PVの話をするのはもうやめよう。
「PV」といってもミュージシャンのプロモーションビデオじゃありません。(^^;)
ネットショップをやっている人にとってのPVは、PageView:ページビュー数のことですよね。
多くのお店にとって集客、来客の目安としてPV数が気になるのはわかるのですが、あくまでも「目安」であって、目標ではないはずです。目標はその先にある注文数や売上、利益ですよね。
PV数は例えば野球でいえば打数に相当するものです。
イチロー選手の「日米通算4300本安打達成!」はニュースにもなり、評価もされます
が、その分母となる「打数は何打数だったか?」はまったく報道もされませんよね。
ピッチャーでも「 200勝達成!」は報道も評価もされますが、「何試合登板!」「何イニング登板!」は、よほどの大記録でもない限り、気にもされませんよね。
要するに、野球においては大切なのは打数や登板数、投球イニング数ではなく、勝利に結びつく本当の打数(ヒット数)や勝利数だからです。
オンラインショップにおいても集客数ではなく実際の売上、利益に結びつく注文数や売上金額のほうを明確な目標にして営業しましょう。
「ん? なんとなくいってることはわかるんだけど…でも、PV数は無視していいってこと?」
そんな疑問を持たれた方も少なくないと思います。
ではこんな風に考えてみてください。
A店店長とB店店長の会話
A:うちは月間PV数が3万件くらいしかないんですが、おたくはどうですか?
B:うちは毎月10万件はあるねぇ。もっと広告やいろいろなお店との相互リンクやブログなんかやればいいんだよ! ネットショップはアクセス数が少ないと始まらないからねぇ!
<A店>
月間PV数=30,000件
注文数=300件
平均客単価=10,000円
粗利益率40%
総売上=300万円
粗利額=120万円
<B店>
月間PV数=100,000件
注文数=500件
平均客単価=3,000円
粗利益率30%
総売上=150万円
粗利額=45万円
PV数が3倍以上で自慢しているB店の方がいいですか?(笑)
PV数と注文数こそB店が多いですが、総売上も客単価も粗利額も圧倒的にA店が良いですよね。
A店は 3万打数300安打
B店は10万打数500安打
しかもB店はシングルヒット(1塁打)ばかりだったけど、A店は3塁打やホームランがたくさんあって、同じ1打でも得点(売上金額)が多いようなものです。
プロ選手として評価されるのは? もちろんA店ですよね!
もちろんプロとして元気に怪我せず試合に出続けることも大事ですが、いわばそれは当たり前レベルの話で、目標にすべきは出場試合数や打数よりもヒット数や打点、得点数ですね。
お店ならばPV数よりもいかに注文率と客単価を高め、注文数と売上金額を高くするか? を目標にすべきですよね。
上記の例ではPV数を上げるための広告宣伝費などは無視していますが、仮にGoogleアドワーズやYahooリスティング広告などをやったり、アフィリエイト広告などをやっていれば、支出もPV数に応じて増え、利益額はもっと差がついてしまいますよね。
つまり客単価や転換率(注文数÷PV数)(→打率のようなもの)が悪い状態で広告宣伝などを必死でやっても、コストがかさみ、逃がす客も多くなって大変非効率だということです。
PV数を目安にするのはよいことですが、それは自店の打率(転換率)や粗利率、客単価などを把握し、十分なクオリティに持っていきながら、あくまでも「目標とする売上げ額や利益額を得るためにはこのくらいのPV数が必要」という意味でのPV数目標なのです。
PV数だけを話題にするのは、野球選手が打数だけを語るようなもので、あまり意味がないことなのです。
そろそろ、PV数(だけの)話をするのはやめましょう!
今回のお店も、お悩みの相談でPV数(だけの)話をされているのですが…もっと他に大事なことがたくさんありそうですよ!
ではダメ出し!道場」第121弾 スタートです!(^-^)
冒頭のコラムでPV数だけの話をするのは意味がないと申し上げましたが…
今回のハートランドさんでは
「PC版アクセス数が300〜500なのですが、売り上げに結びつかない…」
とのことですが、まずこれは1日当たりのPV数のことだと仮定させていただきます。すると、1カ月30日で9000〜15000PVとなりますね。
さて、これが多いか少ないかといわれれば正直、私の関わってきたお店の平均からすれば多いほうではありませんが、その平均すら無意味な数字ですね。
まずはハートランドさんが月商いくらくらいを目標にされているのか?
平均客単価(目標と現状)はどのくらいなのか?
転換率(目標と現状)はどのくらいなのか?
そしてその先の粗利率や粗利額はどのくらいなのか?
まずはざっとこのくらいは聞いた上でないと、現状のPV数が多いとも少ないともいえません。
例えば月商目標が50万円で、平均客単価が5000円とすれば、100件の注文でよいわけですが、100件の注文を得るための分母となる総PV数が10000件なら、転換率は100÷10000で1%。
これはまずまずのクオリティのオンラインショップなら十分実現可能な数字だといえます。あくまで感覚ですが、野球でいえば打率2割4分を目指しています!
といった決して高くはなく、平均的なプロ選手なら確実にクリアしたい程度の数字ということです。(プロ野球の全チーム打率平均がこのくらい)
しかし、月商目標が300万円で平均客単価が5000円なら、注文数は600件が必要で、600件の注文を得るために分母となる総PV数が10000件なら、転換率は600÷10000=6% 必要となってしまい…
これは野球選手なら打率5割越えを目標にするようなもので、もう現実離れした超人的な目標値となってしまいます。
(日本プロ野球の歴代最高打率でも3割8分9厘:1986年阪神バース選手)
つまり、自店の実力(転換率や平均客単価)を把握したうえで目標はいくら売り上げたいのか? を想定し、必要なPV数を設定しなければなりません。
転換率や商品単価客単価を上げることは、基本スキルを磨き、ページの質や見せ方を上達させるなどで、野球でいえば守備や打撃や投球練習で技術レベルを上げるように重要です。
基礎力、クオリティを上げてからのPV数アップが売上UP、利益UPにつながるのです。
また現実にはそのPVの質も、自店の商品に興味のないアクセスと興味の強いアクセスでは実際に注文に至る数値(転換率)が変わってきますよね?
どこでどんな見込み客層を引っ張ってくるか? も重要だということです。
あらためてハートランドさんはどんなお店なのか見て行きましょう。
トップページの最上部のお店のキャッチフレーズは…
「千葉県野田市の醤油通販&名産品「御用蔵醤油」や「アラビヤンやきそば」
・川中島溜醤油・坂倉のお漬物などをエア道の駅ハートランド通販で
醤油通販とギフトの贈り物テーマパーク!」
となっていますね。お店の所在地である千葉県野田市の特産品、名産品とお店の業種である進物・ギフトのフランチャイズであるシャディのサラダ館という業態を絡めたギフトショップである点を上手にアピールされていると思います。
トップページの中央のお店の挨拶でも
「しょうゆ醸造の町「野田市」のご当地限定しょうゆ「キッコーマン御用蔵しょうゆ(醤油)」をはじめ贈物や野田市や千葉県の物産をお届けいたします。
お中元・お歳暮、ご出産、ご結婚(婚礼)、引き出物、快気祝などの各種内祝、孫抱き、ご法要、法事引き出物,ゴルフコンペなどギフトの事は何でも当店にご相談下さい。
野田市の逸品なお土産、手土産などのギフトを! 全国にお届けするショッピングモールを目指します!!
野田市のエア商店街を、どうぞよろしくお願い致します。」
千葉県、野田、野田、野田! と野田押しが最優先事項コンセプトだというのが明確ですね!
では、狙うべきターゲット(見込み客)はどんなお客様でしょうか?
ちょっと考えてみましょう。
1)千葉県や野田市、またその産品に興味がある客層、それが直接欲しい客層
2)千葉県や野田市、またその産品を知人、友人などに知らせたい、贈りたい客層
3)知らなかったし興味もなかったがココで知って欲しくなった客層
4)知らなかったし興味もなかったがココで知って贈りたくなった客層
5)千葉県や野田市には興味は無かったが、商品を知ってて探して来た客層
このくらいでしょうか?
1)は直接的で他にライバル店がなければかなり高い確率でハートランドさんの購入客になってくれそうですね。テレビ番組などで野田市や産品が取り上げられたりした時には、一時的にアクセスや反響がありそうですね。ただ全国に何千、何万とある自治体、地方の特産品の中ではそれほど多くの見込み客がいるとは考えにくい層ですね。
2)はどうでしょうか?1)に比べると、すでに千葉県や野田市のことをよく知っていて、野田市在住や千葉県在住者、または現在は他の地域に住んでいるが千葉や野田出身だったり、ご当地にゆかりのあったりする方で、その周りにいる友人や知人に産品を知らせたい、贈りたい! という潜在的なニーズを持っている客層ですね。これはまだご本人が気づいていないケースも含めると、全国規模で見れば数十万人~数百万人とかなりの数の見込み客はいそうですね。
3)偶然、たまたま、ネットサーフィンで当店サイトに来て、見ているうちに何か産品が欲しくなった、食べたくなった、買いたくなった客層。これは当店の商品やページの魅力次第ですが、絶対的には分母はあまり多くはなさそうですね。
4)これは3)以上にもっと少ないでしょうね。
5)これは例えば貴店の商品でいえばサッポロ一番のアラビヤン焼きそば
http://heartland.ocnk.net/product/160
とか
かけてびっくり「塩とまとゼリー」
http://heartland.ocnk.net/product/308
のように千葉産でも野田産でもないけれど、別の理由で話題になったり口コミでおいしいと評判になっている商品を検索して来店する客層ですね。
まず、文句なしに最も狙うべきは2)ですね。
全国にいる千葉県出身者や野田市出身者、それぞれのゆかりの方々は相当な数ですし、お中元、お歳暮、お祝いやお礼などの贈り物の際にはいつも悩んでおられるでしょうが、その選択肢としてハートランドさんの千葉や野田の産品が目の前に現れたら!? 贈る動機・選択肢としてはもってこいですよね!
まずはこの2)の客層を意識したキャッチコピーや文言を店舗内にちりばめましょう!
また1)の客層はすでに十分にターゲットとして対策されていると思いますが、千葉や野田出身者でなければまだまだ知らないことは多いはずです。
今一度、個々のカテゴリーページでは解説的なコンテンツを用意して、千葉や野田のこと、それぞれの産品の特徴をきちんと説明し、検索対策としておきましょう。
例)
心豊かに・千葉逸品フロア > 千葉、野田市のお醤油
http://heartland.ocnk.net/product-list/21
ただ商品を並べているだけですが…千葉や野田の醤油産業の歴史や個々の醸造会社の特徴を別コンテンツとして用意するか、せめてヘッダー部分に詳しい解説を載せ、個々のメーカーサイトでもいえないようなことを専門店として比較説明するなど、キッコーマンだけでなくキノエネや銚子のヒゲタの特徴などを解説して欲しい。
醤油や味噌、日本酒などは近所のスーパーで買えば消耗品ですが、産直では単に購入欲だけではなく知識欲も満たさなければなかなか売れません。
3)、4)の客層は最も購入からは遠い客層ですので欲張って狙うとなるといろいろと大変です。3)、4)はあえて狙わずとも、来てくれればラッキー程度に思って、来てくれた際には千葉や野田のことを知っていただけるコンテンツをきちんと用意しておけばよいでしょう。
問題は5)の層です。シャディのサラダ館や酒販店を経営されているので、つい魅力ある商品を見てしまうと並べて売りたい! という欲が出てくるのは理解できますが…
実店舗は野田で野田のお客様を相手にしているので他府県の商品を売っても良いのですが…当オンラインショップはあくまでメインコンセプトは千葉県&野田市の産品というコンセプトが最大の特徴ですので…
それに沿わない商品を並べて売ることは、かえってお店のポリシーを疑われたり、強みをピンボケさせてしまい、「何のお店?」「中途半端な店だなぁ」という印象になりかねません。
例えば、
サッポロ一番のアラビヤン焼きそば
http://heartland.ocnk.net/product/160
は千葉産、野田産ではないのですが…まだ、千葉県でしか(ほぼ)販売されていない、千葉県限定食品という特徴があるのでギリOKですが、
かけてびっくり「塩とまとゼリー」
http://heartland.ocnk.net/product/308
は愛知県のメーカーの商品だったり
オリジナルラベル地酒・大吟醸
http://heartland.ocnk.net/product/187
は埼玉県の蔵元の酒だったり
お祝い酒、奉納酒の松竹梅
http://heartland.ocnk.net/product-list/78
は京都伏見の酒だったりしますよね?
シャディのギフトショップとしてはマルでも、千葉の特産品ショップハートランドとしてはバツ。
お店のコンセプトをすっかり台無しにしているのではないでしょうか?
塩トマトゼリーは同等品を千葉県内のメーカーで貴社オリジナルで作らせるか、それができないなら少なくともこのオンラインショップでは販売はあきらめる。
お酒に関しては千葉や野田の蔵元の酒でオリジナルラベルができる酒を探す。奉納酒、お祝い酒に向いている酒を探すなどが必要だと思います。
その他、下記商品などなどは千葉にも野田にもまったく関係のない商品群ですよね。
当店に陳列するとお店のコンセプトを壊してイメージダウンになってしまっています。
これらに関しては勇気ある撤退、あきらめる決断が必要かと存じます。
どうしても商売として販売したいならこのお店ではなく、別店舗を構えて販売しましょう。
安心防災用品フロア
http://heartland.ocnk.net/product-list/5
贈りたいタオルギフト!(輸入品)
http://heartland.ocnk.net/product-list/53
スヌーピーシガレットラングドシャ
http://heartland.ocnk.net/product/666
鹿児島垂水の温泉水
http://heartland.ocnk.net/product/54
心身・快適エコ生活フロア
http://heartland.ocnk.net/product-list/2
トロフィー・カップ・メダル・盾
http://heartland.ocnk.net/product-list/56
新潟こしひかり米
http://heartland.ocnk.net/product/269
シャディサラダ館キティ根付ストラップ
http://heartland.ocnk.net/product/172
野田市 ハートランド で検索すると…下記の実にさまざまなサイトがヒットしました!
おちゃのこ店
http://heartland.ocnk.net/
自社ホームページ
http://0471230038.web.fc2.com/
Yahooショッピング
http://store.shopping.yahoo.co.jp/heartland34393/
Amazon
https://goo.gl/duFpwE
Facebook
https://www.facebook.com/saradakannodahanai/
Twitter
https://twitter.com/heartland_1970
Youtube
https://www.youtube.com/user/heartland34393/videos
その他ブログあれこれ
http://0471230038.ldblog.jp/
http://heartland.on.omisenomikata.jp/
http://www.blogmura.com/profile/00469117.html
http://blog.goo.ne.jp/heartland_1970
https://plus.google.com/102715523000247800799
http://spooon.info/l79456/
ざっと見る限りほとんど店長さん一人でなさっている様子。
すごいです! できるだけお金をかけずにネット上でできることはなんでも手を出してやってみる! とにかくガムシャラに情報発信してみる! という姿勢には本当に頭が下がります。
あれこれ悩んでばかりで何も手を着けない店長さんが多い中、実際の行動力、実行力、まずやってみる! はネットビジネスの成功の必要条件であることは間違いありません。
なぜなら、実店舗で1店舗構えるのは多大な費用や準備の期間、時間、労力が必要ですが、ネットのサイトやSNSなどならほとんど費用や多くの労力や準備をかけずとも(つまりあまりリスクをかけずに)ひょいっと初めて体験し、ユーザーの反応や反響を見ることができるからです。
やるかやらないか悩む時間があったら、(リスクがないのであれば)まずはやってみて、効果やノウハウが得られそうなら続けてみることは、ネットビジネス成功法則の一つだからです。
ただ、その先は違います!
やってみて、試行錯誤しながら実際のビジネスに繋がりそうなことは深掘りし、軌道修正しながらレベルアップしたり、ノウハウを蓄積したりしていけばよいのですが、しばらくやっても労力に見合うだけの効果がなかったり、期待できなければ、きっぱりとあきらめて止め、次に進むこと。
いわゆる「あきらめる勇気」「やめる決断」も経営者には重要な仕事なのです。
ホームページの制作費や出店料などの実際に金銭がかかることも経営判断としては重要ですが、社長の貴重な時間・労力は有限でもっと重要です。
無駄な時間はさっさとあきらめて排除したり、多少のお金をかけてもサイト制作などはプロに外注したりして、自身の貴重な時間・労力は社長にしかできない仕事(商品企画や仕入れ先との商談・交渉、人材育成、戦略立案など)へかけるようにしましょう。
実店舗を日曜大工で素人丸出しで建築しないのと同じです。
なんでもかんでもガムシャラに自分でこなしていては、自分のキャパ=会社のキャパをいつまでたっても越えられませんし、自分の限界=会社の限界となってしまいます。
まして無理をして病気になったり倒れたりしては、何もかも止まってしまいます。
http://0471230038.web.fc2.com/profile1.html
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会社沿革を拝見するとネットショップを始められて、早10年。
ここらで一度、立ち止まってこれから先の5年後、10年後を見据え、一度戦略を練り直してみられるのがよいのではないでしょうか?
貴店の「強み」を洗い出し、ホームページだけでなく商品戦略、販売戦略、また物流や人材、財務などビジネス全体も見直してみられてはいかがでしょうか?
その上でPV数だけでなく、意味ある数値目標を立ててそれを実現していくシナリオ、ストーリーを考えてみる機会を持ってみてください。
千葉県野田市という地域ブランド力は、全国的に見ればそれほど大きなものではないかもしれませんが、それだけにそのニッチなニーズ、市場性の中では貴店はNo. 1ショップとして十分に実店舗以上の潜在ビジネス規模を獲得する可能性があると思います。ポテンシャルは十分にお持ちです。
もし可能性を広げたくなったらいつでもご相談会にお越しください(^-^)
PC版アクセス数が300〜500なのですが、売り上げに結びつかない…。