめるような大き目なネーム印をゴム印で作ってあげるサービスなども十分有りですね。(英語サイトが作れ、発送、代金回収ができれば海外向け販売も)

英語名をカタカナや漢字のアテ字に変換してあげるようなサービスも喜ばれると思います。私の学生時代に海外からの留学生の友人が実際に作っていた例ですが… Donald→怒鳴度 、Michel→舞蹴 など(^^;)

自社で自由なデザインでスタンプが作れる!という【強み】
をもう一度見直して、何ができるか? 誰に売れるか? を考えてみれば、まだまだアイデアと可能性はいくらでもあり得ます!

競合ひしめき、儲からず、行き詰まってしまった既存市場を狙った既存商品から…
新たな潜在的な可能性のある新市場を狙った新商品を(設備や在庫投資の少ないものから優先的に)次々と投入してみつつ、twitterやインスタ、YoutubeなどSNSを活用して情報発信し、いわゆる「バズる」(口コミが火がついて広がる)ことを狙って(仕掛けて)いくのが今の切羽詰まったヴィクトリースタンプ東京さんができること&優先してやるべきこと! だと思います。

例えばA4サイズのジャンボスタンプ! は実際には売れないかもしれません! でも一度見た人の記憶に、印象には残りますよね。
少なくとも今のお店よりはずっと、友だちに教えたい! 人にも伝えたい! と思ってくれる確率は高いと思います。まずは話題に! 少数の人でも興味を持ってもらい、誰かに伝えたい! と思えるような商品企画やお店作りが、行き詰まった現状からの突破口を見つけるヒントだと思います。

そして、これは、ヴィクトリースタンプ東京さんだけでなく、資金や労力の少ない多くの中小零細ベンチャーショップの基本戦略としても参考にできる考え方です。

一人じゃ考えられない! アイデア出てこない! という方は、どうぞお気軽にご相談ください!(^^;)

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。