2015年最終号です。本年もお世話になりました号

「やまさん」こと、おちゃのこ山崎です。

あっという間に今年も残すところ2週間となってしまいました。
「年賀状がまだ作れてない」
「年内の仕事が片づきそうもない」
などという悲鳴が聞こえてきそうな気がします。かくいう私も、その悲鳴の元の一人なのですが…。

年末といえば十大ニュースが恒例です。そこで、勝手に「悪い十大ニュース」と「良い十大ニュース」を作ってみましたのでご披露します。みなさまのご感想はいかがでしょうか。なお、どちらも国内版です。

【悪い十大ニュース】
マクドナルドなどで食品に異物混入
群馬大病院の術後死で大学側が謝罪
東洋ゴム、免震ゴムでデータ改ざん
東芝で不適切会計が発覚
新国立競技場の建設計画を白紙撤回
東京都調布市の住宅地に小型機墜落
「ビットコイン」巨額消失、運営会社社長を逮捕
東京五輪エンブレムを撤回、再公募に
横浜市でマンション傾斜、基礎工事のデータ改ざん
巨人3投手が野球賭博関与

【良い十大ニュース】
箱根駅伝、青学大が初優勝
横綱白鵬が史上最多優勝
北陸新幹線、長野~金沢間が開業
「軍艦島」など世界文化遺産に
なでしこ、サッカーW杯で準優勝
芥川賞に又吉直樹さん。記録的ベストセラーに
ノーベル賞に大村、梶田両氏
ラグビーW杯、日本は3勝の歴史的快挙
世界体操、日本男子が37年ぶり金
国産初のジェット旅客機、初飛行成功

それではみなさま、よいお年をお迎えください。なお、新年第1号は1月13日発行予定です。

オススメ参考書~読んだら即実践してみよう!

鉄道デザイナーの心 世にないものを作る闘い

水戸岡鋭治・著 日経BP社

2000円 (税別)

今でこそ「今度の新型車両は誰がデザインしたんだろう?」と、鉄道車両のデザイナーが話題になるようになりましたが、それはここ四半世紀ほどのことです。それ以前は、たとえば東海道新幹線の0系や500系を誰がデザインしたかなどは、話題にもなりませんでした。

鉄道車両のデザインにスポットライトが当たるようになったのは、JR九州が次々と斬新な車両を発表するようになってからです。そして、それらの車両は水戸岡鋭治と彼の率いるドーンデザイン研究所がデザインしていました。そして、水戸岡鋭治は鉄道車両のデザイナーとして第一人者になりました。

水戸岡鋭治は岡山県出身。岡山工業高校を卒業後、大阪やミラノのデザイン事務所に勤務。1972年に独立してドーンデザイン研究所を設立し、家具や建築のデザインを始めます。水戸岡は名前に反してのんびり屋で不器用、鈍くさい少年だったため、ついたあだ名が「鈍治(どんじ)」。しかし彼はこのあだ名を気に入っていて、ドーンデザイン研究所の名前もそこから来ています。

1988年、福岡市にある「ホテル海の中道」のアートディレクションを手がけたことから、彼とJR九州との付き合いが始まります。そして福岡近郊の観光名所として海の中道の人気が高まったことから、ジョイフルトレイン「アクアエクスプレス」のデザインを依頼されました。これは国鉄時代のディーゼルカーを改造したものでした。

1992年には、787系電車「つばめ」のデザインを担当。ブルーリボン賞、ブルネイ賞、グッドデザイン認定、松下電工ライティングコンテスト最優秀賞などを受賞し、国内外から高い評価を得ます。続けて883系電車「ソニック」、885系電車「かもめ」、九州新幹線800系電車「つばめ」と次々とヒット作を発表。JR九州の標榜する「鉄道ルネッサンス」をものづくりの面から支えました。

彼の集大成となったのが、2013年の10月にデビューした豪華寝台列車「ななつ星in九州」です。1人あたりの価格が1泊2日で15万円~40万円、3泊4日で38万円~95万円という破格の値段にもかかわらず、2013年の平均倍率は7倍を超え、プラチナチケットとなりました。この大成功に刺激を受けたJR東日本と西日本は、相次いで同様の企画を推進しています。

本書はそんな水戸岡のデザイン観、仕事観をまとめたものです。帯には「水戸岡が仕事の心構えと覚悟を語る本はこれが最後」とありますから、文字通りの「集大成」と見ていいでしょう。判型はA5判と大判で、巻頭16ページはカラー口絵となっています。税別2000円とやや高めの本ですが、240ページでずっしりと重たい大判の本ですから、納得できます。

まずは目次からご紹介しましょう。
序章 はじめに・デザイナーはアーティストではない
第1章 雇い主に盾突く
第2章 本当の顧客に尽くす
第3章 攻撃的職人列伝
第4章 「ななつ星」でできたこと
第5章 鉄道車両は椅子が命
第6章 時には妥協もします
第7章 コピー上等
第8章 贅沢だけど高価ではない
第9章 青臭くてもやり通す
第10章 稼ぎ仕事と務め仕事
第11章 次は「或る列車」
第12章 大分の駅を引き受ける
第13章 クルーズは再び海へ
第14章 街づくりはお任せください
第15章 これからは提案します
終章 終わりに・盾突くということ

序章で著者は「デザイナー」の仕事についてていねいに解説しています。
***
「デザイナー」と聞いて、みなさんはどのような印象を持たれるでしょうか。デザイナーの仕事って、かっこいい、優雅なものではありません。ひらめきだけで、美しさだけで、感性だけで、ささっと線を1本描くアーティストのような仕事ではありません。
(中略)
デザイナーというのはもっと手間ひまかかる面倒なブルーカラーに近い仕事です。闘いと説得の連続です。顧客の要求を汲みとり、交渉し、妥協し、予算を管理し、値切り、請求書を発行し、地べたを這いまわってものを創り上げていく。アーティストというより、むしろ技術者、設計者、いや職人の仕事に近い、つまり“ものづくり”の仕事なのです。
***

オリンピックのエンブレムで「パクリデザイナー」が話題になりましたが、本書を読む限り、デザイナーという仕事はずいぶん泥臭く、苦労の多いものであるようです。魔法の杖で魅力的なものをこしらえるのではなく、現実に存在する膨大な要素を突き合わせ、選択し、最善と思える形に仕上げていく。孤独な魔法使いではなく、精力的なプロジェクトリーダーといえる存在です。

実際に著者はどんな仕事をしているのか。それは序章の「絵を描くという力」で以下のように示されています。
***
デザイナーというのは顧客と職人とをつなぐ仕事です。絵はそのためのコミュニケーションのツールです。技術者、設計者同士は図面でコミュニケーションします。
(中略)
図面は技術屋にしか伝わりません。文字だけの企画書ではピンと来ません。質の高い“絵言葉”は、会社を動かすプレゼンの道具として強いんです。重要な決断をする偉い人は、図面をじっくり見る時間がなく、即座にわからないんです。顧客、発注者、職人とコミュニケーションするには完成予想図、つまり絵が必要です。
(中略)
僕たちは経営者に、決めやすいように、わかりやすいように、瞬間的に見るだけで判断ができるように、準備をしアシストする係です。
***

第1章ではいきなり「盾突く」という穏やかならざる言葉が出てきます。その言葉の意味は、「発注者の言いなりにならない」ということです。クライアントのイエスマンであっては、外注者である意味がありません。あくまでもクライアントの発想内でしか仕事ができないからです。殻を破り、斬新な価値を提案するためには、クライアントが腰を抜かすようなものを持ち出さなければなりません。

著者は、従来の鉄道車両で「タブー」とされていたことを次々と提案しました。すると当然ですが反発されます。それをなだめ、説得し、ときには妥協して主張を通していく。たとえば内装材に「木」を使うことでは、こんな闘いがありました。
***
僕は車両の床は木にするべきだと思います。木は人間の体温を保ってくれるので、人間にとっては心地いい、自分を守ってくれる素材なんです。土も、紙も、草も、わらも、竹も、石もみんなそうです。
(中略)
初めに木を使ったときは大変でした。在来線つばめ「787系」に木を使おうとしたときのことです。JR九州の人が、「燃える」「傷つく」「腐る」と木の弱点ばかりあげつらうのです。
(中略)
「安全のために燃える素材を使わない」というのは正しい。しかし「安全のために木材を使わない」というのは正しくない。問題は安全かどうかです。木かどうかではないのです。「木を使いながら燃えないものを造る」技術を工夫すればいいのです。
***

同様に、著者は車両の内装材にガラスを使うことでも反対の大合唱を乗り越えました。
***
JR九州も製造を担当する車両メーカーも声を合わせて大反対。メーカーの人は予算が合わないからダメ、手間がかかるからダメって言う。JR九州は危険だからダメ。揺れる列車の中でガラスを使うと割れるって言うんです。冗談じゃない。今だって窓ガラスは使っているじゃないか。でも仕切りのガラスは別の話になってしまうんです。今までやったことないことをやるのはまず危険だと。顧客にとって危険なんじゃなくて、会社員としての自分の立場が危険なのね。
***

第2章では「本当の顧客」という言葉が出てきます。本当の顧客とは、JR九州ではなくてJR九州を利用するお客さんのことです。
***
このようにJR九州に盾突くのにはわけがあります。僕は本当の顧客に尽くしたいのです。この25年間、ずっとJR九州の仕事をやってきました。ただし、JR九州は雇い主ではありますが、本当の顧客ではありません。本当の顧客は最終ユーザーです。列車に乗るお客さんです。子供やお年寄りなどの利用者です。
(中略)
僕は利用者の代表として、ものを申したい。自分がやりたいことのために闘うのではなくて、ユーザーのために闘います。JRの立場とか、建築家の立場とか、ゼネコンの立場とか、職人の立場とか、そういうことは一切考えたくないんです。利用者から見たときに、この値段でちゃんと価値があるかどうかで勝負します。
***

素晴らしいのは、著者のそういう姿勢を発注者であるJR九州がきちんと理解してくれていることです。
***
この点はJR九州にも確認してあります。「JR九州側に立たないでデザインしていいですか。僕は利用者の代表としてデザインしたいのです」とお願いしました。JR九州は「いいです」と答えた。それを前提に発注してくれるんだからありがたい。それだったら力が出ます。それだったらいろんな人が参加してくれる可能性があります。
***

では著者は何をもって「正しい」と判断しているのか。独断と偏見に陥らないための指標はどこにあるのか。それについては次のように記されています。
***
自分たちの子供と次の世代を考えて、ものを決めると、間違いが少なくなる。正しい決定ができると思います。それは目先の利便性や経済性を優先することではなくなる。長期の展望でものを決めていくから、正しい答えが出るんですよ。だから子供たちに心地いいもの、新しいもの、感動するものを提供することが必要です。65歳以上の高齢者も大切です。子供たちが最初に乗る車両や最初に来る駅を素晴らしいものにする。私たちの大人の知恵を全て使って全力でつくることが大事です。子供は最初に見たものが、ものを考える基準になっていくわけですから。
***

著者は今、「或る列車」というプロジェクトを手がけています。1人2万円くらいで、車窓を流れる景色を見ながらスイーツのフルコースを楽しむことができる列車です。タイトルの「或る列車」とは、JR九州の先祖である九州鉄道の時代にあった豪華列車のアイデアで、それを100年越しで実現するものです。夢とロマンに満ちた泥臭い仕事のドラマを、どうか本書でお楽しみください。


EC仙人のダメ出し!道場

有限会社スタイル・イー

有限会社スタイル・イー
代表:太田哲生
http://www.style-e.com/

痛い痛いっ(泣) いきなりゴメンなさい!

家で料理をしていてスライサーで右手中指の先を切ってしまいまして、大した傷ではなく、今の今までは「ちょっと痛いな」という程度だったのですが…いざこの原稿をキーボードに向かって打ち込み始めたら…。
痛い、痛いっ! 中指の先っちょって、普段の生活ではそんなに触れないのに、キーボードを打つときが一番使うんですねっ!(泣)
今、ティッシュとセロテープでカバーしてクッションにと思うと、今度は指が太くなりすぎて余計なキーまで押してしまうし…。
でも中指だけ使わずにキーボードを打とうとしたら、意外や苦戦…。右手だけパソコン初心者に戻ったようです(汗)。
ほんの小さな傷ひとつの痛みでもこんなにも不自由になるなんて…。改めて健康と右の中指くんのありがたさを感じております。
──────────────────────────
話は変わりますが…年の瀬になると「流行語大賞」やら「今年の漢字」やら、1年を振り返って今年をまとめるようなニュースがいろいろと流れておりますが…。
メジャーなニュースはテレビや新聞に任せて、私はこんなニュースがちょっと気になりました。

SNSの中でも今年人気急上昇で、ユーザー数も激増のInstagram(インスタグラム)ですが、写真や動画を投稿する際にハッシュタグというキーワードを「#」を添えて検索してもらいやすくするのですが、日本語ハッシュタグの2015年度No1は…

なんと! 「#猫(#ねこ)」だったそうです!

以下ベスト10までが
2.#ありがとう
3.#ハンドメイド
4.#ネイル
5.#ランチ
6.#犬
7.#大好き
8.#海
9.#かわいい
10.#空

同じ身近な動物の「#犬」が6位ですから、大差をつけて「#猫」人気なんですね! 猫の場合、飼い猫だけじゃなく野良ちゃんたちも被写体として撮影・投稿されやすいのかもしれませんね!
かくいう私も、投稿の8割方は愛猫の写真・動画です!(苦笑)

その他では「#ハンドメイド」、「#ネイル」「#ランチ」など「おしゃれ女子」がトレンドに大きな影響を与えていそうなハッシュタグが目立ちますね。

ちなみに英語を含めたワールドワイドでのハッシュタグランキングでは、「#cat」は103位、「#dog」は61位だそうですので、世界的にはやはり犬のほうが人気のようですし、日本での猫人気は突出しているといえるのかもしれませんね(確かに猫が登場するCMはかなり多く、猫ブームに影響しているのかも…)。

さてさて、今回のショップさんは…
猫ちゃんならぬ熊さんのお店! といっても本物の熊ではなくて、「テディベア」のぬいぐるみ専門店さんです!

それでは「ダメ出し!道場」スタートです。

ダメ出し!依頼ショップ
Uniques Bearさん

ショップ名 :
Uniques Bearさん

URL : http://www.uniquesweb.com/

カテゴリ : ファッション

概要と問題点を書き出しましたので、ご確認の程、宜しくお願いいたします。

●商材
1)オリジナルの在庫テディベア販売
店長自らが選定した素材で作る、独自性高い既製テディベア。ちょっとマニアックかもしれません。

2)思い出ベア
洋服などの生地を使って製作する、個人向けのオーダーメイドテディベア製作。

3)B to Bオーダーメイドテディベア製作
企業向けオーダーメイドテディベア製作。

●当ショップの特徴
高級ブランドのOEM生産も請け負う国内ぬいぐるみ工場で、1体からプロの職人さんが製作いたします。
通常は少数のぬいぐるみオーダーは工場で請けてくれませんので、1体でも製作依頼が出来るのは凄い事なのですが...

●現状のショップ状況・悩みの点
1)在庫品を売りたいのか、個人向けオーダーメイドを受注したいのか、企業向けのオーダーメイドを受注したいのかがゴチャゴチャしている
2)思い出ベア(個人向けオーダーメイド)をもっと普及させたい。思い出ベアは故人の遺品をテディベアにする場合が多いので、注文してくれたお客様がとても喜んでくれることに、当方も非常に喜びを感じています
3)ショップの認知度の低さ、テディベアの価格面なのか、受注・売れ行きともに今ひとつです
+++++++++++++++++++++
以上、このような感じになりますので、ご確認の程、宜しくお願いいたします。

ユニークスWebショップ店長 久保

第一印象、整然とキレイなページだが…

実はこちらのお店の運営会社さんはWEBデザインや広告の会社だということで、WEBデザインは正にプロですから当然と言えば当然ですよね。

本来なら「ダメ出し!道場」はWEBデザインの会社さんはプロなので、「ダメ出し!」するまでもないでしょ! とお断りするところなのですが…
今回はデザインや見た目よりもビジネスモデルの独自性がユニークで、他のお店さんにも参考になると思いましたのでお受けすることにしました。

ビジネスモデルのことは後ほどご紹介することにして、まずはトップページにアクセスした第一印象は…

クリスマスセールの大きく美しいデザインのバナーと、テディベア画像にスッキリ整然と作られたメニューやバナー類で、「とても見やすくキレイなホームページだなぁ!」という感じです。

が、ひと通りあちこちとクリックして見て回ると、キレイなページだけど何か寂しくて物足りない印象がしてきました。

それは…いつも言っていますが「人気(ひとけ)」のなさです。
スッキリ、整然と見た目も整っており、商品のスペック(仕様)も明確なのですが…それはメーカーさんのカタログのようであっても、お店=売り場としてはやや味気ない印象なのです。

テディベアは生きた動物ではない「物」かもしれませんが、本来のぬいぐるみは贈り主にも受け取る人にもそれを「物」としてだけではない「心」や「気持ち」がこもっているはずですよね。

それを感じられないのです。

「ユニークステディベアのご案内」
http://www.uniquesweb.com/page/1
を見れば、高級素材の服の生地や、英国製やドイツ製の眼のパーツ(グラスアイ)を用いて、日本の技術や品質の高い工場で、置き場所を選ばないちょうど良いサイズで作られているとか…

「店長プロフィール」
http://www.uniquesweb.com/profile
のページにも、
当店のテディベアは、クオリティの高い素材にこだわり、縫製技術の優れた日本国内製作にこだわり、仕上がりのバランスにこだわった、お洒落に飾れる大人向けテディベアです。

と、おしゃれなインテリア的な要素を前面に押し出して書いてありますし、店長の趣味のミリタリーグッズ収集の延長で、迷彩柄生地のテディベアも作られたんだなぁ…とかはオリジナリティがあって他店との差別化には良いとは思うのですが…

子供さんへのおもちゃ、子供のパートナーとしてのぬいぐるみの要素では考えられていないように見受けられます。

理屈や勝手な憶測で申し上げているのではなく、そう感じるには明確な理由があります。子供が貴店のテディベアを抱っこしている写真が1枚も見当たらないのです。子供だけでなく、店長やスタッフも、お客様の写真でも…「人がテディベアを抱っこしているシーン」がまったく見当たらないことで、ひとけのない、インテリア雑貨として飾り物の熊の置物屋さんのような印象になっているのではないでしょうか?

これは貴店に限ったことではないのですが、男性店長、男性デザイナーが作ると、商品を合理的・物理的に分類し、理路整然と陳列する、あまりに自販機型・メーカー型のデータベースのようなお店になってしまいがちなのです。

機械物やパーツ販売をしているようなお店ならそれでも良いのですが、ファッションやアクセサリー、コスメなどの商品は、機能や仕様で商品価値が決まるのではなく、印象や心地良さなど「心」や「心理面」での商品価値が重要な業種です。

貴店のような業種のオンラインショップは、決して「商品仕様説明一覧自動販売機」ではなく、「テディベアとお客様の出会いの場」でなくてはなりません。

ホームページデザイン、WEBサイト構築 というデザインのプロの考え方よりも、「売り場」「出会いの場」をどう演出するか? という商売人や、演出家のような感覚を優先させなければなりません。

具体的なダメ出し…見せ方面

いきなり厳しいことを書いてしまいましたが、私はユニークスさんのこのお店、この商品、サービスを含めたビジネスモデルはとても素晴らしい! と思っています。

高級ブランドの服の生地をリユース(再利用)してMade in Japan の確かな縫製品質で世界に1つのオンリーワンのテディベアを作ってお届けする。お客様の思い出の服地や生地でオリジナルのテディベアも作れる。法人や団体さんなどのオリジナル企画ギフトとしてテディベアを作れるなど、その商品、サービスは簡単に他社が真似することが困難ですし、潜在的なニーズのポテンシャルはとても大きいと考えます!

でもそれだけに、テディベアの本質を見失わないでいただきたいのです。

あらためて、お子さんやスタッフさんがテディベアを抱っこしたイメージカットをたくさん用意して見せましょう!

これは印象だけの話ではなく、サイズ感をひと目で、一発でお客様に伝えるためにも必要だと思います。

現状、「ユニークステディベアのご案内」ページに実寸サイズが明記されてはいますが、各商品ページにはサイズは明記されていませんし、サイズ感が分かる写真も用意されてはいません。

外部から検索で各商品ページにランディング(アクセス)されたお客様は商品サイズがわからず、サイズの書いてあるページを探してさまようか、あきらめて出て行くことにもなりかねません。

実寸サイズを全商品ページに記入するのも必要ですが、それ以前にひと目でサイズ感のわかる抱っこカット写真が必要だと思います。
そしてその抱っこ写真はサイズだけでなく、温かみや心地よさ、喜びも伝えてくれることでしょう(^-^)

「お店」「法人」「大人のおしゃれなインテリア」という「モノ」としてだけではなく、本来の「抱っこできる傍にいてくれる可愛いクマさん!」としての見せ方を忘れないようにしましょう。

具体的なダメ出し…商品・サービス面

<ギフトラッピングについて>
実際には自分用の注文とギフトでの注文の比率はわかりませんが、自家用でもお届け先が違っていても、「ギフト」での注文が多いのではないかと想像されます。

そう思うと、いざ自分がギフトで注文する際には…
「ギフト包装・ラッピングはどんな感じでお届けしてくれるの?」が気になりますね。現状はギフト包装・ラッピングの写真が見当たりません。

クリスマスの看板画像にある茶色い袋にリボンがそうでしょうか?
しっかりした箱と包装紙でのラッピングはしてもらえないのでしょうか?

ユニークスさんに限らずギフト注文が少ないお店でも、ギフト包装・ラッピングのイメージはページを用意してキチンと見せるべきですね。

また、昨今ではエコを優先して、ギフトでも簡易な物を望まれるお客様も増えてきましたので、簡易でエコなギフトラッピングと、しっかりと見栄え優先のギフトラッピングとを選べるように用意しておくのが理想的だと思います。

箱や包装資材のコストが高い場合は、有償でお客様に負担していただいても良いと思います。あまり無理して利益を削って継続できなくなるくらいなら、最初から有償にしておきましょう。

またギフトであれば「手書きメッセージカードの同梱」なども、当たり前品質のサービスとして欲しいところですね。
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<リユース生地の衛生面>
リユースの生地、服地を使うという点で気になるのは、古い洋服に染み付いた汚れやホコリなど。神経質なお客様は気になるかと思います。
何年、何十年も前の服であれば、ダニやダニの死骸などのハウスダストが含まれていてもおかしくありません。

贈り先がアレルギー体質のお子さんで、喘息の発作でも出たら!? などと考えると、再生、製造前にキチンと洗濯やクリーニングはなされるのか? が気になりますね。

また中綿は新品かとは思いますが、例えば抗菌や防ダニなどの処理がなされていたりするのでしょうか? もしその辺が未検討であれば、今後の課題でもあり、より品質・サービスの向上の可能性があると思います。

総評

繰り返しになりますが、ビジネスモデルとしてリユースの生地やオリジナルの生地を用いたオンリーワンのテディベア製造販売というのは、他社が容易に真似しにくいユニークで強みのあるモデルだと思います。

それだけに買い手、貰い手(ユーザー)の気持ちや心理をもっと思いはかり、見せ方の演出や思いを贈るという意味でのギフトサービスの向上・充実をしていけば、もっと満足度の高いお店になれるのではないでしょうか?

世界的に認知されている「Teddy bear」ですから、日本だけでなく、海外市場への展開も、貴店の着物生地を用いた「ジャポネスクシリーズ」を強く押せば、大きな可能性を秘めていると思います。

最後になりましたが、下記 ご質問の件。
1)在庫品を売りたいのか、個人向けオーダーメイドを受注したいのか、企業向けのオーダーメイドを受注したいのかがゴチャゴチャしている

企画在庫品と個人向けオーダーメイドを軸にしつつ、商品・サービスの強みをアピールして、企業向けの大口オーダーは「来たらラッキー」というスタンスで良いと思います。

もっと積極的に企業オーダーを獲りたければ、事例を織り交ぜたコンテンツを増やしていって用途提案をしなければ、法人のお客様の側から「自社オリジナルのテディベアを作ろう!」というアイデアはなかなか出てきにくいと思います。

サイトデザインに関してはプロの貴社ですので、今後はビジネスモデルのアレンジや商品・サービスの拡充をうまくプロデュースできれば、必ず右肩上がりの成長を描けると思います。

いつでもビジネス面についての疑問などがありましたら、ご相談ください(^-^)
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さて、おちゃのこメルマガも「ダメ出し!道場」も今年は今回が最後となります。今年もお世話になりました!

でも12月もまだ2週間残っています!
最後の追い込みを頑張ってください。

そして、皆さん年の瀬でお忙しいとは思いますが、「新年初売り」や「福袋セール」など、新年のスタートダッシュの準備もお忘れなく!

それでは皆さんぜひ良いお年をお迎えください!

ダメ出し!道場 登場希望者募集中

皆さん、こんにちは。
いつもお世話になっております。 おちゃのこネットの刑部です。

本メルマガの人気No.1コンテンツ、「ダメ出し!道場」のご愛読ありがとうございます。

さて、通常のダメ出し道場ですが、現在お待ちのショップさまはございませんので、お待ちいただくことなく診断できます。
太田仙人の診断を無料で受けられる貴重な機会ですので、是非手を上げるお店さんはご連絡下さい。

皆さんの前でダメ出しされるのは勇気が要りますけど、客観的なアドバイスを貰える機会は貴重なはず。そして、お店の現状に満足されている方はいらっしゃらないはず。
商売人さんには、こういう機会を貪欲に活かして頂きたいです。
実際、ダメ出し道場後にご自身でショップを改善し成果を出されているショップさまも多数ございます!

診断ご希望者は「info@ocnk.net」まで、「『ダメ出し!道場』登場希望」とメールをください。

●リアルダメ出し道場について
リアルダメ出し道場についても、募集をさせていただきます。
リアルダメ出し道場では、通常のダメ出しに加え、商品を実際に購入しての対応や梱包、商品そのものまでを診断します。
まずは、1店舗のみ募集させていただき、応募後、太田仙人、弊社にて審査させていただきます。


診断ご希望者は「info@ocnk.net」まで、「『リアルダメ出し!道場』登場希望」とメールをください。

さて…

オンラインショップの本質は表のホームページからだけでは見えない接客や、梱包、配送、そして商品そのもの等、「裏」の強みや弱み、そして個別の事情によるのが当たり前です。

実際に、「売れる・儲かる」という部分は、実はこの見えないところにこそ本質的な秘密や課題があるものです。

この「ダメ出し!道場」の企画は、公開という性質上、あくまで表から見たお店の印象や、そこから類推できる範囲の改善点をお客様目線でご指摘するものですので、ご理解ください。

もっと突っ込んで、あなたのお店の事情や商品、人事、資金などの問題点や課題を洗い出したい! 解決したい! 強みを作りたい! という店舗さんは、個別にご相談をお受けいたしますので、

診断が待ちきれない方は!「ダメ出し!道場見ました!」の件名にて
メールにて直接お気軽にご連絡くださいませ。

info@style-e.com 太田まで。


現役おちゃのこネット店長はこう使ってる!
第6回 新規客とリピーターどちらが大切か

こんにちは。
「卵・乳アレルギー対応パンのtonton」店長の井藤です。

新規客とリピーター客。どちらが大切とお考えですか?


そりゃリピーターに決まってるよ!

そんな声が聞こえてきそうです。

そうです、みんな知っているんです。
リピーターのほうが大事。

今さら言うことではないですが、

  • 3割のリピーターが7割の売上を作っている
  • リピート客の場合は新規顧客の獲得よりもコストが1/5~1/10
  • 100回通われたお客様は、新規顧客100人分に相当する

とよく言われます。

わかっているのに、どうして新規顧客を追いかけてしまうんでしょう?

  • SEO対策
  • インターネット広告
  • 会員新規登録500ポイント進呈

これって全部、新規顧客獲得のための施策ですよね…

新規顧客が購入されると、「新しいお客様が来た!!」と手放しに喜んでしまって、更に新規顧客を探してしまいがちです。

それもそれでいいんですけど、ショップの運営のことを考えると、まずはリピーターにもう一度購入いただくほうが楽です。
だって、「100回通われたお客様は、新規顧客100人分に相当する」んですから。

穴が空いているバケツにいくら水を入れても水が貯まりません。

まずは、穴を塞ぐことが優先ということです。

リピーターのほうが大事。わかってる。で、何してる?

リピーターになっていただくために、どんなことしていますか?

それは…

どこにも負けない高品質な商品にすること?

間違ってはいないと思いますが、それはもはや日本では当たり前。
どこを向いても、低品質ものを販売されているお店はありません。

これだけネットショップがたくさんあってモノが溢れている現状では、商品そのものでリピーターになっていただくのは難しいと思いませんか?

 

例えば、すごくおいしいラーメン屋さんに出会ったとします。

今まで食べたラーメンの中で一番美味しい!
いつもは店員に声をかけたことないのに、マスターに「美味しかった!また来るよ!!」と思わず声をかけたとします。

で、その後リピーターになるのかというと…
どうでしょう?
違うお店でラーメンを食べていませんか?

なぜでしょう?

3日も経てば、その感動は忘れてしまうからです。

だって、一日中ラーメンのことを考えているわけではないですよね。
次の日になればやることはたくさんあるし、この情報社会で生きてる以上、あふれんばかりに美味しいラーメン屋さんの情報が飛び込んできます。

いや、忘れなかったとしても、街にはたくさんのラーメン屋さんがあるので、もしかしたらもっと美味しいラーメンがあるかも知れない。
そんな浮気心もリピートの邪魔をします。

では、どうすればいいでしょうか?

リピートしない理由
1.商品が合わない
マズい、口に合わない、など。
2.ショップが合わない
ショップが気に食わない、ネットショップが使いにくい、メールがウザい(笑)など。
3.ライバルに浮気
近くで同じものが手に入る、同業のショップのほうが良かった、美味しかった、便利だった、など。
4.忘れられる
人は忘れる生き物です。
ましてや、情報過多の時代。
ほっとくと忘れられるんです。

1、2、3はどうしようもないですよね。
商品の品質や希少性を上げるよりほかありません。

でも、4はどうでしょう?
忘れられないようにする方法はいくつかあります。

ブログ、Facebook、Twitter、YouTube
メールマガジン、ダイレクトメール
電話する、直接会いに行くなど。

何らかの方法で思い出していただければいいわけです。

これについては奥が深いので、後日改めて書きたいと思います。

お客様の対応は平等にすべきか

「お客様は平等に扱うべきだ」
昔からそう言われてきました。

コンビニに行っても、ファミレスに行っても、スタッフはマニュアルに沿って均一な接客をするように指導されています。

お客様は平等に扱うべきなのか?

ところで、お気に入りのお店ってありますか?
何件か思い当たるお店があると思います。

そのお店のマスターやお気に入りの店員と気軽に話出来たり、隠れメニューが出てきたり、何度も通って常連になったからこそステキなサービスを受けたりしますよね。

「このお店は常連の自分にとても良くしてくれる。やっぱりステキなお店!」

また通っちゃいます。

もし、リピーターの方が「初めての客と平等に扱われた!」と感じたとしたら・・・
「こんなに通っているのに、他の客と同じ扱いにしないでくれよ!」
と思うのが人間の心理です。

新規客とリピーターどちらが大切かというと、リピーターを大切にしましょうというお話をしました。
初めてのお客様が次も来店されるように、3回目のお客様は4回目も来てくださるように。

リピーターの中でも、濃いリピーターほど大切にしなければ行けないことが、この図からわかります。

顧客属性と売上の相関図

一般的によく目にする、統計学からわかるお客様の属性と売上の相関図です。

濃いリピーター=ファン客の人数は全体の10%、売上は全体の40%。
それに引き替え、初回客の人数は全体40%で、売上は全体の10%。
ファン客は初回客の16倍もの累計金額を使われています。

数こそ少ないですが、このファン客こそお店の売上を支えていると行っても過言ではありません。

ファンだからこそ口コミが生まれて友達や知り合いを紹介いただけます。
しかも、その友達や知り合いはきっとファン客と似たような方でしょうから、新たなファン客になりやすいのです。

そしてまた友達や知り合いを連れてきてくれる。
そう、新規のお客様はファンのお客様に連れて来てもらえばいいんです。
この循環こそ、最高のお店の作り方だと信じています。

それを実現するためにはファン客になっていただく仕組みが必要です。

そして、その仕組みは、おちゃのこネットで再現可能です。

6回に渡り連載しました「現役おちゃのこネットショップ店長はこう使っている!~心構え編~」は、これで終わりたいと思います。

えっ?使い方の説明になってない??
ホントだ( ゚Д゚)!
ネットショップ店長は「こう使っている!」の、「こ」の字も出てきませんでした(^_^;)

  • なぜその機能を使うのか?
  • そのツールを使うと、お客様はどう感じるのか?
  • お客様に足繁く通っていただくためには、何は必要なのか?
  • そもそも、なぜ商売をしているのか?

 

ここを抑えることで、ショップの見せ方やツールの使い方が変わってくると思い、「心構え編」で解説させていただきました。

目指すべき道標があれば、どんな機能をどういうふうに使えばいいのか、わかる気がしませんか?

次回は「心構え編 まとめ」として、一度情報をまとめたいと思います。
どうぞ、ご期待ください!

see you!!

卵・乳アレルギー対応パンのtonton
卵・乳アレルギー対応パンのtonton
カテゴリ:食品、飲料
「卵と牛乳抜きのパンを作っていただけませんか?」ご近所のお客様からご要望をいただき作ることになった卵・乳アレルギー対応パン。日本で唯一、卵と乳製品を一切持ち込まない専用工場で製造した安心のパンを通信販売しています。

このコーナーでは、テンプレートのカスタマイズについて、実際のサンプルページを元に紹介していきます。

皆さん、こんにちは。 おちゃのこネットの刑部です。
今年最後のデザイン道場となりました。
今回のデザイン道場は、2015年にご紹介したデザイン道場の一覧です。


本年も大変お世話になりました。
2016年も皆さんのお役に立つデザイン道場をお届けして参りますので、よろしくお願い致します。

なお、お問い合わせは下記ページからお願い致します。

https://www.ocnk.net/contact/index.php

Webマニュアル

このコーナーでは、おちゃのこネットの機能や提携サービスをご紹介していきます。
今回は、今年最後ということで、あらためてWebマニュアルのご紹介です。
おちゃのこネットには、印刷物としてのマニュアルはありません。
日々改良を行い機能が進化するため、マニュアルも即時更新可能なWeb版でご用意しています。

年末年始に再度Webマニュアルを是非一度ご覧になってみてください。

おちゃのこネットWeb Manual

FAQ(サポートくらぶ)

http://www.ocnk.net/faq/

なお、お問い合わせは下記ページからお願い致します。

https://www.ocnk.net/contact/index.php

編集後記

仕事場に近い地元の経営者を、毎月3社ずつインタビューしています。幼稚園の園長先生、歯科医師、葬祭業、旅行代理店、郵便局長、廃品回収業など、さまざまな職種のプロフェッショナルから話を聞くのが楽しくてたまりません。
(おちゃのこ山崎)

■おちゃのこネットのご利用方法については、おちゃのこサポートくらぶも参照ください。(http://www.ocnk.net/faq/
また、マニュアルもご用意しております。(http://www.ocnk.net/webmanual/

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