南国MARKET

カテゴリ:食品、飲料

南国MARKET

いつもお世話になっております。南国MARKETの岩佐と申します。
『ダメ出し!道場』登場希望致します。
http://nangoku-market.ocnk.net/
最近ホームページをリニューアルしたのですが、ぜひプロの方にダメだししていただいて、改善していきたく思います。 宜しくお願い致します。

私の住む兵庫県でも、桜の季節が終わったなぁ〜と思ったら、もう汗ばむ陽気の日が始まりましたが、今回のお店は、もう既に夏!? 沖縄県でもずっと南西にある宮古島の特産品ショップさんの登場です! わお!ウチから直線でも1500Km 遠いわぁ〜!
では「ダメ出し!道場」No.13スタートです!

戦略に踏み込んだダメ出しに挑戦


EC仙人 太田

今回はちょっと前置きが長いです!(^^;)

そしていつもの表面上・見た目のダメ出し! から、お店の「戦略」にまで(勝手に)踏み込んだダメ出し! を、あえてTryしてみます!(通常は対面インタビューしないで戦略の話はしないのですが…)

でも、全国の産直ショップさんや海外物産に特化したようなショップさんも、参考になるはず! 自店にあてはめてじっくり読んで考えてみてください!

基本に立ち返れば、何が足りないか? が見えてくると思います。

さて、宮古島の特産品専門店。皆さんはどんなイメージを持たれるでしょうか?

残念ながら、私はまだ「宮古島」に行ったことがありません。
それどころか、沖縄県も、今まで縁がなく、一度も行ったことがない4県のひとつなんです。(青森、秋田、新潟と沖縄だけは行ったことがないんです。スミマセン…)

そんな私が宮古島専門店をあれこれとダメ出しして良いものか? 悩ましいところではありますが…
でも、むしろ、日本全体でみれば宮古島経験者よりは未経験者の方が圧倒的に多いでしょうから!?…今回はあえて「多数派!?」の目線でお店を拝見したいと思います(^^;)

今まで縁が無かったとは言え、私は決して沖縄県や宮古島が嫌いなわけではありません!
それどころか「南の島」として憧れのイメージ♪を持っています♪(^-^)/

眩い太陽!青い海、サンゴ礁!抜けるような空!トロピカルフルーツ! マリンスポーツ、沖縄料理! 泡盛!…etc
典型的ベタな(ステレオタイプな)「南の島」イメージですね(苦笑)

でも言い換えれば私の中で、宮古島は南西諸島の「南の島」のひとつであって、宮古島も石垣島も沖縄本島も慶良間も与論島も含めて、なんとなくそこら辺の沖縄県の島のひとつ! のイメージ止まりなんです。

あえて誤解を恐れずに書かせていただくと、個々の島々の違いや特徴はよくわかりませんし、漠然とした知識や興味しかない状態なのです。

現地の方からすれば
「おいおい!何言ってるんだ! ●●島とは一緒にして欲しくない!」とか 「宮古島には他には無い★★があるんだぞ!」
などとご立腹、反論されることでしょう。本当にスミマセン (>_<)

でも知らない、行ったことがないというのはそんなものなのです。
では…例えば…皆さんも下記のようなことをふと考えてみてください。全国をいろいろ出張して歩くとよく聞く話なのですが…

●東日本の方は、岡山、広島、山口の順番(位置関係)を意外と知らない…とか、
●鳥取と島根どっちが東でどっちが西? とか
●西日本の人も、青森、秋田、岩手の位置関係があいまい…とか、
●北海道の奥尻島と利尻島はどっちが北にあるか? どのくらい離れているの? とか
●大阪のたこ焼きと明石焼きはどこが違う? とか
●群馬と栃木どっちが東でどっちが西? などなど…

遠方のことって意外とあいまいで、うろ覚えではないですか?
イヤイヤ日本の地理なんて知ってるよ! 常識常識! という方でも…
では、海外に置き換えれば…
●トムヤムクンとナシゴレン、どっちがタイ料理でどっちがインドネシア料理?
●魚醤で有名なナンプラーとニョクマム、どっちがタイでどっちがベトナム?
●生春巻きはタイ料理? ベトナム料理?
●パラグアイとウルグアイの位置関係は? 人種の違いは?
●アルジェリアとナイジェリアの位置関係は? 人種の違いは?
●バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)の違いは?
●中央アジアのカザフスタン、ウズベキスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタンの位置関係、違いは?
などなど…

現地の人が聞いたら怒られるような未知、無知ってあるんです。
●日本と韓国どう違う? どっちが寿司の国でどっちがキムチの国だっけ?

アフリカやヨーロッパの人にはこんな風に思われているかも知れませんよね!? 実際に韓国人が経営する日本料理店は海外には結構あって、堂々と寿司とキムチが出されているそうです(苦笑)
皆さんも、今まで縁がなく、行ったことのない、よく知らない地域のことは名前は知っていても、意外とあいまいであったり明確な違いを知らずに、近隣の地域と「ひとくくり」で似たようなものとして扱っていることはないでしょうか?

現地の人にとっては近隣の地域と自分らの差は明確ですし、たいていはお隣さんはライバル関係であることが多いのですが、遠方から見れば近くて似ていて差がわかりにくいということはよくあるものです。

 

「南の島のひとくくり」から脱出させよ


EC仙人 太田

さて、お待たせしました! ここからが本題です!
延々と「南国MARKET」さんと無関係な話をして参りましたが…

要するに何が申し上げたいかというと…
お客様の印象にある宮古島を「南の島のひとくくり」から脱出させよ!
ということです!

「南国MARKET」さんにとっては、宮古島専門店として
1)宮古島 そのものを、あらためてもっと明確・正確にアピール・説明・認知させなければならない。
2)ライバルは宮古島の産直ショップだけでなく、近隣の南西諸島の全部の島の産直ショップや同等商品を扱う全オンラインショップである。と意識し、他との違いと差別化ポイントを明確にしなければならない!
3)「南の島」への憧れや興味を→「宮古島」への憧れや興味に変化させなければならない(他島の見込み客も奪え!)
ということを申し上げたいのです!

特に3)は大事ですね。

今まで、宮古島の経験者や、宮古島にだけ直接興味があった客層・市場から、ターゲットを広げ、対象市場・見込み客数を広げて増やす戦略を取れ! ということです。

いやいや! 3)を取らなくても、十分に売れて、採算も取れ忙しいよ! というのであれば良いのですが、私の経験から予想するに…
「宮古島」単独で検索して来店するお客様だけでは、オンラインショップにおいてそこまでの(「事業」として成り立つ)市場規模はないでしょう。「事業」として成り立たせるには、もっと対象市場を広げる必要があると思いますので 3)は重要だと考えます。
言い換えれば、宮古島の切り口だけじゃない、他の切り口から来る客も狙え! ということです。

では、もう少し具体的に…

例えば…南国MARKETさんでこれから旬を迎えつつある主力商品のひとつ「アップルマンゴー」ですが…

「アップルマンゴー」を探して検索する多くの方は、検索する時点ではそれが宮古島産である必要はありません。
「アップルマンゴー」だけで検索するか「アップルマンゴー 通販」「アップルマンゴー 産直」などで検索するでしょう。「宮古島」はなかなか付けて検索はしてくれませんよね。

実際に検索してみると、宮古のモノももちろんヒットしますが、沖縄、宮崎のお店やモノもたくさんヒットしますね。宮古だけでも他店の商品が上位にヒットされていますね。
つまり、「アップルマンゴー」においては宮古や沖縄の他店もライバルですし、宮崎の産直ショップまでライバルになるわけですね。
場合によっては、東京や大阪など都市部の産直品を扱う通販ショップもライバルになるわけです!
他のフルーツや、海ぶどう、もずく等も同様だと思います。

モノとして商品だけを売っていては差別化ポイントは値段だけ! になってしまいますね。どっちが安い? 送料は? 離島は高いんじゃない? などとなってしまいかねませんね。

では、どう差別化すれば良いのか? ズバリ正解は!…
と申し上げたいところですが、これは私にもまだわかりません。

ガクッ!(^^;)って? そんなにガッカリなさらないでください。
でも、パッと見ただけで解決策がわかれば苦労はありません。じっくりインタビューしたり、お店を取り巻く環境や人員、体制、取引先、周辺の町や環境、そして人との繋がりなどを聞いていくと、だんだんとお店の方が気づいてない埋もれた宝物が見えてくるのです。

ヒントはすでにお店の中にあるはずです。いえ、特産品組合や生産者の方々との繋がりの中にもたくさんあるはずです! 角度を変えれば沖縄本島の店や、都市部の通販会社には簡単には手に入らない写真、ウンチク、そしてライブな情報、生産者の表情、声、が山ほど宝物として眠っているはずです!

でも、自店をもう一度よく見てみてください! その宝がすでに並んでいますか? 情報は? 写真は? 声は? 人の笑顔は?

せっかく生産者の紹介とありながら…
宮国さんの農園の写真は1枚だけ? マンゴーってどんな風に木になるの? 花はどんななの? 種まきや苗植え〜花や受粉の過程は?
選別や出荷までの流れは? 宮国さんの家族は? 農園のスタッフの顔は? 声は? 苦労は? 海ぶどうやもずくは、海の中でどんな風に生えているの? 海の中の様子は? 育つ過程は? 天然と養殖の違いは? 写真は? 動画はないの? 周りの景色は? 魚や生き物との関係は? 栄養は? 地元ならではのレシピは?

青パパイヤなんて、本州ではまず果実を見かけることがありません。タイ料理好きな人なら知っていてわずかに買う可能性があるかも知れませんが、ほとんどのお客様はどう調理するのか? どんな味がするのか? 想像すらつかないモノはなかなか買う勇気はありませんよね。

島らっきょうなんてビニール袋に入った写真だけでは食欲もわきません。らっきょうも、生産者さんもカワイソウです!(泣)

パッと見ただけでも色々な疑問が次々と湧いてきますが、残念ながらそのほとんどに南国MARKETさんは答えていません。宝はまだ表に出てきていません。

「専門店」といいながら…ズバリ!「専門性」がないのです!
前回の「ダメ出し!道場」でも言いましたが、お客様は「物欲」や「購買欲」だけでなく「知識欲」も満たしてくれる専門店を求めてネットをさまよっているのです。

ここで言う南国MARKETさんに求める「知識」とはWikipediaで調べられるような一般的な知識だけではありません。(これもある程度は必要です)
宮古島の生産者や漁業者のすぐ傍にいていつも話ができたり撮影に行ける南国MARKETさんだからこそ入手できる知識や情報なのです! 生産者だけでなく、地元の生活者、消費者の持つ情報やウンチクも貴重です!

それを普段から意識して取材、会話、撮影しておけばショップはもっともっと充実するでしょうし、その「情報」には宮古島をアピールするキーワードがたくさん散りばめられているでしょうし、それらをコンテンツとすればおのずとSEO(検索エンジン対策)になるでしょう。(Blogもよいが自店にも情報を掲載せよ!)

また、宮古島に興味はあるが行ったことはない未経験者を取り込む件ですが…

YahooとGoogleで検索窓に「宮古島 」(スペースも入れる)と入力すると…宮古島 に続いて、ホテル、観光、天気、レンタカー、ダイビング、ツアー…などの検索候補がリストされます。詳細なロジックは置いておいて、要するに「頻繁に検索されるワードが見れる!」と思ってください。

そのほとんどが観光や旅行に関するキーワードばかりなのですが、その中に「夢来人」、「まもるくん」 と言う見慣れないキーワードが出現します。

私も知らなかったのですが…
宮古島に馴染みのある方、関心のある方は既にご存知のようですが、「夢来人」はタレントの島田紳介さんのテレビ番組で企画した芸人さんが運営する民宿の名前だそうです。(私は番組を見たことがなかったのでまったく知りませんでした)
また、「まもるくん」は宮古島内の道路に立てられた交通安全用の警察官の等身大人形の名前だそうです。ちょっと個性的な表情が話題を呼び、携帯ストラップなどのお土産グッズまで作られているようでなかなかの人気だそうです。
http://bit.ly/jBNt1b
↑↑↑なかなか強烈で個性的な表情ですし、これだけ多くの人が取り上げていることからも、相当な話題なんですね(^^;)

なぜ、こんなことを書いているかと申しますと…
他の一般的観光キーワードは、宮古島への旅行を前提として検索するワードですが、「夢来人」「まもるくん」は宮古島には行かない人、行ったことのない人でも、テレビや雑誌などで話題になって、これをきっかけに興味を持って検索する人が選ぶキーワードだからです。

言い換えれば、これから宮古島に関心を持つ可能性の高い「見込み客」獲得キーワードとも言えるわけですね!

南国MARKETさんに限らず、地域特産品のお店の一般的顧客特性としては、その地域に「行ったことがある」「住んだことがある」など物理的に縁のあった方が圧倒的に多いのです。

行ったこともないし、知り合いもいない(縁は特にない)方がいきなり検索して購入するケースは極めて稀です。
つまり顕在化している見込み客市場規模は小さいのです。

でも、ふとした情報(テレビや雑誌が多い)をきっかけに好奇心を持って検索をして情報を調べている間にどんどん好奇心が興味に変わり、情報のアピール次第では興味が欲求に変化していくことは十分にあり得ます。
つまり潜在的見込み客市場規模は大きな可能性を持っているのです。

わかりやすい例で言えば、TVのグルメ番組で知った料理の情報をどんどん詳しく見ていると…
うまそう!→食べたい!→行ってみたい!→行けないのなら買いたい
に変化することってありますよね。行けない場合はネットで検索して通販でお取り寄せ! この流れはもはや当たり前でしし、産直ネットショップとしてはぜひ狙いたいパターンです!

要するに!
宮古島専門店なら「夢来人」「まもるくん」という人気キーワードもショップページにさりげなく散りばめて検索ヒットを狙え! ということです。もちろん自ら撮影したオリジナル写真や、地元ならではの裏情報が加わればなおGood! 検索者の興味をより強くひきつけます!

思わぬルートから検索されアクセスされたり、それによってまたブログに紹介され、新たな客を呼ぶといった確率が増えるのです。

可能なら「宮古島まもるくん」のストラップも販売するのも良いかも知れませんね(^^;)←事情も考えず勝手なこと言ってすみません!
でも宮古島専門店なら売ってて欲しいと思うのが消費者心理。

他にも…
アップルマンゴー農園のおばあちゃんが手作りで自家用とご近所さんにおすそ分けする分だけ作る秘伝のアップルマンゴージャムが絶品だから、無理にお願いして限定で商品化しちゃいました! とか…
勝手な想像を超えて既に「妄想」しちゃっていますが(笑)

でも、考え方としては、そういうことです。そんな商品があったらぜひ食べてみたい! って思うのが消費者心理です!
そしてそんなことができれば、他店との決定的な差別化ですよね!(あくまで一例としてのアイデアです)

売ってるもの、売りたい商品の情報だけ最低限載せればよいってものではなく、関連したり補足したり、賑わせたりする情報や画像、映像があればどんどん紹介して行く、小さな宮古島ポータルサイトのようなサイトを目指すのも良いのではないでしょうか?(^^;)

今回は、特にあれこれアイデアが湧いて来て、調子に乗ってあれこれ勝手なことを言い過ぎかも知れません。
でも、専門店、特にニッチな専門店ほど、特徴を出しやすく目指す方向もわかりやすいのです。

あとはどれだけ埋もれている宝を見つけて取り上げるか? そして、そこから売上・収益に結びつける商品やビジネスモデルをどう構築するか? それが専門店の成功パターンなのです。

最後の構築部分はさすがに見ただけでは答えは出ません。個別にインタビューし、診断し、コンサルして一緒に宝を探し、商品企画・開発やビジネスモデル作りを行っていかなければなりません。

ぜひお手伝いしてみたいショップですね!(^^)
個別相談会へいつでもお越しください!遠いですが…

交通費出していただければ宮古島に出張相談行きますよぉ〜!(宮古島行きたいだけやろ!?ってツッコミが聞こえる(^^;))

 

総評

ページ制作のスキルやクオリティには問題はほとんどありません。それだけに内容の薄さや情報力のなさが寂しいところです。
もう一度、「専門店」「産直店」とはお客様に何を求められているのか? 何を提供しなければいけないのか? を考え直して、まずは情報の充実を図ってみてください。それを行う過程でいろいろな宝が見つかるはず。その次のステップでその「宝」から新商品開発や、新販売企画が生まれてくると思います。

※上記内容は、取材当時の内容の場合があります。最新の情報はショップページ内でご確認ください。